こんにちは、税理士法人植村会計事務所の代表を務める植村拓真です。
弊所では、節税対策の一環として法人化の準備を進められている個人の方や、売上増加に伴って法人税の負担が重くなってきている経営者の方などから、役員報酬の金額設定に関するご相談をいただく機会が多いです。
たとえば、次のようなご質問をよくいただきます。


役員報酬の支給を月額15万円にするか20万円にするかで悩んでいますが、額面月額に占める手取りの割合に差はありますか?

本記事を読んでいる方の中にも、同様の疑問をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、役員報酬を月額10万円に設定する場合の手取りと社会保険料シミュレーションを、月額15万円や20万円などに設定するケースとあわせて行います。
役員報酬の手取りを最大化させるうえで、設定金額はいくらが得なのか悩まれている方は、本記事の内容を参考にしてみてください。
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役員報酬を月額10万円に設定する場合の手取りと社会保険料シミュレーション

本項目では、役員報酬を月額10万円に設定する場合の手取りと社会保険料シミュレーションを、以下の前提条件に基づいて行います。
- 役職:経営者(1人社長)
- 年齢:40〜64歳
- 本店所在地:東京都渋谷区
- 居住地:東京都渋谷区
- 家族構成:単身者
- 適用する所得控除:社会保険料控除と基礎控除
役員報酬を月額10万円に設定した場合、毎月の手取りは8万円程度になります。
| 項目 | 金額 |
| ① 額面月額 | 10万円 |
| ② 年収 ( ① ✕ 12か月 ) |
120万円 |
| ③ 社会保険料 | 約18万円 |
| ④ 所得税 | 0円 |
| ⑤ 個人住民税 | 約1万円 |
| ⑥ 税負担の合計金額 ( ③ + ④ + ⑤ ) |
約19万円 |
| ⑦ 手取りの年額 ( ② ー ⑥ ) |
約101万円 |
| ⑧ 手取りの月額 ( ⑦ ÷ 12か月 ) |
約8万円 |
| ⑨ 年収に占める税負担の割合 ( ⑥ ÷ ② ✕ 100 ) |
約15.8% |
役員報酬を月額10万円に設定すると、年間の手取り額は100万円程度です。
なお、支給額を月額10万円に設定するケースでは、役員報酬から毎月天引きされる社会保険料が、15,000円程度になります。
| 項目 | 金額 |
| ① 健康保険料の月額 | 約5,600円 |
| ② 厚生年金保険料の月額 | 約9,000円 |
| ③ 毎月天引きされる社会保険料 ( ① + ② ) |
約14,600円 |
あくまで本記事を執筆した時点の情報に基づくシミュレーションであるため、本項目の内容と実際の計算結果が異なるおそれがあります。
参考:国税庁(令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|源泉所得税関係)
参考:全国健康保険協会(令和7年3月分〔4月納付分〕からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表|東京支部)
参考:渋谷区(令和7年度 特別区民税・都民税〔住民税〕の算出方法)
参考:内閣府ホームページ(説明資料|個人住民税について)
参考:国税庁(No.2260 所得税の税率)
参考:国税庁(No.1130 社会保険料控除)
参考:国税庁(No.1410 給与所得控除)
参考:財務省(所得控除に関する資料)
関連記事:役員報酬を決める際に税理士へ相談するメリット|適切な金額の決め方や相場も解説
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役員報酬の手取りシミュレーションを月額別にまとめた一覧表


上記のようなご要望をいただく機会が多かったため、役員報酬の手取りシミュレーションの結果を、月額別にまとめた一覧表を作成しました。

あくまで本記事を執筆した時点の情報に基づくシミュレーション結果であるため、金額の正確性を保証するものではありません。
また、上表の手取りシミュレーションは、下記の前提条件に基づいて実施しています。
- 役職:経営者(1人社長)
- 年齢:40〜64歳
- 本店所在地:東京都渋谷区
- 居住地:東京都渋谷区
- 家族構成:単身者
- 適用する所得控除:社会保険料控除と基礎控除
特に、法人税の節税効果を期待して、役員報酬を多く支給するようなケースではリスクが伴います。
役員報酬の支給額のうち、不相当に高額とみなされる部分については、損金算入が認められないためです。
役員報酬の支給額を高めに設定する際のリスクについては、下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:役員報酬が高すぎる中小企業が抱えるリスク|相場や適切な決め方も解説
参考:国税庁(令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|源泉所得税関係)
参考:全国健康保険協会(令和7年3月分〔4月納付分〕からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表|東京支部)
参考:渋谷区(令和7年度 特別区民税・都民税〔住民税〕の算出方法)
参考:内閣府ホームページ(説明資料|個人住民税について)
参考:国税庁(No.2260 所得税の税率)
参考:国税庁(No.1130 社会保険料控除)
参考:国税庁(No.1410 給与所得控除)
参考:財務省(所得控除に関する資料)
参考:国税庁(No.5211 役員に対する給与|平成29年4月1日以後支給決議分)
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役員報酬の手取りを増やすための節税対策

本項目では、役員報酬の手取りを増やすための節税対策について解説します。
役員報酬の手取りを増やすために実施できる主な節税対策は、以下のとおりです。
- 所得控除と税額控除を漏れなく適用する
- 役員社宅制度を活用する
それでは、順番に見ていきましょう。
所得控除と税額控除を漏れなく適用する
所得控除と税額控除を漏れなく適用すると、所得税と個人住民税の負担を軽減させられるため、手取りの増加につなげられます。
雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、特定親族特別控除(注)、基礎控除
(注) 令和7年12月1日に施行され、令和7年分以降の年分について適用されます。
引用:国税庁(No.1100 所得控除のあらまし)
各所得控除の適用要件については、国税庁のホームページをご参照ください。
小規模企業共済等掛金控除は、小規模企業共済やiDeCoなどに加入した場合に受けられる所得控除ですが、退職金や年金といった将来の資産形成を行いながら、役員報酬の節税対策を実施できるメリットがあります。
税額控除に関してもさまざまな種類が設けられていますが、代表的なものとして住宅ローン控除が挙げられます。
■住宅ローン控除とは
個人が住宅ローン等を利用してマイホームの新築、取得又は増改築等をした場合で、一定の要件を満たすときは、所得税の減税を受けることができます。また、住宅ローン等を利用しない場合であっても、一定の要件を満たすときは、所得税の減税を受けることができます。
引用:国税庁(住宅ローン控除を受ける方へ|令和7年分 確定申告特集)
住宅ローン控除の適用要件については、国税庁のホームページをご参照ください。
参考:財務省(所得控除に関する資料)
参考:国税庁(No.1135 小規模企業共済等掛金控除)
参考:独立行政法人 中小企業基盤整備機構(小規模企業共済とは|制度の概要)
参考:iDeCo公式サイト(iDeCo〔イデコ〕をはじめるまでの4つのポイント)
参考:独立行政法人 中小企業基盤整備機構(小規模企業共済とiDeCoは併用できる?違いやそれぞれの特徴を解説!)
関連記事:役員報酬の手取りを増やす方法|シミュレーションや一覧表も掲載
関連記事:役員報酬を活用した節税対策の効果を高めるポイント|設定額はいくらが得かも解説
関連記事:役員報酬を活用した税金対策|法人で使える節税スキームもまとめて解説
役員社宅制度を活用する
原則、役員に社宅を貸し出すと給与所得として扱われるため、課税の対象となります。
しかし、役員が賃貸料相当額と呼ばれる一定額の家賃を会社に支払っていれば、下記のとおり、給与所得として課税されません。
役員に対して社宅を貸与する場合は、役員から1か月当たり一定額の家賃(以下「賃貸料相当額」といいます。)を受け取っていれば、給与として課税されません。
引用:国税庁(No.2600 役員に社宅などを貸したとき)
また、賃貸料相当額は世間相場の賃貸料と比べると低くなるケースが多いため、自己負担で住居費を支払う場合よりも、手元に残るお金が多くなる傾向があります。
なお、役員社宅制度において会社が負担する費用については、法定外福利費として損金算入できるため、法人税の節税につながる点もメリットです。
以上のように、一定の要件を満たしたうえで役員社宅制度を活用すれば、所得税と個人住民税が課されないため、実質的な手取り増加が期待できます。
ただし、役員社宅は社会保険料の算定対象に含まれる点に注意が必要です。
また、賃貸料相当額を算出するには複雑な計算や専門知識が必要なため、役員社宅制度を活用するにあたって不明な点がある場合は、税理士への相談も検討してみましょう。
役員社宅制度を活用した節税対策については、下記の記事でさらに詳しく解説しています。
関連記事:自宅経費を活用した法人の節税対策|持ち家・賃貸のケースや個人事業主の場合も解説
関連記事:1人社長の自宅の家賃を経費にする方法と注意点を税理士が解説
参考:国税庁(No.2508 給与所得となるもの)
参考:独立行政法人 労働政策研究・研修機構(福利厚生の意義を問い直す|解題)
参考:国立国会図書館デジタルコレクション(第4回 社宅を提供すると法人税と所得税が課税?|納税協会ニュース)
参考:日本年金機構(算定基礎届の記入・提出ガイドブック)
参考:日本年金機構(令和7年4月から現物給与の価額が改正されます)
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役員報酬の支給額別にみる手取りシミュレーション

本項目では、役員報酬の支給額別にみる手取りシミュレーションを、下記の前提条件に基づいて行います。
- 役職:経営者(1人社長)
- 年齢:40〜64歳
- 本店所在地:東京都渋谷区
- 居住地:東京都渋谷区
- 家族構成:単身者
- 適用する所得控除:社会保険料控除と基礎控除
以下の支給額別に役員報酬の手取りシミュレーションを実施します。
- 月額15万円のケース
- 月額20万円のケース
- 月額30万円のケース
- 月額50万円のケース
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
※本記事を執筆した時点の情報に基づくシミュレーションであるため、本項目の内容と実際の計算結果が異なるおそれがあります
参考:国税庁(令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|源泉所得税関係)
参考:全国健康保険協会(令和7年3月分〔4月納付分〕からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表|東京支部)
参考:渋谷区(令和7年度 特別区民税・都民税〔住民税〕の算出方法)
参考:内閣府ホームページ(説明資料|個人住民税について)
参考:国税庁(No.2260 所得税の税率)
参考:国税庁(No.1130 社会保険料控除)
参考:国税庁(No.1410 給与所得控除)
参考:財務省(所得控除に関する資料)
月額15万円のケース
役員報酬を月額15万円に設定した場合、毎月の手取りは13万円程度になります。
| 項目 | 金額 |
| ① 額面月額 | 15万円 |
| ② 年収 ( ① ✕ 12か月 ) |
180万円 |
| ③ 社会保険料 | 約26万円 |
| ④ 所得税 | 0円 |
| ⑤ 個人住民税 | 約1万円 |
| ⑥ 税負担の合計金額 ( ③ + ④ + ⑤ ) |
約27万円 |
| ⑦ 手取りの年額 ( ② ー ⑥ ) |
約153万円 |
| ⑧ 手取りの月額 ( ⑦ ÷ 12か月 ) |
約13万円 |
| ⑨ 年収に占める税負担の割合 ( ⑥ ÷ ② ✕ 100 ) |
約15% |
年間の手取り額に関しては150万円程度です。なお、役員報酬から毎月天引きされる社会保険料は、2万円程度です。
| 項目 | 金額 |
| ① 健康保険料の月額 | 約8,600円 |
| ② 厚生年金保険料の月額 | 約13,700円 |
| ③ 毎月天引きされる社会保険料 ( ① + ② ) |
約22,300円 |
関連記事:役員報酬で税金がかからないのはいくらまで?税金の種類もあわせて解説
関連記事:合同会社の一人社長が給料(役員報酬)を設定する際のルールと決め方
月額20万円のケース
役員報酬を月額20万円に設定した場合、毎月の手取りは16万円程度になります。
| 項目 | 金額 |
| ① 額面月額 | 20万円 |
| ② 年収 ( ① ✕ 12か月 ) |
240万円 |
| ③ 社会保険料 | 約36万円 |
| ④ 所得税 | 約2万円 |
| ⑤ 個人住民税 | 約9万円 |
| ⑥ 税負担の合計金額 ( ③ + ④ + ⑤ ) |
約47万円 |
| ⑦ 手取りの年額 ( ② ー ⑥ ) |
約193万円 |
| ⑧ 手取りの月額 ( ⑦ ÷ 12か月 ) |
約16万円 |
| ⑨ 年収に占める税負担の割合 ( ⑥ ÷ ② ✕ 100 ) |
約19.6% |
年間の手取り額に関しては190万円程度です。なお、役員報酬から毎月天引きされる社会保険料は、3万円程度です。
| 項目 | 金額 |
| ① 健康保険料の月額 | 約1.2万円 |
| ② 厚生年金保険料の月額 | 約1.8万円 |
| ③ 毎月天引きされる社会保険料 ( ① + ② ) |
約3万円 |
関連記事:役員報酬はいくらが得?節税対策と効果を最も高める方法を解説
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月額30万円のケース
役員報酬を月額30万円に設定した場合、毎月の手取りは24万円程度になります。
| 項目 | 金額 |
| ① 額面月額 | 30万円 |
| ② 年収 ( ① ✕ 12か月 ) |
360万円 |
| ③ 社会保険料 | 約54万円 |
| ④ 所得税 | 約5万円 |
| ⑤ 個人住民税 | 約15万円 |
| ⑥ 税負担の合計金額 ( ③ + ④ + ⑤ ) |
約74万円 |
| ⑦ 手取りの年額 ( ② ー ⑥ ) |
約286万円 |
| ⑧ 手取りの月額 ( ⑦ ÷ 12か月 ) |
約24万円 |
| ⑨ 年収に占める税負担の割合 ( ⑥ ÷ ② ✕ 100 ) |
約20.6% |
年間の手取り額に関しては290万円程度です。なお、役員報酬から毎月天引きされる社会保険料は、45,000円程度です。
| 項目 | 金額 |
| ① 健康保険料の月額 | 約1.7万円 |
| ② 厚生年金保険料の月額 | 約2.8万円 |
| ③ 毎月天引きされる社会保険料 ( ① + ② ) |
約4.5万円 |
関連記事:役員報酬を月額30万円に設定する場合の手取りシミュレーション
関連記事:役員報酬は売上の何パーセントが適切?金額の決め方や注意点を徹底解説
月額50万円のケース
役員報酬を月額50万円に設定した場合、毎月の手取りは40万円程度になります。
| 項目 | 金額 |
| ① 額面月額 | 50万円 |
| ② 年収 ( ① ✕ 12か月 ) |
600万円 |
| ③ 社会保険料 | 約89万円 |
| ④ 所得税 | 約18万円 |
| ⑤ 個人住民税 | 約31万円 |
| ⑥ 税負担の合計金額 ( ③ + ④ + ⑤ ) |
約138万円 |
| ⑦ 手取りの年額 ( ② ー ⑥ ) |
約462万円 |
| ⑧ 手取りの月額 ( ⑦ ÷ 12か月 ) |
約39万円 |
| ⑨ 年収に占める税負担の割合 ( ⑥ ÷ ② ✕ 100 ) |
約23% |
年間の手取り額に関しては460万円程度です。なお、役員報酬から毎月天引きされる社会保険料は、75,000円程度です。
| 項目 | 金額 |
| ① 健康保険料の月額 | 約2.9万円 |
| ② 厚生年金保険料の月額 | 約4.5万円 |
| ③ 毎月天引きされる社会保険料 ( ① + ② ) |
約7.4万円 |
役員報酬の支給額が多くなるにつれて税負担も増える傾向があるため、節税対策を徹底して手取りを増やしたい方は、税理士への相談も検討してみましょう。
関連記事:役員報酬を月額40万円に設定する場合の手取りと社会保険料シミュレーション
関連記事:役員報酬を月額80万円に設定する場合の手取りと税金シミュレーション
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役員報酬の金額設定に関するよくある質問

最後に、役員報酬の金額設定に関するよくある質問をご紹介します。内容は随時追記します。
役員報酬の手取りシミュレーションを無料で使える計算ツールで行う際に注意点はありますか?
役員報酬の手取りシミュレーションを、無料で使える計算ツールを用いて行う際は、税制改正の変更点が反映されているかどうかについて確認するようにしましょう。
また、社会保険の保険料率に関しても、更新されているかどうかの確認が必要です。
最新情報にアップデートされていない計算ツールでシミュレーションを行うと、実際の手取り額と大きな差が出てしまうおそれがあります。
無料で提供されている計算ツールの利用は、大まかな目安を知る目的であれば問題ありませんが、正確な手取りシミュレーションには不向きです。
ご自身の状況に即した正確な手取りシミュレーションを行いたい場合は、税理士に依頼して実施するのが望ましいです。
参考:財務省(税制改正の概要)
参考:全国健康保険協会(令和7年度の協会けんぽの保険料率は3月分〔4月納付分〕から改定されます)
関連記事:合同会社の役員報酬の相場と決め方|かかる税金や節税方法も解説
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役員報酬を月額8万円に設定した場合、毎月の手取りは額面どおりになりますか?
令和7年12月時点では役員報酬を月額8万円に設定した場合、所得税や個人住民税、社会保険料がかからないため、毎月の手取りは額面どおりになります。
役員報酬を月額8万円に設定した場合の年間支給額は96万円になりますが、給与所得控除額と基礎控除額の範囲内に収まるため、所得税は課されません。
96万円(役員報酬の年間支給額)ー 65万円(給与所得控除額)ー 95万円(基礎控除額)= 0円(課税所得金額)
役員報酬を月額8万円に設定すると、単身の方の個人住民税が非課税となる基準である、合計所得金額45万円以下の範囲内に収まるため、個人住民税もかかりません。
96万円(役員報酬の年間支給額)ー 65万円(給与所得控除額)= 31万円(合計所得金額)
ただし、令和7年6月に社会保険の賃金要件を撤廃する方針が決まったため、役員報酬を月額8万円に設定する場合でも、早ければ2026年春から社会保険の加入対象となる見通しです。
参考:国税庁(令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について|源泉所得税関係)
参考:国税庁(No.1410 給与所得控除)
参考:国税庁(No.1199 基礎控除)
参考:国税庁(合計所得金額の計算について|令和7年分)
参考:東京都主税局(個人住民税|暮らしと税金)
参考:厚生労働省(従業員のみなさま | 社会保険の加入条件やメリットについて)
参考:厚生労働省(社会保険の加入対象の拡大について)
参考:日本経済新聞(「106万円の壁」来春にも撤廃へ 厚労省、最賃1016円超えで)
参考:NHK(今年度の最低賃金 全都道府県 時給1000円超 引き上げ平均66円)
参考:WAM NET(社会保険〔厚生年金・健康保険〕への加入手続きはお済みですか?)
関連記事:役員報酬を8万円に設定するメリットは税金や社会保険料の節約にあり!
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まとめ

今回は、役員報酬を月額10万円に設定する場合の手取りと社会保険料シミュレーションを、以下の前提条件に基づいて行いました。
- 役職:経営者(1人社長)
- 年齢:40〜64歳
- 本店所在地:東京都渋谷区
- 居住地:東京都渋谷区
- 家族構成:単身者
- 適用する所得控除:社会保険料控除と基礎控除
役員報酬を月額10万円に設定した場合、毎月の手取りは8万円程度になります。
| 項目 | 金額 |
| ① 額面月額 | 10万円 |
| ② 年収 ( ① ✕ 12か月 ) |
120万円 |
| ③ 社会保険料 | 約18万円 |
| ④ 所得税 | 0円 |
| ⑤ 個人住民税 | 約1万円 |
| ⑥ 税負担の合計金額 ( ③ + ④ + ⑤ ) |
約19万円 |
| ⑦ 手取りの年額 ( ② ー ⑥ ) |
約101万円 |
| ⑧ 手取りの月額 ( ⑦ ÷ 12か月 ) |
約8万円 |
| ⑨ 年収に占める税負担の割合 ( ⑥ ÷ ② ✕ 100 ) |
約15.8% |
役員報酬を月額10万円に設定する場合の年間手取り額は、100万円程度です。
なお、支給額を月額10万円に設定するケースでは、役員報酬から毎月天引きされる社会保険料が、15,000円程度になります。
| 項目 | 金額 |
| ① 健康保険料の月額 | 約5,600円 |
| ② 厚生年金保険料の月額 | 約9,000円 |
| ③ 毎月天引きされる社会保険料 ( ① + ② ) |
約14,600円 |
繰り返しになりますが、本記事を執筆した時点の情報に基づくシミュレーションであるため、実際の計算結果が異なるおそれがあります。

