役員報酬は売上の何パーセントが適切?金額の決め方や注意点を徹底解説

こんにちは、法人設立の対応実績が豊富な税理士の植村拓真です。

会社を設立したばかりの方や、これから法人化を検討している方の中には、役員報酬は売上の何パーセントが適切なのかと悩んでいる方がいるのではないでしょうか。

役員報酬は適切に設定すると節税対策につながりますが、金額設定を誤ると納税額が多くなったり損金算入が認められなくなるケースもあります

そのため、よく以下のようなご相談をいただきます。

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事業主
そもそも役員報酬について、よくわかっていません
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事業主
色々調べましたが、役員報酬の適切な金額がわかりません…
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事業主
高くしても低くしてもデメリットがあるので、結局いくらが適切なのでしょうか?

そこで今回は上記のような方に向けて、役員報酬は売上の何パーセントが適切かについて金額の決め方や注意点とあわせて解説します。

適切な役員報酬額を設定して節税効果を高めつつ税務調査のリスクを回避したい方向けの記事です。

植村拓真
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役員報酬は売上の何パーセントが適切か考える際の基礎知識と考え方

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まずは、役員報酬は売上の何パーセントが適切か考える際の基礎知識と考え方について解説します。

植村拓真
役員報酬を初めて設定する方向けに解説しますので、基礎知識や考え方をすでにご存じの方は飛ばしてください!

そもそも役員報酬とは

役員報酬とは、会社の経営に携わる役員に支払われる報酬を指します。

役員とは、従業員として業務を遂行する立場ではなく、経営の意思決定を担う立場にある人を指します。支給対象は社内外を問わず、取締役や執行役などが含まれます。

通常、役員報酬は会社の利益や財務状況に応じて決定されますが、税務上の取り扱いに注意が必要です。特に、支給する頻度が少なくても役員報酬とみなされる点に注意しましょう。

適切に設定しなければ税務調査の対象となるケースもあるため、慎重に決定する必要があります。

役員報酬と会社員の給与の違い

役員報酬と会社員の給与の違いは、支給の仕組みや決め方が異なる点にあります。

役員報酬は、株主総会で決議されて経営陣に対して支払われる報酬です。あらかじめ決定した金額を一定の頻度で受け取る仕組みであり、途中で変更すると税務上の問題が生じる場合があります。

一方で給与や賞与は、会社と雇用契約を結んでいるスタッフが労働の対価として受け取るお金のことです。労働基準法就業規則に基づいて、勤務時間や業績に応じて支給されます。

役員は雇用関係に基づかず、労働者としての保護も受けないため給与とは性質が異なります。

報酬額増加で手取りを増やす際は税金に注意

役員報酬を増やせば手取りも増えますが、税負担の増加に注意が必要です。所得税は累進課税制度のため、報酬額が増加するほど税率も高くなります。

たとえば、4,000万円の所得がある場合、最も高い所得税率である45%が適用されます。

所得税率45%と住民税10%を合算すると、最大55%の税率が適用されるため、法人に利益を残したほうが税率面で有利になるケースがあるので注意しましょう。

国税庁 所得税 税率 画像

引用:国税庁(No.2260 所得税の税率)

国税庁 普通法人 法人税率 画像

引用:国税庁(No.5759 法人税の税率)

ただし、役員報酬の設定は単に税負担だけで決めるものではありません。法人の経営目標や将来の事業展開を考慮したうえで、適切なバランスをとる必要もあります。

自社に合った適切な役員報酬の決め方については、後ほど解説します。

関連記事:役員報酬の手取りを増やす方法|シミュレーションや一覧表も掲載

自身が取りたい報酬額も考慮する

役員報酬を設定する際は、税負担のみに注目するのではなく、自身が受け取りたい金額も考慮しましょう。

税負担を抑える目的で過度に報酬額を低く設定すると、経営者の収入が減少してしまい、事業目的やライフプランに悪影響を及ぼすおそれがあります。

経営者の性格にもよりますが、無理に役員報酬を抑えて収入が減少した影響で事業に対するモチベーションを失うくらいであれば、自身が取りたい報酬額も考慮して金額を決めるべきです。

所得が増えれば税率も上がりますが、経営目標と一致しているなら適切な選択だといえます

役員報酬は、税務上の最適化だけでなく、経営者個人の生活設計や資産形成なども考慮しながら決めましょう。

植村拓真
報酬額を決める際に経営者自身の事情を考慮してはいけない決まりはありません!

関連記事:役員報酬はいくらが得?節税対策と効果を最も高める方法を解説

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役員報酬は売上の何パーセントが適切かはシミュレーション次第

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「役員報酬は売上の20%以内が適切」といった情報をネットで目にしますが、すべての法人に当てはまるわけではありません。

利益率、税負担、社会保険料、資金繰りなどの影響などを考慮して、金額を設定する必要があります。

植村拓真
もちろん、先ほど解説したとおり、ご自身がいくら受け取りたいかも考慮すべきです!

法人の資金繰りを考慮するなら、利益率が高い場合は売上の10〜30%程度利益率が低ければ5〜15%程度に抑えるほうが安定につながる傾向があります。

成長段階の法人であれば、内部留保を優先して売上の5〜10%程度に設定するのが無難です。

役員報酬を増やせば法人税の負担は軽減されますが、社長個人の所得税や社会保険料の影響で手取りが減ってしまうおそれがあります。

関連記事:法人税と所得税ならどっちが得?税金面で法人化すべきケースを解説

 

また、事業拡大を計画している場合は法人で資金が必要です。役員報酬を低めに設定して、法人に利益を残すようにしましょう。

「役員報酬は売上の20%以内」といった目安にこだわるのではなく、法人の利益率や税負担のバランスなどを考慮しつつ、手取り額を最大化できる適切な役員報酬を設定しましょう。

役員報酬のシミュレーションや金額ごとの一覧表は、以下の記事で紹介しております。

関連記事:役員報酬の手取りを増やす方法|シミュレーションや一覧表も掲載

植村拓真
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役員報酬は売上の何パーセントだけでなく今後の方針も考慮する

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より自社に合った役員報酬を設定するには、今後の方針も考慮する必要があります

今後の方針次第では金額の決め方が大きく変わりますので、本項目の内容を参考にしてみてください。

今後、事業規模を拡大せずに現状維持を図りたい

現状、一人社長で事業規模の拡大を考えておらず現状維持を図りたい場合は、役員報酬はある程度自由に設定できます。

しかし、スタッフを雇用している場合、社長自身が現状維持を目指していても、スタッフも同じ考えとは限りません

待遇向上や職場環境の改善を求める声が挙がっている場合、役員報酬額を抑えて法人に資金を残し、スタッフの意欲や満足度向上に費やすかを検討する必要があります。

また、役員報酬を現状維持を前提として設定するのはひとつの選択肢ですが、法人を安定させるためには一定の成長が欠かせません。

長期目線で事業継続を実現させるためにも、法人の一部利益を再投資して、事業の現状維持と発展を両立させましょう。

関連記事:合同会社の一人社長が給料(役員報酬)を設定する際のルールと決め方

事業規模の拡大を図りたい

事業規模を拡大する予定の場合、役員報酬は節税に焦点を当てるのではなく、利益の再投資を重視する必要があります。

目先の利益を最大化させていては事業規模を拡大できないため、設備投資やリクルート広告費などの拡充に資金を回しましょう

役員報酬を抑えるため社長個人の所得は減少してしまいますが、事業規模の拡大に必要な資金を確保すれば、安定した経営を実現させやすいです。

法人売却を目指す

法人売却を目指す場合、企業の価値を高めることが重要です。役員報酬を必要以上に高額に設定すると、利益が減少して企業の評価額に悪影響を及ぼすため、適正な水準に抑えなければなりません。

特に、法人売却時にはキャッシュフローの安定性や収益の見通しなどが評価基準となるため、中長期目線での経営戦略を考慮する必要があります。

株式譲渡益の税負担は役員報酬で受け取る場合よりも低くなるため、法人売却で資産形成するなら、企業価値の最大化を最優先に考えた金額を設定しましょう。

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まとめ

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今回は、役員報酬は売上の何パーセントが適切かについて金額の決め方や注意点とあわせて解説しました。

役員報酬を増やせば手取りも増えますが、所得税や住民税の負担も増加するため、法人税とのバランスを考慮しなければなりません。

また、自社に合った適切な役員報酬を決めるには、単に売上の何パーセントを設定するかではなく、法人の方針や経営戦略を踏まえた判断が必要です。

ネット上では「売上の20%以内が適切」といった情報を見かけますが、利益率や資金繰り事業方針によって適切な割合は異なります

ご自身が受け取りたい金額を決めたうえで、税負担のバランスや法人の方針、スタッフを雇用している方はスタッフの意見なども考慮して、シミュレーションを実施して決定しましょう。

植村拓真
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