こんにちは、マイクロ法人の顧問実績が豊富な税理士の植村拓真です。
マイクロ法人の設立を考えている方の中には、税理士に依頼する必要があるかどうかで悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
マイクロ法人について調べていると、税理士は不要といった意見を見かけるため、以下のように悩んでいる方も多いです。


今回はそんな方に向けて、マイクロ法人に強い税理士への依頼の必要性について費用相場や後悔しない選び方とあわせて解説します。
- マイクロ法人は違法?リスクは?
- サラリーマンにマイクロ法人は必要?
- マイクロ法人のメリット・デメリットは?
- マイクロ法人の給与はいくらに設定するの?
以下の記事で、上記のようなマイクロ法人に関するよくある質問について詳しく回答しています。
関連記事:マイクロ法人と個人事業主の二刀流で節税するメリット・デメリットを解説
マイクロ法人について詳しく知りたい方は上記の記事をご覧ください。
- マイクロ法人で節税すべき?
- 二刀流ではなく一本化すべき?
- 税理士が必要か悩んでいる
- 今すぐマイクロ法人を設立したい
- マイクロ法人を格安で設立したい
など
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マイクロ法人に強い税理士が必要なケースと不要なケース
マイクロ法人は節税のために設立するわけですから、なるべく税理士費用といったコストをかけずに運営したいと考えている方が多いのではないでしょうか。
一方で正確な確定申告や適切な節税対策、税務調査の対応などを自力で行うのが難しく、不安だと考えている方もいらっしゃるでしょう。
今回はマイクロ法人で税理士に依頼すべきかどうかお悩みの方向けに、依頼が必要なケースと不要なケースを紹介します。
不要なケース
マイクロ法人で税理士への依頼が不要なケースは、以下のとおりです。
- 節税して浮いた分が税理士への依頼費用で消えてしまう
- 自力で対応できる時間の余裕がある
- 脱税を疑われるような節税対策は実施していない
それでは、1つずつ見ていきましょう。
節税して浮いた分が税理士への依頼費用で消えてしまう
マイクロ法人を設立して税金や社会保険料の負担を抑えるのが目的の場合、税理士に支払う報酬が節税して浮いた分を上回ると、税理士に依頼するメリットが少なくなります。
たとえば、事業所得600万円の個人事業主がマイクロ法人を設立し、役員報酬を月額20万円に設定した場合、社会保険料の負担を年間で約23万円ほど軽減できます。
比較項目 | 社会保険の種類 | 年間の保険料 | 合計金額 |
A:個人事業主のみ | 国民健康保険 | 約71万円 | 約91万円 |
国民年金 | 約20万円 | ||
B:個人事業主とマイクロ法人の二刀流 | 健康保険 | 約24万円 | 約68万円 |
厚生年金 | 約44万円 | ||
AーB | 約23万円 |
しかし、事業規模の拡大は考えておらず、節税して浮いた分が税理士に支払う報酬で消えてしまうようなケースでは、税理士への依頼が効果的ではありません。
参考:新宿区(令和6年度 国民健康保険料 概算早見表|総所得金額等)
参考:国民年金機構(国民年金保険料)
参考:全国健康保険協会(令和6年3月分からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表|東京都)
関連記事:マイクロ法人設立は年収いくらから?社会保険を最安化させる目安も解説
自力で対応できる時間の余裕がある
マイクロ法人の経理や税務会計に関する業務は、個人事業主と比べると難易度が高まりますが、時間をかければ自力で対応できます。
自力で対応する場合、かなりの時間を要するケースもありますが、税理士への依頼費用を節約できる点はメリットの1つです。
あまりにも時間が取られて大変な場合、スポット契約で決算や記帳代行のみでの税理士への依頼を検討しましょう。
関連記事:【注意点あり】決算申告のみ税理士に依頼|費用相場も解説
脱税を疑われるような節税対策は実施していない
個人事業主が節税対策の一環でマイクロ法人を設立する場合、税務署から租税回避を疑われないように業種をきちんと分けていれば、法的な問題はありません。
また、自力で適切な節税対策を実施できていれば、税理士は不要です。
ただし、意図せず誤った税務申告を行ってしまい、加算税や延滞税などの追徴課税が課されるおそれもあるため注意しましょう。
なお、下表のとおり、税理士の関与割合は個人事業主と比べると高いです。
参考:国税庁(租税回避とは何か)
参考:財務省(加算税の概要)
参考:国税庁(延滞税の計算方法)
関連記事:マイクロ法人は違法?正しい設立方法とメリット・デメリットを解説
必要なケース
マイクロ法人で税理士への依頼が必要なケースは、以下のとおりです。
- 正しい情報を選択しつつ独学で経理や税務会計を学び実践するのが難しい
- 法人の経理や税務会計が個人事業主よりも難しくて対応できない
- 個人事業主との二刀流のため時間をかけたくない
- 助成金や補助金を漏らさず活用したい
正しい情報を選択しつつ独学で経理や税務会計を学び実践するのが難しい
正しく経理や税務会計に関する業務を行ううえで、白色申告であれば、ネットや書籍の情報だけでも十分に対応できます。
勉強して実践しながら経験を積めば正確に対応できるレベルですので、税理士なしで事業を行っている方もいらっしゃいます。
しかし、青色申告を行ったりインボイス制度などの税制改正に対応したりするのは、内容が複雑であるため独学では困難です。
そのうえで情報収集をネットで行う場合、記事に記載されている情報が正しいかを判断しなければなりません。
そして、正確な情報が記載されている書籍で行う場合は、出版された時期よりもあとに法律が変わっていないかを確認する必要があります。
マイクロ法人は専門家である税理士でさえも対応できていない方がいますので、個人が正しい情報を選択しつつ独学で経理や税務会計を学び実践するのは困難です。
法人の経理や税務会計が個人事業主よりも難しくて対応できない
マイクロ法人と個人事業主の二刀流で事業を行う場合、先ほど解説した内容に加えて、個人事業主よりも対応する難易度が高い法人の経理や税務会計を行わなければなりません。
法人の経理や税務会計について調べた経験がある方であれば、貸借対照表や損益計算書、法人税申告書や勘定科目内訳明細書など、気が遠くなるほど多くの書類を作成して税務署に提出する必要があるといった内容をご存知かと思います。
法人の経理や税務会計を正確に行うためには、正しい専門知識を身に付けたうえで複雑な作業を行わなければなりません。
マイクロ法人は事業規模を拡大しないケースが多いため、税理士は不要といった意見も見かけますが、放置していいわけではありませんので、やはり1人で経理や税務会計を行うのは困難です。
上記の理由から、個人事業主の経理や税務会計を自力で行っていた方であっても、マイクロ法人を設立するタイミングで税理士に依頼する方がいらっしゃいます。
個人事業主との二刀流のため時間をかけたくない
弊所にマイクロ法人の設立からご相談くださる方の中には、独学でも経理や税務会計を行えるが、個人事業主との二刀流に時間をかけずに売上を伸ばしたい、いずれ法人一本化するのでベストタイミングを専門家に判断してもらいたいといった方がいらっしゃいます。
単純に経理や税務会計に時間をかけたくない、事業の将来や税制改正の対応などを考慮して専門家にいつでも相談できる状態にしておきたいといった理由で、税理士に依頼する方も多いです。
以上のように、ご依頼くださる方の多くが、税理士費用がかかってでも事業に集中して売上を伸ばしたいと考えています。
助成金や補助金を漏らさず活用したい
助成金や補助金を漏らさず活用したい場合も、税理士への依頼が必要なケースの1つです。
税理士は助成金や補助金に関する最新情報を把握しており、最大限に活用するためのアドバイスを提供してくれます。
たとえば、販路を開拓したい場合やITツールを導入したい場合などに活用できる補助金があります!
上記のような補助金の活用によって期待できるのは、事業成長の促進や経済的な負担の軽減などです。
税理士に依頼すれば、助成金や補助金に関する情報収集の手間が省けたり、申請をスムーズに進められたりします。
参考:J-Net21(補助金・助成金の違いや補助金活用における注意点について教えてください。)
参考:経済産業省(ミラサポplus 補助金・助成金 中小企業支援サイト)
関連記事:税理士に依頼するタイミングはいつ?メリットや必要なケースもあわせて解説
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マイクロ法人で税理士に依頼するメリット

本項目では、上記のような方向けにマイクロ法人で税理士に依頼するメリットについて解説します。
マイクロ法人で税理士に依頼するメリットは、以下のとおりです。
- 売上を伸ばすことに集中できる
- 税制改正に対応した適切な節税対策を実施できる
- 資金繰りや経営に関する相談ができる
- マイクロ法人設立の必要性や最適なタイミングを教えてもらえる
- 修正申告や税務調査の対応から解放される
売上を伸ばすことに集中できる
税理士なしでマイクロ法人の設立から申告までを行う場合、以下の作業をすべて自力で行わなければなりません。
- 会社設立の手続き
- 節税対策の実施
- 会計帳簿の作成
- 決算申告
- 年末調整
など
マイクロ法人の設立から申告までを正確に行う知識と時間があれば、税理士は不要です。
会社設立や会計帳簿の作成は、インターネットや書籍で情報収集し、会計ソフトを活用すれば、ある程度は自力でも正確に行えるでしょう。
しかし、節税対策の実施や決算申告を行うためには、より専門性の高い知識が必要です。ネットや書籍で調べただけでは、自力で完璧かつ正確に行えないおそれがあります。
事業を行いながら専門知識を勉強して、さらに完璧に節税対策を実施したり決算申告を済ませたりするのは時間がかかりすぎます。


上記のような方は税理士に依頼し空いた時間を有効活用して、売上を伸ばすことに集中しましょう。
税制改正に対応した適切な節税対策を実施できる
マイクロ法人を運営する際、税理士に依頼すれば、税制改正に対応した適切な節税対策を実施できます。
自力で節税対策を実施する場合に懸念されるのは、思わぬミスを犯してしまうリスクです。
繰り返しになりますが、最悪の場合、加算税や延滞税などの追徴課税が課されるおそれもあるため注意が必要です。
一方、税理士に依頼すれば、税制改正に対応した適切な節税対策が実施でき、税務上のリスクを最小限にできます。
参考:財務省(加算税の概要)
参考:国税庁(延滞税の計算方法)
関連記事:マイクロ法人も税務調査の対象?調査が入る理由や税理士の必要性も解説
資金繰りや経営に関する相談ができる
マイクロ法人を運営していると、資金繰りや経営に関する悩みが生じるケースがあります。
たとえば、資金調達を行う場合、売上が少ないマイクロ法人では融資の審査が通りにくいケースも多く、資金調達に難航する場合があります。
特に、1人でマイクロ法人を運営している場合、資金繰りや経営に関する問題を家族に相談するのを躊躇してしまう経営者は多いです。
税理士は補助金や助成金などの有益な情報を提供してくれたり、経営に関するアドバイスをしてくれたりするため、非常に心強いです。
関連記事:日本政策金融公庫の融資審査を確実に通すためのチェックポイント6選
マイクロ法人設立の必要性や最適なタイミングを教えてもらえる
マイクロ法人について税理士に相談すれば、そもそも設立が必要かどうかについてアドバイスがもらえます。
マイクロ法人は節税目的で設立されますが法人には変わりないため、売上が安定していないと逆に税負担が増加してしまうケースもあります。
判断ミスによる税負担の増加を未然に防げるため、マイクロ法人の必要性を相談できるのは大きなメリットです。
また、経理や税務会計の専門家である税理士がいれば、役員報酬の手取りや社会保険料などのシミュレーションを実施したうえで、マイクロ法人を設立するタイミングについてアドバイスしてくれます。
以上のように、マイクロ法人を最適なタイミングで設立できる点も大きなメリットの1つです。
関連記事:マイクロ法人設立で後悔や失敗する理由と対策を税理士が徹底解説
関連記事:マイクロ法人設立は年収いくらから?社会保険を最安化させる目安も解説
修正申告や税務調査の対応から解放される
自力で正確な税務書類を作成できない場合、マイクロ法人であっても税務署から修正申告を求められるケースがあります。
修正申告では税務署から正確な数値の記載を求められるため、多くの時間がかかってすぐには修正を完了できません。
そして、マイクロ法人とはいえ法人には変わりないため、税務調査の連絡が入るケースもあります。
毎年正しく税務申告を行っていようがいまいが税務調査の対象に選ばれるおそれがあるため、不安な方は税理士に依頼しておくと安心です。
税務調査では数年分遡って調べられるため、不適切な申告を行っていると多額のペナルティが発生するおそれがあります。
自力で正しくマイクロ法人の運営を行う自信がない方は、税理士への依頼を検討しましょう。税務調査や修正申告・更正については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
関連記事:税務調査における修正申告・更正とは?違いについて税理士が解説
関連記事:マイクロ法人も税務調査の対象?調査が入る理由や税理士の必要性も解説
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マイクロ法人で税理士に依頼するデメリット
本項目では、マイクロ法人で税理士に依頼するデメリットについて解説します。
マイクロ法人で税理士に依頼するデメリットは、主に下記の2点です。
- 依頼時に税理士費用がかかる
- 自身に合った税理士を探すために時間がかかってしまう
それでは、1つずつ見ていきましょう。
依頼時に税理士費用がかかる
マイクロ法人の運営は、経理の知識と経験があれば税理士なしでも問題ありません。合同会社を選択している一人法人であれば、経費処理が難しくないうえに決算公告の義務がありません。
ネットや書籍で調べたうえで正しく税務申告を行える自信がある方は、税理士はなしでもいいでしょう。ただし、先ほども解説したとおり、税務調査はマイクロ法人でも入るケースがあります。
どうしても税理士費用を抑えたい方は、決算申告のみの依頼を検討してみましょう。
関連記事:【注意点あり】決算申告のみ税理士に依頼|費用相場も解説
自身に合った税理士を探すために時間がかかってしまう
優秀な税理士先生は数多くいらっしゃいますが、必ずしもご自身にとって良い税理士であるとは限りません。税理士によって顧問経験の豊富さや対応業種が異なるからです。
ご自身にとって良い税理士を探すには、主に以下の内容に注目したうえで検討する必要があります。
- やり取りのしやすさ
- 対応している業種
- 担当者のマイクロ法人の対応と実績
- 最終的な合計費用
税理士との相性が悪い、自社の業種やマイクロ法人に対応していない、あとから費用を追加請求されるといった状況になると、あとから税理士を変更しなければなりません。
契約解除を申し出づらいですし、新たに税理士を探すために時間がかかりますので、なるべく最初に時間をかけてでも、ご自身にとっての良い税理士を探しておきましょう。
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マイクロ法人で税理士に依頼する際の費用相場

本項目では、上記のような方に向けて、マイクロ法人で税理士に依頼する際の費用相場について解説します。
マイクロ法人で税理士に依頼する際の費用相場は、単発のスポット契約か継続の顧問契約のどちらを結ぶかによって異なります。
スポット契約では決算申告のみを頼むケースが多く、顧問契約では経理や税務会計に関する業務を代行してもらうケースが多いです。
それでは、下記の項目について順番に見ていきましょう。
- スポット契約の費用相場
- 顧問契約の費用相場
- 給与計算代行の費用相場
- 税理士への依頼費用の決まり方
スポット契約の費用相場
マイクロ法人で税理士とスポット契約を結ぶだけであれば、約10万〜20万円が費用相場です。
スポット契約では主に決算申告を代行してもらうのですが、マイクロ法人は売上や取引量が少ない傾向があるため、高くても20万円で依頼できます。
会計事務所や税理士法人では確定申告や決算申告の業務が集中する影響で、11月〜翌年5月ごろが繁忙期です。
繁忙期に依頼すると断られるケースもありますので、スポット契約を検討している方は早めに依頼しておきましょう。
顧問契約の費用相場
マイクロ法人で顧問契約を結ぶ際の費用相場は30万円からです。
スポット契約よりも高額ですが、法人の経理や税務会計を専門家に依頼できるため、決算申告はもちろん、適切な節税対策の徹底や税務調査の対応などに時間を取られなくなります。
自社に合わせた最も節税効果が高まる役員報酬の金額設定や資金繰りが安定する決算期の決め方などについて、専門家視点でアドバイスをもらえます。
マイクロ法人に関する情報をインターネットで収集して実践するよりも、確実に安心して資金繰りを安定させたうえで事業に集中できるのが顧問契約の大きなメリットです。
繰り返しになりますが、税理士に依頼する際は費用だけでなく、対応業種や相性なども考慮しましょう。
自社の業種に対応していなければ断られますし、相性が悪ければ雑に対応されてしまいます。
税理士を探し直す時間がもったいないので、税理士を選ぶ際は費用だけでなく、他の要素も確認して慎重に依頼するかを検討しましょう。
税理士に依頼する際の注意点や一人法人が税理士に依頼する際の費用相場ついては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
関連記事:顧問税理士とは?顧問契約の必要性・メリットや注意点を解説
関連記事:一人社長(一人会社)の税理士の必要性|費用相場と選び方も解説
給与計算代行の費用相場
給与計算代行の費用相場は、次のとおりです。
従業員数 | 月額 |
1~10人 | 10,000~25,000円程度 |
11~30人 | 25,000~35,000円程度 |
31~50人 | 35,000~50,000円程度 |
51人以上 | 要相談 |
なお、年末調整もあわせて依頼する場合、追加料金が発生するケースもあるため注意しましょう。
給与計算を税理士へ依頼するメリットは、給与計算に関する業務や年末調整を丸投げできるだけでなく、節税対策や経営に関するアドバイスも期待できる点です。
関連記事:税理士に依頼するタイミングはいつ?メリットや必要なケースもあわせて解説
税理士への依頼費用の決まり方
税理士への依頼費用は、下記の2つの要素によって決まります。
- 基本料金
- オプション料金
上記について順番に解説します。
基本料金
たとえば、製造業のように固定資産の計上や在庫管理が必要な業種は、仕訳が複雑なため、基本料金が高くなる傾向があります。
また、年商が多いと取引量が増え、経理や税務会計に関する業務も煩雑になるため、基本料金が高くなるケースが多いです。
以上のように、基本料金は業種と年商に基づいて決まる場合が多いです。
関連記事:オンライン対応の税理士に相談すると安い?依頼する際の注意点も解説
オプション料金
税理士への依頼費用は、先に述べた基本料金に下記のようなオプション料金が加わって決まります。
オプション例 | 費用相場 | 業務内容 |
記帳代行 | 月額5,000~30,000円 | 領収書や請求書の整理や仕訳などの代行(基本料金に含まれていても仕訳数が多い場合、オプション料金が発生するケースがある) |
年末調整代行 | 30,000円〜 | 源泉徴収票・法定調書合計表・支払調書・給与支払報告書の作成および提出、源泉所得税の納付書作成などの代行 |
固定資産税申告代行 | 10,000円~ | 不動産や償却資産に関する申告の代行 |
消費税申告代行 | 30,000円~ | 消費税申告書の作成および申告の代行 |
税務調査の立会い | 1日30,000~50,000円 | 税務調査時の対応や交渉など |
個人事業主の確定申告代行 | 30,000~150,000円 | マイクロ法人と二刀流している場合、個人事業主の確定申告もあわせて依頼するようなケース |
給与計算代行 | 月額2,000円~ | 給与明細書の作成、所得税や住民税の計算などの代行 |
助成金や補助金の申請支援 | 着手金100,000円~+成功報酬10~20% | 申請書の作成や財務面に関するアドバイスなど |
税理士事務所によって基本料金に含まれるサポートの範囲はさまざまです!
たとえば、経理や税務会計に関する業務の代行は基本料金に含まれていても、税務調査の立会いや補助金の申請支援などは別料金となるケースが多いです。
税理士へ依頼する場合、希望するサポートが料金に含まれているかどうかについて入念なチェックを行いましょう。
関連記事:オンライン対応の税理士に相談すると安い?依頼する際の注意点も解説
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マイクロ法人で税理士に依頼しなくて後悔した事例
本項目では、マイクロ法人で税理士に依頼しなくて後悔した事例について解説します。
マイクロ法人で税理士に依頼しなくて後悔した事例は、次のとおりです。
- 経理や税務会計に関する業務に取られる時間が予想以上だった
- 書籍やインターネットの情報に振り回された
- 経理スタッフに支払う給料と税理士への依頼費用が大差なかった
それでは、順番に見ていきましょう。
経理や税務会計に関する業務に取られる時間が予想以上だった
マイクロ法人の会計や税務会計に関する業務を自力で行うには、最低でも日商簿記3級程度の知識が必要です。
日商簿記3級程度の知識がない場合、書籍やインターネットなどの情報を精査しながら進める形になるため、かなりの時間を要します。
また、会計ソフトを活用するにしても、使い方に慣れるまでの時間もかかります。マイクロ法人の経理や税務会計に関する業務の負担は、個人事業主と比較すると数倍以上です。
なお、マイクロ法人では役員報酬や社会保険などに関する処理も必要になり、簿記の知識だけでは追いつかない場面も出てきます。
税理士への依頼費用を節約するために自力で対応しようとしたものの、想像以上の負担で挫折される方も多くいらっしゃいますので、必要に応じて税理士の力も借りましょう!
関連記事:マイクロ法人設立で後悔や失敗する理由と対策を税理士が徹底解説
書籍やインターネットの情報に振り回された
ただし、情報の鮮度や信憑性などを1つずつチェックするのは非常に大変です。
特に、インターネットの記事は個人的な解釈が記述されていたり、書籍は法改正前の内容が含まれていたりするケースも多いため注意が必要です。
一方、国税庁や自治体のホームページに記載されている情報は最新かつ正確ですが、難解な表現を解読して確認作業を進める必要があります。
以上のような作業に時間を取られた場合に懸念されるのは、事業活動に専念できなくなったり、ストレスで体調を崩したりするおそれです。
関連記事:【個人事業主・法人対応】確定申告を税理士に丸投げする費用相場やメリット・デメリットを解説
経理スタッフに支払う給料と税理士への依頼費用が大差なかった
たとえば、決算のみをスポット契約で税理士へ依頼する場合、20万円前後で任せられます。
時給 | 1日の拘束時間 | 1ヶ月の勤務日数 | 雇用期間 | 年間コスト | |
決算時期のみ | 1,087円 | 4時間 | 20日間 | 2ヶ月 | 約17万円 |
月末のみ | 1,087円 | 4時間 | 3日間 | 12ヶ月 | 約16万円 |
なお、求人掲載する場合、さらにコストがかかります。以上のように、経理スタッフに支払う給料と税理士への依頼費用が大差ないケースがあります。
税理士に依頼すれば、正確な税務申告と適切な節税対策を実施できるため、費用対効果は高いです。
参考:求人ボックス(給料ナビ 経理の仕事の年収・時給・給料)
関連記事:中小企業や小さい会社で税理士が必要な理由と費用相場
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マイクロ法人が税理士費用を抑えて格安で依頼する方法

上記のような方はマイクロ法人設立と顧問契約をセットで依頼すると、税理士費用を格安に抑えられるケースがあります。
事務所にもよりますが、会社設立支援は顧問契約を前提に格安の料金で提供されているケースがあるからです。
たとえば、植村会計事務所では、合同会社の設立費用を顧問契約を結んでいただける方向けに1.6万円でフルサポートさせていただいておりますので、格安でマイクロ法人を設立できます。
また、株式会社は13.8万円で設立をフルサポートさせていただいておりますので、法人一本で事業規模を拡大していきたい方も格安で会社を設立できます。
弊所にマイクロ法人設立と顧問契約をあわせてご依頼いただきますと、会社設立から設立後の諸手続きなどのすべてを代行するため、事業を止める必要はありません。
さらに、設立時から節税対策を徹底して実施するため税負担を抑えられ、ミスや無駄なくマイクロ法人を設立できます。
なるべく時間とお金をかけずに格安でマイクロ法人を設立したい方は、弊所までお気軽にご相談ください。見積もりは無料です。
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マイクロ法人の設立を検討するタイミング
本項目では、マイクロ法人の設立を検討するタイミングについて解説します。
上記のような方は、本項目を参考にしてみてください。マイクロ法人の設立を検討するタイミングは、以下のとおりです。
- 課税所得が800万円に達した
- 課税売上高が1,000万円を超えた
- 節税対策を考え始めた
上記について順番に見ていきましょう。
課税所得が800万円に達した
個人事業主の課税所得が800万円を超えると、所得税の超過累進税率の性質上、税負担が重くなるおそれがあります。
一方、マイクロ法人を設立すると法人税が適用されるため、税負担の軽減が期待できます。
下表のとおり、法人税の税率は課税所得が年800万円までは15%、年800万円を超える部分については23.2%です。
ただし、社会保険料の負担やマイクロ法人の維持費なども念頭に置きながら設立を検討しましょう。
参考:国税庁(所得税のしくみ)
関連記事:法人税と所得税ならどっちが得?税金面で法人化すべきケースを解説
課税売上高が1,000万円を超えた
原則として、課税売上高が1,000万円を超えると消費税の課税事業者となり、2年後から消費税の納税義務が発生します。
しかし、マイクロ法人を設立すれば、消費税の適用がリセットされ、免税期間を最大2年延ばせるケースがあります。
なお、マイクロ法人の資本金が1,000万円以上の場合、上記の特例は適用されませんので注意しましょう。
また、インボイス制度の影響で免税事業者と取引しなくなる企業が増えるおそれがあるため、免税事業者を選択すべきかどうかについては慎重に検討する必要があります。
関連記事:インボイス制度がやばい・ひどい理由|抜け道と対策を解説
関連記事:インボイス制度と法人成り|タイミングから影響と対策まで解説
参考:国税庁(消費税のしくみ)
参考:国税庁(No.6503 基準期間がない法人の納税義務の免除の特例)
節税対策を考え始めた
マイクロ法人を設立すると役員報酬を支給できるため、給与所得控除の適用によって税負担の軽減や手取りの増加が期待できます。
また、退職金を損金算入できたり、欠損金の繰越期間が最大10年になったりするなど、法人特有の節税対策も実施できます。
ただし、マイクロ法人の設立による節税効果が期待できる一方で、設立にかかる費用や維持費が経営を圧迫するケースもあるため注意が必要です。
マイクロ法人の設立は、税理士と相談しながら慎重に判断していきましょう。
参考:国税庁(No.1400 給与所得)
参考:国税庁(No.1410 給与所得控除)
参考:国税庁(No.5208 役員の退職金の損金算入時期)
参考:国税庁(No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除)
関連記事:マイクロ法人と個人事業主の二刀流で節税するメリット・デメリットを解説
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マイクロ法人に強い税理士の失敗しない選び方
本項目では、マイクロ法人に強い税理士の失敗しない選び方について解説します。


上記のような方は、税理士への依頼を検討しましょう。ただし、税理士に依頼する場合、下記の点に注意が必要です。
- マイクロ法人の顧問実績が豊富で自分の業種に対応できるか
- 依頼費用は相場に対して適切か
- 経理や税務会計に関する業務を丸投げできるか
- 依頼したい内容が料金に含まれているか
それでは、順番に見ていきましょう。
マイクロ法人の顧問実績が豊富で自分の業種に対応できるか
税理士を選ぶ際には、自分の業種に対応できるかどうかについて確認するのが重要です。また、マイクロ法人の設立支援や顧問実績が豊富な税理士に依頼できるとより安心です。
税理士によって得意な業種や領域が異なるため、自分の業種やマイクロ法人に対応できる税理士を選ばないと、ミスマッチを起こすおそれがあります。
関連記事:ダメな税理士とは?良い税理士・悪い税理士の見極め方と対処法
依頼費用は相場に対して適切か
税理士に依頼する際は、依頼費用が相場に対して適切かどうかの確認が大切です。税理士への依頼費用は業種や事業規模などによって変動するため、相見積もりを取って比較しましょう。
マイクロ法人の設立1期目は、税理士への依頼費用が負担になるケースも多いため、決算申告のみをスポット契約で依頼するのも手段の1つです。
決算申告のみを依頼する場合の費用相場は、20万円前後です。
顧問契約を結ぶ場合、顧問料の相場は月額3万~5万円程度です。
関連記事:決算申告を税理士に丸投げする際の費用相場や安く抑える方法
関連記事:【法人の決算申告】税理士なしのリスクと依頼時の費用相場
経理や税務会計に関する業務を丸投げできるか
特に、サラリーマンが副業でマイクロ法人を設立する場合、経理や税務会計に関する業務に十分な時間を割けないケースがあります。
上記のようなケースでは、記帳代行を含む経理や税務会計に関する業務をすべて任せられる税理士を選ぶのがおすすめです。
マイクロ法人の決算や確定申告は、個人事業主と比べると煩雑で、専門知識も求められるため、税理士への丸投げを検討しましょう。
関連記事:マイクロ法人設立でサラリーマンが節税するメリットや注意点を解説
関連記事:【個人事業主・法人対応】確定申告を税理士に丸投げする費用相場やメリット・デメリットを解説
依頼したい内容が料金に含まれているか
税理士事務所によって料金に含まれるサポート内容は異なります。
たとえば、経理や税務会計に関する業務は料金に含まれていても、助成金や補助金などの資金調達に関するサポートは、別途料金がかかるケースがあります。
契約を結ぶ前に、依頼したい内容が料金に含まれているか、追加料金が発生する場合はあるかなどを詳細に確認しておくのが大切です。
関連記事:税理士選びで失敗しない方法|依頼タイミングと変更のコツも解説
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マイクロ法人で税理士への依頼を検討するうえでよくある質問
最後に、マイクロ法人で税理士への依頼を検討するうえでよくある質問を紹介します。
内容は随時追記します。
マイクロ法人におすすめの税理士はどんな人ですか?
マイクロ法人におすすめするのは以下のような税理士です。以下の4点を抑えて税理士を選べば、ダメな税理士に当たる確率を大幅に下げられます。
- マイクロ法人の顧問実績が豊富である
- ご自身の業種に対応している
- 人として相性が良く相談しやすい
- 契約前に税理士費用の内訳や合計金額を提示してもらえる
関連記事:ダメな税理士とは?良い税理士・悪い税理士の見極め方と対処法
一人社長(一人法人)の税理士費用はいくらが相場ですか?
一人社長(一人法人)で税理士と顧問契約を結ぶ場合、費用の相場は月額1.5万〜4万円程度です。スポット契約を結んで決算申告のみを依頼する場合、年額10万〜30万円程度です。
上記はあくまで相場ですので、税理士を選ぶ際は本記事の内容も参考にしながら、ご自身に合った税理士と契約を結びましょう。
マイクロ法人の決算は自分で行っても問題ありませんか?
下表のとおり、決算は税理士に依頼するのが一般的ですが、事業規模の小さいマイクロ法人では、自力で決算を行っても問題ありません。
特に、下記のような場合は決算を自力で行いやすいです。
- 日商簿記3級程度の知識がある
- 取引量が少ない
- シンプルな取引が多い
- 固定資産がない
- 在庫がない
- 会計ソフトを使いこなせる
しかし、経理や税務会計に関する知識が足りなかったり、チェックが甘かったりすると税務申告を誤るおそれがあります。
関連記事:中小企業や小さい会社で税理士が必要な理由と費用相場
マイクロ法人の決算を税理士へ依頼した場合にかかる費用はいくらくらいですか?
繰り返しになりますが、マイクロ法人の決算を税理士に依頼する場合、かかる費用は20万円前後です。
ただし、業種や事業規模、仕訳数などによって料金が変動するため注意が必要です。相見積もりを取りながら、相性の合う税理士へ依頼しましょう。
関連記事:決算申告を税理士に丸投げする際の費用相場や安く抑える方法
関連記事:【法人の決算申告】税理士なしのリスクと依頼時の費用相場
マイクロ法人で税理士がいらないケースはありますか?
マイクロ法人で税理士がいらないのは、毎月の取引が非常にシンプルで、取引量も少ないようなケースです。
本ケースでは、日商簿記3級程度の知識があれば、税理士へ依頼せずに自力で経理や税務会計に関する業務を行えます。
繰り返しになりますが、税務申告の内容に予期せぬ誤りがあった場合、加算税や延滞税などの追徴課税が課されるおそれもあるため注意が必要です。
なお、本記事のマイクロ法人に強い税理士が必要なケースと不要なケースの項目もご参照ください。
参考:財務省(加算税の概要)
参考:国税庁(延滞税の計算方法)
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まとめ
今回は、マイクロ法人で税理士に依頼する必要性について依頼時の注意点や費用相場とあわせて解説しました。
マイクロ法人で税理士に依頼するかどうかは、時間や安心をお金で買って事業に集中したいかどうかで判断しましょう。
- 税理士に任せて事業に集中したい
- 適切に節税対策を実施して決算申告を行う自信がない
上記のような方は、マイクロ法人に対応している税理士に依頼しましょう。
また、税理士に依頼すれば節税対策や決算申告などを任せられるのはもちろん、普段から税務相談を行えますので、インボイス制度のような新制度にスムーズに対応できます。
弊所はマイクロ法人の顧問実績、やばい・ひどいと話題のインボイス制度のような新制度の対応実績が豊富です。
節税対策のためにマイクロ法人を設立すべきか、二刀流ではなく一本化すべきかなど、マイクロ法人に関してお悩みがある方は、お気軽に弊所までご相談ください。
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