こんにちは、法人成り支援の実績が豊富な税理士の植村拓真です。
事業が順調な個人事業主の方は、そろそろ法人成りを検討しているのではないでしょうか。
弊所では法人成りを検討している方から、上記のようなご相談をいただく機会が多いです。
結論から述べますと、税理士費用をかけてでも、きっちり節税対策を実施してもらい法人成りをしたほうがお得です。
法人成りのメリットには大きな節税効果はもちろん、責任の限定や信用度の向上もあります。
しかし、法人成りの手続きは、専門知識が必要で複雑だったり作業量が多かったりします。
そんなときは、思い切って税理士に相談するのが得策です。
そこで今回は、法人成りを税理士に相談する必要性についてメリットや費用相場などとあわせて解説します。
法人成りとは?後悔する人がいる理由を概要や手順から確認
法人成りを税理士に相談する必要性の前に、法人成りで後悔する人がいる理由について確認しておきましょう。
というのも、弊所に新規でご相談くださる方の中に、
といった方もいらっしゃるからです。
法人成りは税理士なしでもできるため、自力で行う方がいらっしゃいます。
しかし、適切なタイミングではなかったために、デメリットが大きくなり後悔される方もいらっしゃいます。
法人成りする前に、概要から後悔する人がいる理由までについて確認して、ご自身にとって法人成りが必要かどうかを確認しておきましょう。
法人成りと会社設立の違い
法人成りと会社設立の意味は、同じようで少し違います。
どちらも行えば法人になりますが、法人成りは個人事業主、会社設立はサラリーマンが行うものです。
ワード | 概要 |
法人成り | 個人事業主が会社を設立して法人になる |
会社設立 | サラリーマンが勤務先を辞めて会社を設立して法人になる |
個人事業主もサラリーマンも会社を設立するため、両者とも会社設立といった言葉は使います。
しかし、法人成りは個人事業主が法人になることを指す言葉ですので、サラリーマンは副業を行っていなければ使いません。
法人成りするメリット・デメリット
法人成りを検討する個人事業主が多い理由は、以下のようなメリットを享受できるからです。
- 法人税の最高税率が所得税より低い
- 対外的な信用が高まるケースがある
- 経費にできる範囲が広がる
- 社会保険の加入資格を得られる
消費税の免税事業者になるタイミングを遅らせられる点も、メリットとして挙げられがちです。
しかし、令和5年10月1日からインボイス制度が開始する影響で、メリットと言えなくなりました。
一方で、法人成りには以下のようなデメリットもあります。
- 法人を設立する際に費用と時間がかかる
- 税務会計が複雑かつ多量になる
- 赤字経営でも住民税や社会保険料などの維持費がかかる
法人は会社設立や税務会計などに時間とお金のコストがかかります。
そして、住民税や社会保険料などの維持費もかかるため、売上が安定していない法人ではメリットを享受できません。
法人成りや会社設立を検討していらっしゃる方は、メリットだけでなくデメリットにも注目してみましょう。
法人成りのメリットとデメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:法人成りのメリットは責任・信用・節税面にあり!デメリットもあわせて解説
法人成りの手順
個人事業主が法人成りするためには、主に5つのステップを踏む必要があります。
基本事項の決定や必要書類の作成と提出、そして設立費用の準備と支払いなどを行います。
主な手順は以下のとおりです。
- 法人の概要を決定する
- 法人の実印(代表者印)を作成する
- 定款を作成して公証人役場で認証を受ける
- 発起人の口座に資本金を振り込む
- 設立登記の必要書類を作成して法務局で申請手続きを行う
各手順について解説していきます。
①法人の基本事項を決める
個人事業主が法人成りする際は、まず株式会社や合同会社などの法人の形態を決めます。
法人の形態には、株式会社なら認知度が高い、合同会社なら設立費用が安いなどのメリットがあります。
しかし、株式会社なら設立費用が高い、合同会社なら資金調達の方法に制限があるなど、さまざまなデメリットもあるため、慎重に自社にあったものを選択しなければなりません。
法人の形態はあとからでも変更できますが、制限がありますし時間がかかります。
スムーズに事業を運営したい方は、事前によく調べたうえで選択しておきましょう!
続いて、以下のような法人の基本事項を決めます。
- 会社の名称
- 事業の目的
- 本店所在地
- 設立日
- 事業年度
- 資本金
- 株主や役員の構成
②法人の実印(代表者印)を作成する
法務局で法人の設立手続きを行う際、法人の実印と印鑑届書が必要です。
会社の名称を決定したら、法人の実印の作成と印鑑届書を用意しましょう。
令和3年2月15日から、オンラインで登記申請を行う場合、印鑑届書の提出は任意になりました。
しかし、行政に許認可の申請、金融機関の融資を受けるなどする場合、法人の実印が必要です。
あとから法人の実印が必要になるケースが多いので、法務局に印鑑届書を提出しておきましょう。
③定款を作成して公証人役場で認証を受ける
次に、定款を作成して法人の憲法(ルール)を決めます。
法人成り直後に作成するものは原始定款と呼ばれており、公証人役場で認証を受けると有効になります。
定款は、必ず記載する絶対的記載事項、項目について決めた際に記載する相対的記載事項、記載が必須ではない任意的記載事項の3つの事項を記載している書類です。
認証を受けた書類を、自社と公証人役場で1部ずつ保管します。
④発起人の口座に資本金を振り込む
公証人役場で定款の認証を受けたあと、銀行口座に資本金を振り込みます。
現時点では登記申請が完了しておらず法人口座を作成できないため、資本金の振込先口座は発起人のものです。
資本金は1円でも問題ありません。
しかし、銀行融資や日本政策金融公庫などの融資を受ける際、資本金が少ないと返済能力が低いと判断されて審査に通らない恐れがあります。
そして、業種によっては最低資本要件が定められているケースもあります。
ですので、資金調達の予定がある、特定の業種である方は、自社に合わせた資本金を設定しておきましょう。
⑤設立登記の必要書類を作成して法務局で申請手続きを行う
最後に、設立登記の際に必要な書類を作成して、法務局で申請手続きを行います。
原則、申請手続きは代表者本人が行いますが、税理士に他士業への依頼から顧問契約までを依頼したり、司法書士に依頼したりすれば代行してもらえます。
代理人を立てる場合は委任状が必要ですので、準備しておきましょう。
設立登記の申請は、内容に不備がなければ手続きから7~10日で完了します。
法人成り後の手続き
法人成りが完了したら、以下の場所で手続きを行います。
場所 | 手続きの内容 |
本店所在地を管轄する税務署 | 法人設立届出書、青色申告の承認申請書の提出など |
都道府県事務所 | 法人設立届出書を提出 |
市町村役場 | 法人設立届出書を提出 |
年金事務所 | 社会保険関連の届出 |
労働基準監督署 (従業員を雇う場合) |
労働保険保険関係成立届、労働保険概算保険料申告書の提出など |
ハローワーク | 雇用保険関連の届出 |
上記の手続きには期限がありますので、早めに済ませておきましょう。
そして、個人事業主が法人成りする際、事業を引き継ぐために以下の手続きも行います。
- 個人事業の廃業
- 資産と負債の引き継ぎ
- 個人名義の契約から法人名義に変更
- 許認可の手続き
繰り返しになりますが、法人成り後もさまざまな手続きを期限以内に行う必要があります。
時間に余裕を持って済ませましょう。
会社設立前後の手続きについては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:会社設立手続きを自分で行う5つのステップ|費用や流れについて解説
法人成り後に後悔する人がいる理由
法人成りを検討している方向けに、法人成りの後悔でよくある内容について解説します。
法人成りでよくある後悔の内容は、以下のとおりです。
- 利益が安定せず節税につながらなかった
- 思っていたより自由にお金を使えなかった
- 法人化に必要な費用が想像以上に大きかった
- 維持費を考慮していなかった
- 決算申告などの手続きが難しいうえに時間がかかった
- 共同経営者や出資者と経営方針がズレてしまった
- 法人の廃業が簡単ではなかった
売上が伸びたら法人成りして節税すべきだと考えている方は多くいらっしゃいます。
しかし、売上が安定しない場合、節税につながらなかったり、ランニングコストが大きな負担となり法人を維持できなかったりするケースもあります。
他にも、まだまだ法人成りで後悔するケースがありますので、迷っている方は以下の記事を先にご覧ください。
関連記事:法人化で後悔したくない!失敗しないコツを税理士が解説
法人成りに税理士は不要?専門家の必要性と役割
上記のように考えていらっしゃる方向けに、法人成りにおける各専門家、士業の必要性と役割について解説します。
①:税理士
税務に関する専門家である税理士に法人成りを依頼すれば、会社設立後の税務に関する手続きや届出をサポートしてもらえます。
登記関連の手続きは司法書士の独占業務であるため、税理士は行いません。
しかし、会社設立サポートを行なっている税理士に依頼すれば、司法書士や行政書士などの専門家への依頼を含めた会社設立に関する手続きを代行してもらえます。
そして、法人成りと顧問契約をセットで依頼すれば、法人成りからその後の税務などもすべてサポートしてもらえます。
法人成りと税務顧問を税理士に依頼するメリット、受けられるサポート、費用相場については、後ほど詳しく解説させていただきます。
②:司法書士
法人成りの際、会社設立のために定款作成、公証役場での定款認証、法務局への設立登記申請を行います。
中でも、法務局への設立登記申請は会社設立が法的に認められるために必要な手続きで、登記に関する業務の専門家である司法書士の独占業務です。
法人成りの際は、税理士に司法書士探しと依頼を代行してもらうか、ご自身で司法書士を探して依頼します。
司法書士に法務局への設立登記申請を依頼する際、費用は7万~10万円程度かかります。
③:行政書士
行政書士は法人成りの手続きにおいて、定款作成や公証役場での定款認証、建設や飲食業などの許認可に関するサポートを依頼できます。
繰り返しになりますが、法務局への設立登記申請に関しては司法書士の独占業務ですので、サポートを希望する方は司法書士に依頼しましょう。
行政書士に依頼する際の費用相場ですが、必要書類の作成は2万~3万円、提携先の司法書士に依頼するなら7万~10万円程度かかります。
④:社会保険労務士(社労士)
社会保険労務士(社労士)は、社会保険や労働保険に関する手続きの専門家です。
法人成りする際、主に以下のような手続きを依頼できます。
- 労働保険に関する手続き
- 社会保険に関する手続き
- 助成金の申請代行
- 就業規則の作成
など
社労士に依頼する際の費用は、社員数や手続きによって変動します。
たとえば、社員が30人未満である場合は5万円です。
会社設立後の労働に関するさまざまな課題や問題に対応してもらえるので、必要であれば顧問契約を結んでおきましょう。
上記のとおり、法人成りにおける専門家は税理士以外にもいるため、誰に相談すればいいのか迷う方もいらっしゃるでしょう。
弊所のように法人成りサポートを行なっている事務所に相談すれば、法人成り完了まできっちりサポートしてもらえます。
いずれ顧問税理士をつける予定であれば、税理士に相談すれば問題ありません。
弊所は法人成りのサポート実績が豊富ですので、安心してご相談ください。
法人成りと税務顧問を税理士に依頼するメリット|受けられるサポート
法人成りと税務顧問を税理士に依頼するメリット、受けられるサポートについて、もう少し具体的に解説していきます。
税理士に相談する前に、本項目の内容を確認しておきましょう。
- 法人成りが必要かどうかを教えてもらえる
- ミスなくスムーズに法人成りできる
- 税務調査による追徴課税の発生を回避できる
- 適切な節税対策を実施できる
- 創業融資や補助金などの資金調達をサポートしてもらえる
- 月次業績や決算予測など税金について把握できる
法人成りが必要かどうかを教えてもらえる
先ほど法人成り後に後悔する人がいる理由について解説したとおり、法人成りはすべての個人事業主にとって必要なわけではありません。
売上が安定しなければ税金や法人の維持費が大きな負担になりますし、税務会計が個人事業主よりも複雑で専門知識や経験がなければ正確に行えないなど、さまざまなデメリットがあるからです。
そこで税理士に相談しておけば、法人成りがご自身にとって必要かどうかを教えてもらえます。
納税額や節税効果などのシミュレーションを行ったうえで法人成りすべきかを教えてもらえるため、法人成りで損をしたり後悔したりする心配はありません。
弊所でも、法人成りする必要がなければ不要な旨を、遅らせたほうが良ければ法人成りの目安やタイミングを、根拠を持ってお伝えさせていただいております。
法人成りが必要かどうかを教えてもらえる点は、税理士に相談する大きなメリットだといえます。
ミスなくスムーズに法人成りできる
法人成りで会社を設立したあとにも、税金、社会保険、労働保険関係の手続きを行わなければなりません。
法人の所在地を所轄する税務署や年金事務所、労働基準監督署などに期限内に書類を提出しなければならないため、すべてをご自身ひとりで行っている場合、焦ってミスをしてしまう恐れがあります。
たとえば、法人設立届出書は法人成りから2ヶ月以内、青色申告承認申請書であれば3ヶ月以内に提出しなければなりません。
中でも、青色申告承認申請書は期限内に提出しなかった場合、法人1期目に青色申告できずに税負担が大きくなってしまうため、忘れずに提出する必要があります。
そこで、法人成りから税理士に相談しておけば、会社設立に関する手続きを代行してもらえるため、ミスなくスムーズに法人成りできます。
初めてでよくわからない、事業に集中したい方は、法人成り支援を行っている税理士に相談してみましょう。
税務調査による追徴課税の発生を回避できる
法人成りの手続き代行と一緒に顧問契約も依頼する場合、税務調査による追徴課税の発生を回避できます。
専門家である税理士がご自身の代わりに税金周りを管理するからですね。
事業形態に関係なく、事業で所得を得て確定申告・決算申告している以上、税務署に税務調査に入られる可能性があります。
税務調査は、国税局の国税総合管理(KSK)システムによって選ばれた法人が受けます。
国税総合管理システム(以下「KSKシステム」という。)は、全国の国税局と税務署をネットワークで結び、申告・納税の事績や各種の情報を入力することにより、国税債権などを一元的に管理するとともに、これらを分析して税務調査や滞納整理に活用するなど、地域や税目を越えた情報の一元的な管理により、税務行政の根幹となる各種事務処理の高度化・効率化を図るために導入したコンピュータシステムである。
(引用:国税総合管理(KSK) – 財務省)
万が一、確定申告に不備があり指摘されると、高額な追徴課税などを課されるかもしれません。
そこで税理士と税務顧問を結べば、適切な申告を行えるのでペナルティのリスクを回避できます。
税務調査について詳しく知りたい方は、税務調査における修正申告・更正について解説した記事を参考にしてみてください。
適切な節税対策を実施できる
我々税理士は、ただ税金周りの管理を代行するだけでなく、税法の範囲内で最大限の節税対策を提案しています。
青色申告を行ってより高額な控除を受けられるようにしたり、法人成りを提案したります。
もちろん、状況に応じた提案をするのが基本です。法人成りであれば適切な時期に手続きを行うように、提案させていただく可能性があります。
法人成りの時期で悩んでいる、そもそもすべきなのかなど悩んでいる方は、お気軽にお問い合わせください。
創業融資や補助金などの資金調達をサポートしてもらえる
事業主が利用できる補助金は、以下のようにさまざまな種類があります。一部ですが、確認しておきましょう。
- 創業補助金
- ものづくり補助金
- 小規模事業者持続化補助金
など
認定支援機関の税理士であれば、申請に関して積極的にアドバイス・支援を行います。
また、他の士業との連携を図っている税理士であれば、雇用保険を財源とした助成金についても相談できます。
月次業績や決算予測など税金について把握できる
税理士と顧問契約を結んでおけば、決算予測や税金の納税額について明確に把握できます。
毎月確認できる業績や財政状況などは、経営の意思決定の判断材料となります。
ご自身で管理する手間が省けるため、事業に集中したい方は税理士と顧問契約を結びましょう。
また、税理士と顧問契約を結べば、以下のような内容についても相談できますしサポートを受けられます。
- 本当に法人成りする必要があるのか
- 法人成りのベストタイミングはいつなのか
- 決算期はいつにすべきか
- 役員報酬の最適な金額はいくらか
- 法人成り直後からできる節税対策の徹底
- インボイス制度に向けて法人成りするメリットや対策
安心して事業に集中したい方は、税理士との顧問契約を検討しましょう。
関連記事:法人成りのベストタイミングはいつ?後悔しない会社設立時期の選び方
法人成りで税理士と顧問契約を結ぶタイミング
法人成りの手続きは、税理士に相談・依頼できます。税理士との顧問契約をセットで依頼するケースが多いです。
弊所でも手続きを支援・代行できるので、お困りの際は気軽にご相談ください。
法人成り後の顧問契約についても、無料でご相談いただけます。
さて、法人成りで税理士と顧問契約を結ぶタイミングですが、主に以下の3パターンあります。
- 会社設立・起業時
- 事業が軌道に乗り始めたとき
- 法人成り後の確定申告前
どのパターンが正解といった話ではありませんので、あくまで参考程度にご覧ください。
法人成りについては、個人事業主の法人成りについて解説した記事で解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。それでは詳しく見ていきましょう。
①:会社設立・起業時
会社設立・起業時に、顧問契約ごとご依頼される方がよくいらっしゃいます。
先ほど解説したとおり、法人成り後に資金繰りや確定申告など、考えるべき内容が多くなるからですね。
法人成りの際に税理士と顧問契約を結んでおけば、今後についても相談できるので安心できます。
ただし、事業内容・資金繰り売上・などの状況によっては、すぐに税理士と顧問契約を結ぶ必要がないケースもあります。
ですので、まずは税理士と現状を話し合ったうえで、顧問契約を結ぶかどうかを判断しましょう。
弊所でも、今すぐ顧問契約を結ぶ必要がない場合、提案させていただくケースがございます。
状況に応じたアドバイスをさせていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。
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②:事業が軌道に乗り始めたとき
個人事業主の方で事業が軌道に乗り始めると、法人成りを検討する方が増えます。
課税売上高が1,000万円を超えると、消費税の納税義務が発生するからです。
法人成りしておけば、最長2年間は消費税の納税が免除されて節税につながります。
ですので、思い切って税理士と顧問契約を結んでおくのがおすすめです。ご自身の事業だけに向き合い、稼ぐことに集中できます。
また、節税効果があるのはもちろん、他にも以下のようなメリットがあります。
- 有限責任になり事業失敗のリスクが軽減される
- 法人登記簿謄本を誰でも閲覧できるため対外的な信用度が向上する
具体的なメリットは法人成りするメリット・デメリットについて解説した記事で詳しく解説しているので、ぜひ一読してみてください。
③:1期目の決算申告前
法人成りしてから初めて決算申告をする前に、税理士と顧問契約を結ぶパターンもあります。
法人の決算申告は、最低限簿記の知識が必要で税金の計算が難しいからです。
申告書様式などを確認して、やはり税理士に決算申告を依頼したいと考える方もいます。
先ほども解説したとおり、いつ税理士に相談するかのタイミングに正解はありません。
不安に感じた時点で、気軽に相談してみるといいでしょう。
関連記事:税理士に依頼するタイミングはいつ?メリットや必要なケースもあわせて解説
法人成りを税理士に依頼する際の費用相場
法人成りの手続き代行を税理士に依頼する際、どうしても費用がかかってしまいます。
事前に費用相場を確認して、税理士を選ぶうえで参考にしましょう。
法人成り代行の税理士費用は、依頼先だけでなく設立する会社の形態によっても異なります。
以下の表をご覧ください。
株式会社設立の費用相場
項目 | 費用 |
登録免許税 | 約15万円 (資本金によって異なります) |
定款印紙代 | 4万円 (電子定款の場合不要) |
定款認証代 | 5万円 |
謄本交付手数料 | 約2,000円 (1部につき250円) |
司法書士報酬 | 無料 ~ 5万円 |
税理士報酬 | 無料 ~ 5万円 |
合同会社設立の費用相場
項目 | 費用 |
登録免許税 | 約15万円 |
謄本交付手数料 | 約2,000円 (1部につき250円) |
司法書士報酬 | 無料 ~ 5万円 |
税理士報酬 | 無料 ~ 5万円 |
株式会社と合同会社を例に、法人設立の費用相場を紹介します。
個人事業主は、約20万~30万円あれば法人成りできるわけです。
また、法人成りとセットで税理士と顧問契約を結ぶ際の費用(顧問料)ですが、記帳代行を依頼するか面談を増やすかなどによって異なります。
事務所のホームページに、数万円程度の安い料金を記載しているケースがあります。
相談や決済のみの費用で、オプション料金が設定されているケースもあるのでよく確認しましょう。
法人成りを相談する税理士の選び方と注意点
最後に、法人成りから依頼する税理士の選び方と注意点を解説します。
依頼する税理士は誰でもいいわけではありません。
依頼料が安いからといって金額だけに注目して選ぶと、あとから変更することになってしまいます。
税理士の変更には探すための時間がかかりますし、契約解除を申し出る際に精神的な負荷がかかります。
事業に支障をきたす原因になりますので、本項目の内容を確認して、なるべく最初からご自身に合った税理士に依頼しておきましょう。
- 法人成り支援の実績が豊富な税理士を選ぶ
- 自社の業界に精通しているかを確認する
- 気軽に相談できるかを確認する
法人成り支援の実績が豊富な税理士を選ぶ
繰り返しになりますが、法人成りを税理士に依頼する際は、法人成り支援の実績が豊富かどうかを確認しましょう。
法人成り支援を行っていない税理士がいますし、実績が少なくて慣れていない税理士もいるからです。
スムーズに法人成りを完了するために、法人成り支援の実績が豊富な税理士に依頼しましょう。
自社の業界に精通しているかを確認する
法人成りに限らず、どんな内容を税理士に依頼する場合でも、自社の業界に精通しているかを確認しましょう。
税理士があなたにとって法人成りが必要かどうかを正確に判断するには、業界に関する専門知識や経験が必要だからです。
たとえば、弊所ではネットビジネスやIT、広告代理店業の顧問先様であれば、自信を持って支援させていただけます。
さまざまな業種に対応していますが、特にネットビジネスやIT、広告代理店業の顧問実績が豊富だからです。
しかし、医療や福祉業界の顧問実績は少ないため、より最適な支援を提供できない恐れがあります。
そのため、ご相談やご依頼いただいた場合でも、お客様のためになりませんので辞退させていただいております。
ご自身にとってより最適な支援を受けるために、法人成りを税理士に依頼する際は、自社の業界に精通しているかを確認しておきましょう。
気軽に相談できるかを確認する
法人成りを税理士に依頼するといっても、サービスの内容や費用はもちろん、税理士の性格もさまざまです。
そのため、どんなことをしてもらえるのか、いくらなのか、どんな人なのかなど不安は尽きないでしょう。
まずは、税理士を決める前に面談を実施してもらって、担当税理士の人柄を確認しておきましょう。
税理士と顧問契約を結ぶのであれば、長い付き合いになるのでなおさら確認しておくべきです。
人間には相性がありますから、合わなければ気軽に相談できないまま税理士報酬を支払わなければなりません。
ですので、税理士と面談を行う際は、以下の内容に注目してみましょう。
- メッセージのやりとりをスムーズにできるか
- 話をしっかり聞いてくれているか
- ご自身の立場に立ってくれているか
- サービスを押し付けてこないか
- 気軽になんでも話せそうか
税理士と顧問契約を結ぶとなればパートナー同然です。
最後の気軽になんでも話せるかどうかはかなり重要なポイントですので、意識しながら依頼する税理士を探してみましょう。
失敗しない税理士の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:失敗しない税理士の選び方|依頼タイミングと変更のコツも解説
法人成り支援の実績が豊富な植村会計事務所にお任せください
今回は、法人成りを税理士に相談する必要性についてメリットや費用相場などとあわせて解説しました。
法人成りを税理士に依頼する際は、以下の内容を確認しておきましょう。
- 法人成りで後悔しないか
- 法人成りを相談する専門家は税理士でいいか
- 税理士に相談すると必要なサポートを受けられるか
- どのタイミングで税理士に相談するか
- 法人成りを税理士に依頼する際の費用相場は予算に合っているか
- 自分に合った税理士を選ぶには何に注目すべきか
法人成りや事業運営を正確かつスムーズに行うためには、専門知識と経験が必要です。
調べたもののよくわからない、税務調査やインボイス制度などの対応が不安、事業に集中したいといった方は、法人成り支援の実績が豊富な植村会計事務所にご相談ください。
- 依頼すべきか悩んでいる
- どんなサポートを受けられるのか納得いくまで質問したい
- 法人化から顧問契約まで依頼料の総額がいくらになるのかを知りたい
- 依頼するにあたって抱えている悩みを払拭したい
など