こんにちは、YouTuberに強い税理士の植村拓真です。
2020年以降、YouTuberとして動画配信やライブ配信で収入を得る方が急増した影響で、弊所では「税務調査が入るのではないか」と不安を抱える方からのご相談が急増しています。



結論から述べますと、税務署はネット上の活動実態を把握しやすく、広告収入や企業案件の報酬などによる所得の申告漏れに厳しく対処する傾向があります。
実際に、YouTuberの方が税務調査に入られて、700万円もの追徴課税を課されたといったニュースが報道されました。
ユーチューバー確定申告せず700万円追徴 国税が「無申告」を監視(朝日新聞デジタル)#Yahooニュースhttps://t.co/y3Y2QNMSO2
以前もツイートしましたが、目新しくお金が集まるものは必ずマークされています。華々しい様子を動画やSNSで発信しているYouTuberなんて特にです
— 植村拓真|ネットビジネス・IT業の税理士 (@Takuma_Uemura_) March 11, 2023
本来、普段から対策しておけば過度に心配する必要はありません。
そこで今回は、YouTuberに税務調査が入る仕組みと対策について徹底解説します。
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YouTuberに税務調査が入る仕組み

動画投稿やライブ配信といったYouTuberの活動は気軽に始められる一方で、広告収入や企業案件の報酬などの所得をしっかり申告しなければならないビジネスです。
特に、YouTuberの活動はネット上で誰でも確認できるため、税務署から目をつけられやすい傾向があります。
- 外部からでも収益を推測しやすい
- 国税庁の電子商取引専門調査チームの監視対象
収入が公開されていなくても、活動実績やチャンネル登録者数、再生回数、企業案件の規模感から、税務署はある程度の所得があると予測できます。
本項目では、税務調査に入られる各仕組みについて見ていきましょう。
外部からでも収益を推測しやすい
YouTubeチャンネルの情報は、一般ユーザーでもある程度確認できます。チャンネル登録者数や再生回数が表示されているため、どれくらいの収益が発生していそうかを概算しやすいです。
税務署の調査官はさまざまな公開情報に加えて、以下のような点も確認しています。
- メンバーシップやスーパーチャットの有無
- 企業案件に出演している実績
- 動画内で高額商品を紹介、使用しているか
- YouTubeには出していないSNSの発信内容
上記のとおり、YouTuberの収益には見えにくいようで見えやすい特徴があります。
広告収入や企業案件の報酬をしっかり申告していないと、無申告または過少申告が原因で税務調査に発展しかねません。
YouTuberの活動を続けている限り、常に税務署から見られている意識を持つようにしましょう。
関連記事:無申告がバレる理由|確定申告していない人のペナルティと末路
関連記事:税務調査はインスタも対象!SNSインフルエンサーが監視される理由と対策を解説
国税庁の電子商取引専門調査チームの監視対象
国税庁は電子商取引専門調査チームという専門部署を設置しており、インターネット上の活動を重点的に監視しています。
電子商取引を行っている事業者及び電子商取引関連業者に対する税務調査・情報収集を専門的に行う電子商取引専門調査チームを設置
引用:国税庁(インターネットの普及を背景とした電子商取引の急速な進展)
本チームの調査対象は以下のとおり、従来の税務調査では把握しづらかったネット収入です。
- フリマアプリの売上
- アフィリエイト報酬
- 暗号資産
- SNSの広告収入
など
YouTubeの動画やライブ配信サービスの収益も対象に含まれています。以下を総合的に分析して、課税漏れがあったり疑いがあったりすると判断すれば、税務調査の連絡が入ります。
- 動画やライブ配信の内容、スパチャの金額
- 企業案件の露出度
- SNSでの活動
- メンバーシップやクラウドファンディング、グッズ販売
など
特に、収益規模に対して申告がないまたは極端に少ないといったYouTuberの方は、税務調査の対象になりやすいです。
また、第三者の通報や企業の支払い情報などから実態を把握するケースもあり、本人が自覚していなくても監視対象となるケースもあります。
ネットでの活動は履歴が残るため、気づかれにくいと考えて無申告を放置するのは危険です。税務署の監視体制は年々強化されており、デジタルデータに基づいた調査は精度を増しています。
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YouTuberが税務調査に入られないための対策

YouTuberの動画投稿やライブ配信などで収入を得ている場合、税務調査のリスクは完全にゼロにはできません。
滅多にありませんが、適切に申告していても内容確認が目的の税務調査が入るケースもあります。しかし、正しい対策を取っておけば、税務調査のリスクを大幅に下げられます。
続いては、YouTuberが税務調査に入られないための対策について解説していきますので、順番に見ていきましょう。
- 副業で年間所得が20万円を超えたら確定申告を行う
- フリーランスや個人事業主なら年間所得48万円を超えたら確定申告を行う
- 顧問税理士をつけて税務調査のリスクを減らす

引用:国税庁(令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について)
副業で年間所得が20万円を超えたら確定申告を行う
副業YouTuberの方の場合、年間所得が20万円を超えたら確定申告が必要です。本ケースでの所得とは、売上から必要経費を差し引いた金額のことです。
たとえば、年間所得が広告収入40万円のみで、YouTuberの活動で使用する配信機材やソフトの購入費が25万円かかっていれば、所得は15万円で所得税の申告を行う必要はありません。
しかし、必要経費を除いた純利益が20万円を超えた場合、所得税の申告が必要です。さらに、所得税の申告が不要なケースであっても、住民税は別途申告が必要なケースもあります。
また、副業YouTuberの方が無申告を放置していると、住民税の課税通知が勤務先に届いて副業がバレるリスクもあるため注意が必要です。
関連記事:副業の確定申告は税理士に相談!費用や副業バレ回避の方法も解説
フリーランスや個人事業主なら年間所得48万円を超えたら確定申告を行う
フリーランスや個人事業主のYouTuberの方は、年間所得が48万円を超えると確定申告が必要です。
副業YouTuberとは異なり、基礎控除48万円を超えた時点で課税対象となるため、収入が出始めた段階から帳簿をつけておきましょう。
確定申告を怠ると、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課されるほか、税務署の調査対象になりやすい傾向があります。
また、国民健康保険料や住民税にも影響するため、適切な確定申告は生活設計のうえでも重要です。
確定申告の基準は年度ごとの所得状況によって変わるため、収入の波が大きいYouTuberの方にとっては、年ごとの確認が欠かせません。
普段から収支をしっかり整理して確定申告の準備を進めておけば、スムーズに申告できます。
関連記事:確定申告が全くわからない方へ|やり方や相談先について税理士が解説
顧問税理士をつけて税務調査のリスクを減らす
YouTuberとして一定以上の収入を得るようになった場合は、顧問税理士をつければ税務調査のリスクを大きく減らせます。
税理士は帳簿作成や確定申告の代行に加えて、税務署とのやり取りや指摘への対策も担う専門家です。
特に収入が数百万円以上に達すると、申告内容の正確さや経費の妥当性が重視されるため、顧問税理士のサポートがあれば安心です。
顧問税理士がついている納税者に対しては、税務署もプロの管理下にあると判断するため、不自然な点がなければ調査対象になりづらい傾向があります。
万が一、税務調査が入った場合でも、顧問税理士が窓口になって対応してくれるため、メンタル面の負担が大きく軽減されてYouTuberの活動に集中できます。
普段から顧問税理士が記帳や領収書管理を行ったうえで定期面談を実施すれば、申告精度が上がり税務調査を避けやすいです。
顧問契約には費用がかかりますが、将来の税務トラブルや追徴課税を避ける手段として考えれば、費用対効果は十分高いと言えます。
関連記事:YouTuberの税理士費用の相場や安く抑える方法を経費とあわせて解説
関連記事:顧問税理士とは?顧問契約の必要性・メリットや注意点を解説
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YouTuberの税務調査に関するよくある質問

弊所では、YouTuberの方から税務調査に関する疑問や不安の声がよく寄せられています。
調査対象や申告義務、経費の扱いなど、活動実態により気になる点はさまざまです。
- YouTuberは税金を払っていますか?
- YouTuberは確定申告しなくてもバレませんか?
- YouTuberはなんでも経費になってずるくないですか?
- ライバーでも税務調査は入りますか?
- 底辺YouTuberでも経費にできるものはなんですか?
YouTuberは税金を払っていますか?
YouTuberで広告収入や企業案件の報酬などを得ている場合、年間所得が一定額を超えれば税金を納める義務があります。
ネットビジネスだからバレない、少額であれば無申告でもバレないし問題ない、知り合いのYouTuberが無申告でも税務調査に入られていない、だから大丈夫という問題ではありません。
たとえ副業であっても、必要経費を差し引いたあとの所得が年間20万円を超えていれば、同様に申告が必要です。
納税を怠ると、あとから税務調査で発覚して、加算税や延滞税などのペナルティが課されるおそれがあります。税金の申告と納付が必要な方は、安心してYouTuberの活動を続けるためにも、必ず行うようにしましょう。
YouTuberは確定申告しなくてもバレませんか?
繰り返しになりますが、確定申告が必要なYouTuberの方で無申告のまま放置していると、税務署から税務調査の連絡が入るリスクが高まります。税務署が無申告の状態を把握しているからです。
税務署はインターネット上の活動をチェックする体制を整えており、YouTubeの再生回数やチャンネル登録者数、案件動画の露出状況などから、一定の収入があるかどうかを見極められます。
無申告でも税務調査が入っていないYouTberの方は、泳がされているだけです。
関連記事:無申告がバレる理由|確定申告していない人のペナルティと末路
YouTuberはなんでも経費になってずるくないですか?
YouTuberだからといってなんでも経費になるわけではありません。
YouTuberで経費として認められるかどうかの基準は、支出が収入を得るために直接必要だったかどうかです。
極端な例ですが、毎日食事している様子を撮影した動画のみを垂れ流すチャンネルを運営している場合、動画から収益が発生していなければ、動画撮影で発生した支出の経費計上は認められづらいです。
関連記事:法人はなんでも経費で落とせる?よくある勘違いと判断基準を解説
ライバーでも税務調査は入りますか?
動画投稿ではなくライブ配信がメインのYouTuberの方でも、税務調査の対象になり得ます。実際に、ライバーで税務調査に入られた方はいます。
ネットビジネス業の無申告がバレないは嘘ですので、申告が必要な方は必ず行いましょう!
「億を稼ぐ」女性ライバーが脱税 「ユーチューバーの次はライバーだ!」記者が語る「国税のリサーチ力」の正体 https://t.co/X5blDsHYS5
— 植村拓真|ネットビジネス・IT業の税理士 (@Takuma_Uemura_) December 25, 2024
YouTubeに限らず、Twitchやツイキャス、ふわっちなど、さまざまな配信サイトで活動している方も税務調査の対象です。
底辺YouTuberでも経費にできるものはなんですか?
チャンネル登録者数や再生回数が少ないYouTuberの方であっても、収入を得る目的で活動している以上、必要経費を正しく計上すれば認められます。
たとえば、動画編集ソフトのライセンス料、撮影用のスマホや三脚、交通費やロケにかかった費用などです。ただし、経費計上が認められやすい支出は、事業に必要だったと説明できる証拠があるものです。
また、支出がプライベートと混在している場合、業務に使った割合を明示する按分が求められるため、日々の記録が欠かせません。
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まとめ

今回は、YouTuberに税務調査が入る仕組みと対策について徹底解説しました。
動画やライブ配信で得ている収入は税務署からも把握されやすく、無申告や誤った申告は税務調査の対象になりやすいです。
対策を取らずにYouTuberの活動を続けると、あとから追徴課税や延滞税などのペナルティが発生するおそれがあります。
安心してYouTuberの活動を続けるためには、収入や経費の管理を徹底して必要な場面で税理士の力を借りる判断も重要です。
最後に、今回の要点を整理しておきましょう。
- YouTubeの収入は税務署に把握されやすい
- 副業なら20万円、専業なら48万円の年間所得を超えたら申告する
- 無申告は税務調査の対象になり追徴課税のリスクがある
- 収入が少なくても経費の記録は重要である
- ライバーも税務調査の対象になる
- 顧問税理士のサポートで税務調査やペナルティのリスクを減らせる

