こんにちは、アフィリエイトの起業支援の実績が豊富な税理士の植村拓真です。
私自身が現役で匿名ブログやSNSなどでアフィリエイトに取り組んでいる経験を活かして、多くのアフィリエイターの方と顧問契約を結ばせていただいております。
ここ数年ではブログアフィリエイトだけでなく、SNSやYouTubeなどの媒体で活動なされているアフィリエイターの方や、副業で取り組まれる予定の会社員の方からよくご依頼いただきます。
本記事を読んでいるのは、アフィリエイトの起業する方法や、会社設立に関するメリットやデメリットなどについて知りたい方ではないでしょうか。
今回はそんな方に向けて、アフィリエイトで起業する方法から会社設立まで解説します。
アフィリエイトで法人化を検討している方は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:アフィリエイトで法人化(会社設立)するメリットと後悔しないタイミングを解説
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アフィリエイトで起業する方法とは?
それではさっそく、アフィリエイトで起業する方法について解説します。主な方法や手順は以下のとおりです。
- アフィリエイターとして起業する準備をする際の準備物
- 活動する媒体を選択してアカウントを作成する
- ASPやGoogleなどの審査に通過して広告を掲載する
アフィリエイターとして起業する際の準備物
アフィリエイターとして起業する際、まずはパソコンやスマホなどの端末を用意しましょう。
エンジニア向けの高性能なモデルは不要ですが、記事作成や画像編集をスムーズに行える程度のスペックが必要です。通信環境も重要で、安定したインターネット接続を確保しておきましょう。
次に、アフィリエイトを行うための媒体のアカウントを準備します。ブログであれば独自ドメインを取得してレンタルサーバーを契約すれば、アフィリエイトブログを運営できます。
Amebaやはてなブログなどの無料ブログを活用する方法もありますが、アフィリエイトが制限されるケースがあり、運営側の方針変更で利用できなくなるリスクもあるため、独自ドメインでブログを開設しておくと安心です。
また、アフィリエイト専用の銀行口座を開設しておけば、報酬を管理しやすいです。
活動する媒体を選択してアカウントを作成する
アフィリエイトで起業する際には、まず活動する媒体を選びましょう。
選択する媒体によって、集客方法や収益化の流れが大きく変わりますので、自身の得意分野や発信スタイルに合ったものを選択するのがベストです。
アフィリエイトに適した媒体と言えば、ブログやSNS、YouTubeなどがあります。コツコツと記事を積み上げたり検索エンジンに広告を出稿したりして、SEO経由で集客するならブログがおすすめです。
そして、短期でインプレッションを集めて集客するなら、拡散力のあるYouTubeやSNSを選択する方が多いです。
媒体のアルゴリズムに振り回されずに安定して集客したい方は、管理は大変ですが、複数の媒体を使用することになります。
アフィリエイターとして活動する媒体を決めたら、ブログならサーバーの契約や独自ドメインの取得を行ってWordPressでブログ開設、YouTubeならチャンネルを開設、SNSならアカウント作成を行いましょう。
ASPやGoogleなどの審査に通過して広告を掲載する
アフィリエイトで起業して売上を立てるためには、ASPやGoogleアドセンスの審査を通過して、広告を掲載できる状態にする必要があります。
ASPとは、企業とアフィリエイターを仲介する広告配信サービスのことです。A8.netやアクセストレード、バリューコマースなど、さまざまな種類があります。
ASPで広告掲載の審査に通過するためには、ブログやSNSなどの媒体が一定の基準を満たしている必要があります。
たとえば、ブログのコンテンツが充実していたり、著作権やガイドラインに違反していなかったりが広告掲載の審査における重要なポイントです。
一方、Googleアドセンスは、サイトの内容に応じた広告を自動表示する仕組みです。
Googleアドセンスの審査では、独自性のある有益なコンテンツを投稿しているかチェックされるため、コンテンツ数だけでなく内容の質も考慮して運営する必要があります。
審査に通過したら、ブログやSNSなどの媒体にアフィリエイトリンクやバナー、画像などを掲載して、アフィリエイト報酬を得られるように取り組みましょう。
アフィリエイトで起業するタイミング
アフィリエイトの起業には、適切なタイミングがあります。
そもそも、あなたが考えている起業の意味にもよるのですが、特に法人化を検討している場合はタイミングが重要です。
そこで本項目では、アフィリエイトで起業するタイミングについて基礎知識とあわせて解説します。
個人事業主と法人の違い
アフィリエイトで起業するパターンとしては、開業届を提出してフリーランスや副業から個人事業主になるとき、会社を設立して法人化するときの2種類あります。
個人事業主のアフィリエイターは、税務署に開業届を提出さえすれば無料でなれます。
そして、事業規模が小さいうちは手軽にスタートできるのもメリットですが、所得が増えると累進課税で税負担が大きくなるので注意しましょう。
一方、法人化して法人アフィリエイターになるためには、法務局で登記手続きを行う必要があり、費用は合計で10万〜30万円程度かかります。
起業のハードルは上がりますが、所得が一定額を超えると、最大税率が個人事業主よりも低くなります。さらに、個人事業主よりも起業に手間と時間がかかる分、社会的な信用が高いです。
事業形態 | 個人事業主 | 法人 |
起業の手続き | 税務署に開業届けを提出 | 法務局で登記申請 |
起業にかかる費用 | 無料 | 10万〜30万円 |
所得にかかる税金と最大税率 | 所得税、45% | 法人税 |
法人化の具体的なメリットやデメリットについては、後ほど解説します。
関連記事:会社と個人事業主はどっちが得?違いやメリット・デメリットを比較して法人化を検討
法人化を検討するタイミング
アフィリエイトで法人化を検討するタイミングは、税負担の軽減が大きなポイントです。
繰り返しになりますが、個人事業主のアフィリエイターとして所得を稼ぐほど累進課税制度により所得税率が上がるため、法人化により所得にかかる税率を抑えられます。
所得税は5%から始まり、700万円近くで23%、4,000万円を超えると45%まで上昇します。さらに、住民税が一律10%加算されるため、所得が高いほど税負担も大きいです。
一方、法人税は原則23.2%で、資本金の額などに応じて15%や19%が適用されるケースもあり、実効税率は30%台に収まる傾向があります。
課税対象の所得が増えてくると法人化したほうが節税につながるケースがあるため、法人化を検討するタイミングとしてよく挙げられます。
もちろん、アフィリエイトで売上が伸びる目処が立っていたり、社会的な信用度が必要だったりする場合も、所得にかかる税率に関係なく法人化を検討するタイミングです。
関連記事:法人成りのベストタイミングはいつ?後悔しない会社設立時期の選び方
アフィリエイトで起業して法人化するメリット
アフィリエイトで起業して法人化するメリットは、以下のとおりです。
- 課税所得が多いほど税金面で有利になる
- 経費の範囲が広がる
- 社会的な信用を得られる
- リクルートのハードルが下がる
- 社会保険に加入できる
まず、課税所得が多いアフィリエイターほど、法人化すると税金面で有利になります。
繰り返しになりますが、個人事業主の所得税は累進課税制度が適用されるため、所得が増えるほど税率が上がります。
一方で、法人税は最大税率が所得税よりも低いため、課税所得が増えてくると法人化したほうが税負担は小さいです。
さらに、法人アフィリエイターであれば役員報酬や出張手当などを経費計上できるため、経費の範囲が広がって税負担を軽くできます。
社会的な信用が向上して、事業拡大がしやすくなる点もメリットです。法人アフィリエイターになれば、資金調達時の審査が通りやすくなり選択肢が広がります。
また、スタッフを雇いたい場合、法人のほうが安定した雇用環境を提供できるため、優秀な人材を確保しやすいです。
さらに、社会保険に加入できるため、年金の受給額が増えるだけでなく、スタッフにとっても福利厚生の充実につながるメリットがあります。
アフィリエイトで起業して法人化するデメリット
アフィリエイトで起業して法人化すると、メリットだけでなくデメリットもあります。
- 法人化に10万〜30万円の費用がかかる
- 手続きに時間がかかる
- 社会保険料がかかる
- アフィリエイト報酬を自由に使えなくなる
まず、会社設立には10万〜30万円の費用がかかり、定款作成や法人登記などの手続きを進める必要があります。
会社設立の費用は、合同会社であれば約10万円、株式会社であれば20万〜30万円です。
特に事業規模を拡大する予定がなく、節税目的の場合は、法人化のコストを抑えられる合同会社を選択されるアフィリエイターさんが多いです!
そして、法人化後も税務署への届出や各種申請が必要で、税理士や司法書士に依頼する場合は追加費用が発生します。
また、法人化すると社会保険の加入が義務となり、厚生年金と健康保険の負担が増えます。個人事業主の国民年金よりも負担額が高く、スタッフを雇う場合は法人側も保険料を負担しなければなりません。
アフィリエイトを本業として一人で運営している場合でも、社会保険料の影響を受けるため、役員報酬額はシミュレーションを実施したうえで慎重に決めましょう。
さらに、法人アフィリエイターの報酬は法人の資産であり、アフィリエイター個人は自由に使えません。たとえご自身で稼いだアフィリエイト報酬であってもです。
法人化前であればアフィリエイト報酬をそのまま生活費に充てられましたが、法人化後は役員報酬として受け取るため、資金管理が必要になります。
役員報酬額を増やして多く受け取れば社長個人の税金が上がり、逆に減らせば法人の税金が上がってしまいます。
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アフィリエイトの起業で成功するコツ
職業柄、アフィリエイトで成功している方をよく見ていますし、自分自身が現役アフィリエイターとして稼いでいるのでわかるのですが、今のアフィリエイト業界で稼ぐにはさまざまな媒体で活動する必要があります。
8〜9年ほど前のアフィリエイターといえば、ブログを開設してSEO経由で集客していました。
長文の記事を大量に作成して投稿していれば、ジャンル次第ですが大きくアフィリエイト報酬を稼げる時代がありました。
しかし、ここ数年のGoogleアルゴリズムは個人アフィリエイターに厳しく、SEO一本で集客しているとGoogleコアアルゴリズムのアップデートに被弾してしまい、突然稼げなくなるリスクがあります。
そのため、現在ではブログだけでなくSNSやYouTubeも活用して集客経路を増やし、リスクヘッジしながら稼いでいるアフィリエイターの方が増加しています。
アフィリエイトで起業する際は、複数の媒体でアカウントを作成して、各媒体のアルゴリズムや利用規約を確認しましょう。
Today we released the December 2024 spam update.
It may take up to 1 week to complete, and we’ll post on the Google Search Status Dashboard when the rollout is done: https://t.co/L7n9n3Nh6X
— Google Search Central (@googlesearchc) December 19, 2024
そして、マーケティングについて学びつつ、試行錯誤を繰り返してアフィリエイト報酬を積み上げましょう。
アフィリエイトで起業する手順や必要な手続き
最後に、アフィリエイトで起業する手順や必要な手続きについて解説します。
個人事業主と法人のパターンに分けて解説するので、ご自身のケースに合わせて参考にしてみてください。
個人事業主アフィリエイターとして起業
アフィリエイトで個人事業主として起業する場合、まずは税務署に開業届を提出しましょう。
税務署に開業届を提出すれば、正式に事業を開始したとみなされて税制上のメリットも得られます。
開業届と同時に青色申告承認申請書を提出すれば最大65万円の特別控除を利用できるため、節税対策にもなります。
続いて、アフィリエイトで報酬を受け取る事業用の銀行口座を開設して、プライベートと事業のお金を管理しやすくしましょう。
税務署に開業届を提出すれば、個人事業主のアフィリエイターとして事業を開始できます。
関連記事:アフィリエイトで開業届を提出するタイミングから書き方まで税理士が解説
法人アフィリエイターとして起業
アフィリエイトで法人を設立して起業する場合、法務局で法人登記を行います。
会社の基本情報を決めて定款を作成して、公証役場で認証を受けたあとに必要書類を用意して登記申請を行います。会社の設立費用は合同会社で約10万円、株式会社で約25万円です。
法人登記が完了したら、税務署や都道府県税事務所に法人設立届を提出して、事業の開始を正式に報告しましょう。
そして、法人用の銀行口座を開設して、ASPや広告主と契約する際に法人名義で取引できるように準備します。
法人アフィリエイターは個人事業主のアフィリエイターよりも社会的な信用が高まるため、大手ASPとの契約がスムーズになるケースもあります。
ただし、法人アフィリエイターとして事業を行うには、法人住民税の均等割である約7万円や社会保険料の負担が必要です。
アフィリエイトで法人化して起業するかどうかは、売上の安定性を考慮して判断しましょう。
関連記事:アフィリエイトで法人化(会社設立)するメリットと後悔しないタイミングを解説
まとめ
今回は、アフィリエイトで起業する方法から会社設立まで解説しました。
アフィリエイトで起業する際、まずはブログやSNS、YouTubeの特徴を理解して、自分に合った媒体を選択して情報発信を始めましょう。
情報発信を続けながら集客の仕組みを作り、ASPやGoogleアドセンスの審査を通過して収益化します。アフィリエイトで起業する方法には、個人事業主として始める形と法人を設立する形があります。
最初はアフィリエイターとして税務署に開業届を提出して、個人事業主で事業を行い売上を安定させてから法人化を検討しましょう。
法人アフィリエイターは個人事業主よりも税金の負担を減らしやすく、経費計上できる範囲が広くて、社会的な信用も高いです。
ただし、法人を維持するための費用や手続きが発生するため、単純に税金を抑える目的だけで判断しないようにしましょう。
特に、法人の決算申告は専門性が高く、独学で正確に行うのは困難です。