テレワーク(在宅勤務)に関する確定申告|どこまで経費にできる?

こんにちは、植村会計事務所代表の植村拓真です。

新型コロナの世界的大流行がキッカケで、仕事がテレワーク(在宅勤務)に切り替わった方が多いのではないでしょうか。

2020年4月の緊急事態宣言発令以降、テレワークに切り替わり出費が増えたという言葉をよく耳にします。

SNSでも、以下のような声が挙がっています。

2021年もまだまだテレワークが続きそうなので、仕事環境を整えようと考えている方がいますね。

あれもこれもと購入していると出費が重なって、お財布に大ダメージですよね…。

そこで今回は、テレワークでかかった費用を確定申告できるのかについてお話していきます。

テレワークでかかった費用は確定申告できる?

テレワーク 確定申告 経費 画像

テレワークによる出費は思ったよりも多いです。

仕事の環境を整えるだけでなく、在宅時間アップによる出費も増加するからですね。

  • Webカメラ
  • マイク
  • ヘッドセット
  • パソコン
  • 椅子やデスク
  • 光熱費
  • 食費
  • 水道代
  • サーバー代
    など

テレワークの必要経費を挙げていくとキリがありません。

 

そこで、さっそくテレワークでかかった費用を確定申告できるのかどうかについて触れていきます。

確定申告について詳しく知りたい方は、以下の記事からご覧ください。

関連記事:確定申告が初めての方へ|概要・やり方について税理士が解説

【意外と多い!】テレワークによる出費

先ほどお話したとおり、仕事がテレワークに切り替わったことで、出費が増加したサラリーマンは少なくありません。

SNSでは、以下のような声が挙がっています。

仕事で会議をする際、テレワークですからWebカメラやマイクなど、パソコンの周辺機器が必要になります。

そして、在宅時間が増加すればエアコンや電気、水などの使う量も増加しますよね…。

中には以下のつぶやきのように、会社にテレワークの費用を負担してもらえていない方もいます。

光熱費や水道代は通常勤務であれば、それほど痛い出費ではありません。

 

しかし、一日中在宅しているとなれば話は別です。

テレワークの費用が完全自己負担の状態で在宅勤務が続けば、大きな出費となってしまいます。

以上のようにテレワークでは、さまざまな費用の出費が長期間続きます。

テレワークでかかった費用は会社に請求できる?

領収書を保管しておいた場合、テレワークでかかった費用を会社に請求できるかについてお話します。

結論からいうと、会社が請求内容を確認して認めれば請求できます

テレワークでかかった費用を請求できるかどうかの基準は、以下のとおりです。

・事業に関連する支出かどうか
・会社の予算や請求内容から認められるか

会社はすべての請求を認めていると、事業の収益性を悪化させかねません。

そのため、上記の2点を考慮して、社員の請求を認めるべきかを慎重に判断しています。

 

あくまで目安ですが、仕事に直接関係するWebカメラやヘッドセットなどは、テレワークでかかった費用として認められるケースがあります。

一方、光熱費や食費などは私的なモノとの区別がつかないため、テレワークでかかった費用として認められる可能性は低いです。

テレワークでかかった費用を会社に請求できるかどうかが明確に知りたい場合は、商品を購入する前に会社に問い合わせておきましょう

テレワークの費用を確定申告|特定支出控除とは?

テレワーク 確定申告 特定支出控除 画像

先ほどお話したとおり、テレワークでかかった費用を会社に請求できるかどうかは会社次第です。

そのため会社次第では、すべて自己負担となる可能性もあります…。

テレワークの期間が長引く場合、通常勤務時よりも高額な光熱費や水道代などを支払い続けなければなりません

毎日会社に通勤しなくても良い分楽だとはいえ、毎月の出費が増加するのはつらいですよね…。

 

そんなとき、サラリーマンが利用できるのが、特定支出控除といった制度です。

特定支出控除は、特定支出の額の合計額が給与所得控除額の2分
の1(最高 125 万円)を超える場合、その超える部分について、確
定申告を通じて給与所得の金額の計算上控除することができる制
度です。
引用:給与所得者の特定支出控除について – 国税庁

個人で支払った経費のうち、給与所得控除の50%を超えた分を控除できます

『サラリーマンが利用できる』と言いましたが、ハッキリ言って利用するハードルは高いです。

給与所得控除については、以下の表をご覧ください。

国税庁 給与所得控除 画像
引用:No.1410 給与所得控除 国税庁

たとえば、給与の収入が500万円である場合、

500万円 × 20% + 44万円 = 144万円

つまり、特定支出控除の対象となるのは、144万円の50%である72万円を超えた部分です。

 

テレワークの費用が72万円を超える可能性は低いですよね…。

そして、対象となる支出は以下のとおりです。

費用名 特徴
通勤費 会社へ通勤するために必要な交通費 ガソリン代
転居(引っ越し)費 仕事のために転居する際に発生する費用 引っ越し業者に支払う料金
研修費 仕事に直接関係ある研修を受けるための費用 セミナー代
業務上の旅費 勤務地を離れて仕事を行うために直接必要な旅費 出張にかかる費用
資格取得費 仕事を行ううえで必要な資格を取得するための費用 税理士専門学校の学費
帰宅旅費 単身赴任者が自宅に帰る際にかかる旅費 公共交通機関の利用料
勤務必要経費 図書費、衣服費、 交際費など(65万円が限度) 書籍、スーツ、キャバクラ代、お歳暮など

テレワークの費用は『勤務必要経費』に該当する傾向があります。

現状、新型コロナに関する内容は明記されていないため、基準は曖昧です。

特定支出の控除を受ける際は、テレワークの費用が特定支出に該当すると会社に証明してもらう必要があります。

会社から証明書を受け取って、確定申告時に提出しましょう。

サラリーマンが特定支出控除を申請する方法

サラリーマン 特定支出控除 画像

テレワークの費用が特定支出に該当すると会社に認められたら、確定申告を行いましょう。

年末調整を受けるのではなく、ご自身で確定申告を行う必要があります

確定申告の準備をする際、確定申告書に以下の書類を添付してください。

  • 特定支出に該当する商品の明細書
  • 給与等の支払者(会社)の証明書
  • 購入した商品の領収書

必要書類をすべて揃えて、税務署に申告しましょう。

テレワークで使用するモノを購入する際は、必ず領収書をもらい保管しておいてください

【確定申告は難しい】テレワークの助成金を確認

テレワーク 助成金 画像

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植村拓真
特定支出の控除を受けたいけどそんなに出費が多くない…

そう考えている方が多いのではないでしょうか。

テレワークの出費が、会社から特定支出に該当すると認められたうえで、給与所得控除額の50%を超えなければいけないわけですからね…

そんな方は、会社が国や地方自治体のテレワーク助成金を活用していないか確認しましょう。

テレワーク助成金とは、テレワークの導入や定着などを目的とした助成金です。

 

テレワークを推進している会社であれば、テレワークの費用を負担してくれる可能性があります。

還付申告ができない方は、ぜひ会社にテレワークの費用について相談してみましょう。

本記事を読んでいる方の中には、テレワークの費用以外で税金に関する悩みがある方もいるのではないでしょうか。

弊所では、ネットビジネスやIT業などの顧問契約や会社設立のご相談をお受けしています。

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