こんにちは、植村会計事務所代表の植村拓真です。
弊所は、所長である30代前半の私が20代のときに創設した、若手中心の会計事務所です。スタッフも20〜30代と若手が中心ですが、顧問実績が豊富であるため安心してご依頼いただいております。
そんな弊所ですが、若い税理士に依頼すべきかを迷っていらっしゃる方からも、よくご相談をいただきます。
中でも特に多いのが、ベテラン税理士への依頼と比較した際のメリットとデメリットについてです。初めて税理士に依頼する方であれば、以下のように考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし、若い税理士に依頼するメリットがあるため、若手の税理士を探す方がいらっしゃいます。
そこで今回は、若い税理士に依頼するメリット・デメリットを若手税理士が正直に解説します。
【全国対応・無料】ご相談・法人化シミュレーション・見積もりはこちら
若い税理士に依頼するメリット!なぜ需要がある?
繰り返しになりますが、税理士に依頼するなら「ベテランのほうがいいのでは」とお考えの方もいると思われます。
しかし、実際に若い税理士を探して、弊所にご依頼くださる方が多くいらっしゃいます。若い税理士だからといって、需要がないわけではありません。
では、若い税理士に依頼するとどんなメリットを享受できるのか、なぜ需要があるのかについて解説します。
- 税理士費用が安く設定されている
- 最新の節税対策を学んで対応している
- 税理士との距離が近く親身に対応してくれる
- 安心して長期間の顧問契約を結べる
税理士費用が安く設定されている
若い税理士に依頼すれば費用を抑えられる傾向がある点は、注目すべきメリットのひとつです。
開業して間もない税理士や若手の税理士は実績を積む必要があるため、費用をやや低めに設定して依頼を受けやすくする傾向があります。
たとえば、顧問契約や決算申告の報酬についても、経験豊富なベテラン税理士と比べて、数万円ほど低く設定されているケースがあります。
さらに、若い税理士はクラウド会計ソフトやチャットツール、タスク管理アプリなどのITツールを積極的に導入しているケースが多いです。
業務全体の効率化を図りコストを抑えやすい環境を整えています。どうしても税理士費用を抑えたい方にとって、若い税理士や開業直後の事務所への依頼は有効な手段です。
関連記事:オンライン対応の税理士に相談すると安い?依頼する際の注意点も解説
最新の節税対策を学んで対応している
若い税理士には最新の節税対策を積極的に学び、実務に反映している傾向があります。
税制改正は毎年行われており、制度の細かな変更に対応するためには、常に情報をアップデートしておく必要があるからです。
そして、日頃から最新の通達や法改正に関する情報収集はもちろん、実務に直結する節税手法や支援制度を柔軟に取り入れる意識が強い傾向にあります。
若い税理士の経験はベテラン税理士にどうしても劣るため、少しでも差を埋めるために日々行動している方が多いです。
関連記事:【法人版】節税対策の裏ワザ|手元により多くの資金を残す方法
税理士との距離が近く親身に対応してくれる
若い税理士は対応時に相談者との距離が近く、親身な傾向があります。
顧客対応の経験不足から緊張でうまくコミュニケーションを取れない方もいますが、顧問先獲得のために丁寧な方が多いです。
たとえば、税金についてどこまで経費にできるか不安、起業後の資金繰りが心配といった初歩的な悩みにも、専門用語の使用を避けたりわかりやすく説明したりと丁寧です。
そして、非対面であっても、メールやチャットといったスピード感のある連絡手段にも柔軟に対応して、丁寧に質問や相談に応じてくれます。
関連記事:ダメな税理士とは?良い税理士・悪い税理士の見極め方と対処法
安心して長期間の顧問契約を結べる
若い税理士に依頼する大きなメリットとして、安心して長期間の顧問契約を結べる点が挙げられます。
税理士は継続して相談する存在であり、経営状況やライフステージの変化に応じた柔軟なサポートが求められます。そのため、長期目線で信頼関係を築ける相手であるかどうかは、重要な判断材料です。
若い税理士であれば、今後10年、20年といった長い期間にわたって相談し続けられる見込みがあり、事業の成長とともに継続してサポートを受けやすいです。
税理士と世代が近ければ、価値観や時代感覚が共有しやすく、話しやすい関係を築ける点も安心感につながります。安定した経営を目指すためにも、長く付き合える税理士を選びましょう。
関連記事:顧問税理士とは?顧問契約の必要性・メリットや注意点を解説
【全国対応・無料】ご相談・法人化シミュレーション・見積もりはこちら
若い税理士に依頼するデメリット!ベテラン税理士が有利な点
もちろん、若い税理士よりもベテラン税理士に依頼したほうが有利な点もありますので、順番に解説していきます。
- 経験が浅い傾向がある
- 人脈が狭くて他の専門家と連携が取れていない
経験が浅い傾向がある
若い税理士に依頼する際、どうしても経験の浅さが不安材料になりがちです。
税理士の業務は単なる知識だけではなく、過去の対応実績や複雑な事例をどれだけこなしてきたかによって、判断力や提案の質に差が出る傾向があります。
特に、相続や事業承継などといった難易度の高い案件では、過去の対応経験がものを言う場面も多く、経験豊富なベテラン税理士の方が柔軟かつ的確な対応を期待できます。
若い税理士であっても専門知識は豊富ですが、実務経験の蓄積には時間がかかるため、すべての場面で万全とは言い切れません。
後ほど詳しく解説しますが、若い税理士を探す際は、ご自身の業種や依頼内容の経験が豊富かどうかを確認しましょう。
人脈が狭くて他の専門家と連携が取れていない
税理士が若手である場合、人脈の狭さがデメリットとなるおそれがあります。
税務相談だけで完結する案件は限られており、実務では司法書士や行政書士、社会保険労務士など、他分野の専門家と連携しながら対応を進める必要が生じるケースがあります。
経験を積んだベテラン税理士であれば、信頼関係を築いた各分野の専門家と連携体制が整っているケースが多く、複雑な案件にもワンストップで対応しやすいです。
一方、開業して間もない若い税理士の場合、各分野の専門家との人脈が十分に構築されていない傾向があり、依頼者が自力で専門家を探す手間が生じるケースもあります。
会社の規模が大きく、さまざまな分野の専門家への依頼が必要な方は、開業直後の若い税理士への依頼はおすすめしません。
【全国対応・無料】ご相談・法人化シミュレーション・見積もりはこちら
若い税理士を選ぶ際に注目すべきポイント
若い税理士を選ぶ際、いくつかのポイントに注目しておけば、失敗してあとから後悔する事態を回避しやすいです。
本項目で解説する内容を参考にしながら、選んでみてください。
- 顧問経験の豊富さを確認する
- 問い合わせや面談で相性とやり取りのスムーズさを確認する
- 税理士事務所の年齢層が若いかを確認する
顧問経験の豊富さを確認する
若い税理士を選ぶ際、年齢だけで判断せずに、ご自身の業種の顧問経験がどれだけあるかを確認するようにしましょう。
税理士としての登録年数が浅くても、独立前に大手の会計事務所や税理士法人で数多くの顧問先を担当していた経歴があれば、実務能力は十分に備わっているケースがあるからです。
顧問業務は単なる帳簿作成や申告作業にとどまらず、経営判断に関わる助言や資金繰りの見通し、節税対策など多岐にわたるため、顧問経験が判断材料となります。
若手であっても顧問経験が豊富な税理士はいますので、実務経験の中身に注目して選んでみましょう。
問い合わせや面談で相性とやり取りのスムーズさを確認する
繰り返しになりますが、若い税理士を探す際は、問い合わせや面談で相性とやり取りのスムーズさを確認しておきましょう。
顧問契約は長期にわたる関係になるため、価値観の一致やコミュニケーションの取りやすさは、業務の円滑さに直結します。
特に、若い税理士はメールやチャット、リモート面談など、柔軟な手段で対応してくれる傾向があるため、自分の希望する連絡方法に対応しているかを確認するのが有効です。
たとえば、初回の問い合わせに対する返信の早さ、質問に対する回答の丁寧さを見れば、対応姿勢がある程度把握できます。
税理士費用や顧問経験だけで選ぶのではなく、実際のやり取りを通じて相性の良さを見極める視点を持つことが、後悔のない税理士選びにつながります。
税理士事務所の年齢層が若いかを確認する
若い税理士への依頼を検討する際は、事務所全体の年齢層も確認しておくと安心です。
代表税理士が若くても、担当スタッフがベテラン中心で構成されているケースがあります。
契約前には、事務所のホームページや初回面談を通じて、担当者やスタッフの構成を確認しておきましょう。
ITツールへの対応力や相性を見極める判断材料として、年齢層もチェックすべきポイントのひとつです。
関連記事:税理士選びで失敗しない方法|依頼タイミングと変更のコツも解説
【全国対応・無料】ご相談・法人化シミュレーション・見積もりはこちら
まとめ
今回は、若い税理士に依頼するメリット・デメリットを若手税理士が正直に解説しました。
最後に、本記事の内容をおさらいしておきましょう。若い税理士に依頼するメリットは以下のとおりです。
- 税理士費用が安い傾向がある
- 最新の節税対策を学んで対応している
- 税理士との距離が近く親身に対応してくれる
- 安心して長期間の顧問契約を結べる
そして、デメリットは以下のとおりで、やはりベテラン税理士に比べると税理士歴が短いため、経験や人脈面で劣る傾向があります。
- 経験が浅い傾向がある
- 人脈が狭くて他の専門家と連携が取れていない
ですので、若い税理士を選ぶ際は、以下のポイントに注目して後悔する事態を回避しましょう。
- 顧問経験の豊富さを確認する
- 問い合わせや面談で相性とやり取りのスムーズさを確認する
- 税理士事務所の年齢層が若いかを確認する
今回はメリットやデメリット、選び方などについて解説しましたが、事務所や先生によって合う合わないはあります。
ですので、依頼する税理士を探す際は、メールや面談にて相性を確認して信用、信頼できると感じた事務所と契約を結びましょう。