こんにちは、税理士法人植村会計事務所の代表税理士の植村拓真です。
弊所では、会社経営者の方や一人社長の方、法人化した個人の方などから、経費に関する以下のようなご相談をよくいただきます。



本記事を読んでいる方の中にも、同様の疑問を抱いている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、生活費を経費で落とすのは法人だと認められるのかについて、経費で落ちるもの一覧とあわせて解説します。
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生活費を経費で落とすのは法人だと認められる?

生活費を経費で落とすのは、法人でも認められません。法人で経費で落とすのが認められるのは、事業活動に関連する支出に限られます。
食費や日用品の購入費といった生活費は、事業活動と関係のない支出であるため、経費で落とすのは認められません。
たとえば、法人で社長個人の生活費を負担すると、実質的に役員報酬を支給したものとして扱われるため、所得税や個人住民税の負担が増えるおそれがあります。
法人が役員および特殊関係使用人(以下「役員等」といいます。)に支給する給与には、金銭によるもののほか、債務の免除による利益その他の経済的な利益も含まれます。
この経済的な利益とは、例えば次に掲げるもののように、法人の行為によって実質的にその役員等に対して給与を支給したのと同様の経済的効果をもたらすものをいいます。(中略)
10 役員等の個人的費用の負担額
引用:国税庁(No.5202 役員等に対する経済的利益)
また、法人で負担する社長個人の生活費のうち、住宅の光熱費や家事使用人への給料などのほかは定期同額給与に該当しないため、役員報酬として経費で落とすのも認められません。
役員に対して継続的に供与される経済的利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるものは定期同額給与に該当し、損金の額に算入されますが、その他のものは定期同額給与に該当せず、損金の額に算入されません。
引用:国税庁(No.5202 役員等に対する経済的利益)
「継続的に供与される経済的な利益のうち、その供与される利益の額が毎月おおむね一定であるもの」とは、その役員が受ける経済的な利益の額が毎月おおむね一定であるものをいうのであるから、例えば、次に掲げるものはこれに該当することに留意する。(中略)
毎月負担する住宅の光熱費、家事使用人給料等(その額が毎月著しく変動するものを除く。)
引用:国税庁(第2款 経済的な利益の供与)
なお、生活費を法人で経費で落とすと、税務調査で経費計上を否認されて、追徴課税を受けるおそれもあるため注意しましょう。
関連記事:役員報酬をゼロにした場合の生活費はどのように確保する?社会保険の加入義務についても解説
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法人で経費で落ちるもの一覧

本項目では、法人で経費で落ちるものについて、一覧形式で解説します。
法人で経費で落ちるものは、主に以下のとおりです。
- 交際費
- 保険料
- 役員報酬
- 福利厚生費
- 租税公課
- 地代家賃
- 諸会費
- 修繕費
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
交際費
取引先に対する接待や贈答にかかった費用は、交際費として法人で経費で落とすのが認められます。
ただし、交際費を法人で経費で落とす際は、計上できる金額に上限がある点に注意しましょう。
資本金が1億円以下の法人の場合は、年間800万円までの交際費、または接待飲食費の50%までを経費で落とすのが認められています。
接待飲食費は、「交際費等のうち飲食その他これに類する行為のために要する費用(社内飲食費を除く。)であって、帳簿書類により飲食費であることが明らかにされているもの」
引用:国税庁(接待飲食費に関するFAQ)
交際費として経費で落とせるか判断に迷う支出がある場合は、税理士への相談も検討してみましょう。
参考:国税庁(No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算)
参考:J-Net21(交際費等の損金算入の特例)
参考:中小企業庁(交際費課税の特例)
関連記事:一人社長(一人会社)の税理士の必要性|費用相場と選び方も解説
関連記事:合同会社に税理士は必要?費用相場や不要なケースも解説
保険料
法人名義で加入する以下のような保険の保険料も、経費で落とすのが認められる支出のひとつです。
- 火災保険
- 賠償責任保険
- サイバー保険
なお、法人名義で加入する定期保険や養老保険、第三分野保険については、経費計上できる金額に制限が設けられている点に注意しましょう。
法人が契約者となり、役員または使用人(これらの者の親族を含みます。)を被保険者とする保険期間が3年以上の定期保険または第三分野保険で最高解約返戻率が50パーセントを超えるものに加入して支払った保険料は、原則として、支払保険料のうち最高解約返戻率の区分に応じて計算される一定額を一定期間資産に計上し、その資産計上額は所定の期間経過後に取り崩して損金の額に算入することとなります。
引用:国税庁(No.5364-2 定期保険及び第三分野保険の保険料〔保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれる場合〕の取扱い〔令和元年7月8日以後契約分〕)
の取扱い(令和元年7月8日以後契約分)-画像.png)
引用:国税庁(No.5364-2 定期保険及び第三分野保険の保険料〔保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれる場合〕の取扱い〔令和元年7月8日以後契約分〕)
参考:国税庁(No.5363 養老保険の保険料の取扱い〔令和元年7月8日以後契約分〕)
参考:国税庁(No.5364 定期保険及び第三分野保険の保険料〔保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれない場合〕の取扱い〔令和元年7月8日以後契約分〕)
参考:国税庁(No.5365 定期付養老保険等の保険料の取扱い〔令和元年7月8日以後契約分〕)
役員報酬
法人で経費で落とすのが認められる支出として、役員報酬も挙げられます。
ただし、定期同額給与や事前確定届出給与、業績連動給与に該当しない役員報酬は、経費で落とせません。

引用:J-Net21(役員に対する給与と賞与はどう処理すればいいの?)
また、役員報酬が不相当に高額とみなされる場合は、経費で落とすのが認められなくなるおそれもあるため、支給額を決める際は注意しましょう。
参考:国税庁(No.5211 役員に対する給与〔平成29年4月1日以後支給決議分〕)
参考:J-Net21(役員報酬はどのように決めればよいのでしょうか?)
関連記事:役員報酬はいくらが得?節税対策と効果を最も高める方法を解説
関連記事:役員報酬が高すぎる中小企業が抱えるリスク|相場や適切な決め方も解説
関連記事:合同会社の一人社長が給料(役員報酬)を設定する際のルールと決め方
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福利厚生費
福利厚生費も法人で経費で落とすのが認められる支出のひとつです。
また、慶弔見舞金も福利厚生費として扱われるため、経費計上の対象です。
なお、従業員との飲み会代についても、一定の要件を満たせば、福利厚生費として経費で落とすのが認められます。
社員との飲み会代は交際費だから、あまり経費で得しない。
そう思って諦めていませんか?
実は、条件を満たせば飲み会代を全額「福利厚生費(=全額損金)」にできます。分かれ目は「全員に平等か」の一点です。
ポイントは、特定の人へのご褒美ではなく『会社全体の慰安』であること。… pic.twitter.com/ihMPomsHDy— 植村拓真|ネットビジネス・IT業の税理士 (@Takuma_Uemura_) July 20, 2026
福利厚生費を法人で経費で落とすためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 全従業員が公平に利用できる
- 現物支給である(慶弔見舞金を除く)
- 金額が社会通念上の妥当な範囲内である
福利厚生費として経費で落とせるか判断に迷う支出がある場合は、税理士への相談も検討してみましょう。
参考:国税庁(No.5261 交際費等と福利厚生費との区分)
参考:J-Net21(慶弔見舞金支給規程)
関連記事:中小企業や小さい会社で税理士が必要な理由と費用相場
関連記事:合同会社に税理士はいらない?必要な理由から費用相場まで解説
租税公課
以下のような税金は租税公課として、法人で経費で落とすのが認められています。
- 消費税および地方消費税
- 特別法人事業税
- 法人事業税
- 不動産取得税
- 固定資産税
- 都市計画税
- 登録免許税
- 自動車税
- 印紙税
なお、法人税や地方法人税、法人住民税は経費で落とせない点に注意しましょう。
参考:国税庁(No.5300 租税公課等の損金算入の可否と租税の損金算入時期)
参考:国税庁(No.6901 納付税額又は還付税額の経理処理)
関連記事:合同会社が納付する税金一覧|申告と納付のタイミングも解説
地代家賃
事務所や店舗の家賃も、地代家賃として法人で経費で落とすのが認められます。
ただし、役員や従業員に社宅を用意する場合は、一定額の家賃を徴収していないと、給与として課税される点に注意しましょう。
(1)役員に無償で貸与する場合
賃貸料相当額が、給与として課税されます。
(2)役員から賃貸料相当額より低い家賃を受け取っている場合
賃貸料相当額と受け取っている家賃との差額が給与として課税されます。
引用:国税庁(No.2600 役員に社宅などを貸したとき)
(1)使用人に無償で貸与する場合
賃貸料相当額が給与として課税されます。
(中略)
(2)使用人から賃貸料相当額より低い家賃を受け取っている場合
受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額が、給与として課税されます。
ただし、使用人から受け取っている家賃が、賃貸料相当額の50パーセント以上であれば、受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額は、給与として課税されません。
引用:国税庁(No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき)
なお、以下の動画では、一人社長の方が自宅を社宅にして、家賃を経費で落とす方法について解説しています。
関連記事:1人社長の自宅の家賃を経費にする方法と注意点を税理士が解説
関連記事:自宅経費を活用した法人の節税対策|持ち家・賃貸のケースや個人事業主の場合も解説
関連記事:家賃はどこまで経費にできる?個人事業主・法人にわけて解説
諸会費
諸会費も法人で経費で落とすのが認められる支出のひとつです。たとえば、同業者団体や商工会議所、法人会などへ支払う会費が、諸会費に該当します。
一方、ロータリークラブやライオンズクラブへ支払う会費は、諸会費ではなく交際費として扱われる点に注意しましょう。
諸会費として経費で落とせるか判断に迷う支出がある場合は、税理士への相談も検討してみましょう。
参考:国税庁(No.5382 同業者団体等の加入金と会費の取扱い)
参考:国税庁(第3款 会費及び入会金等の費用)
参考:国税庁(No.5381 ゴルフクラブの入会金と会費の取扱い)
修繕費
事業用資産の修繕費も、法人で経費で落とすのが認められる支出のひとつです。
原則、事業用資産の維持管理や原状回復のために必要な支出は、修繕費として経費で落とすのが認められます。
1 建物の避難階段の取付けなど、物理的に付け加えた部分の金額
2 用途変更のための模様替えなど、改造や改装に直接要した金額
3 機械の部分品を特に品質や性能の高いものに取り替えた場合で、その取替えの金額のうち通常の取替えの金額を超える部分の金額
引用:国税庁(No.5402 修繕費とならないものの判定)
資本的支出は法定耐用年数に応じた減価償却が必要です。なお、資本的支出に該当するケースでも、以下のような場合は修繕費として経費で落とすのが認められます。
一つの修理や改良などの金額が20万円未満の場合またはおおむね3年以内の期間を周期として行われることが既往の実績その他の事情からみて明らかな修理、改良などである場合は、その支出した金額を修繕費とすることができます。
引用:国税庁(No.5402 修繕費とならないものの判定)
参考:国税庁(第8節 資本的支出と修繕費)
参考:国税庁(No.5405 資本的支出後の減価償却資産の償却方法等)
参考:J-Net21(資本的支出と修繕費)
その他
| 法人で経費で落とすのが認められる支出 | 具体例 |
| 通信費 | インターネット代や電話代、切手代など |
| 水道光熱費 | 事務所の電気料金やガス料金、水道料金 |
| 旅費交通費 | タクシー代や出張時の宿泊代、社用車のガソリン代など |
| 給料手当 | 従業員やパート、アルバイトへ支払う給与 |
| 法定福利費 | 会社が負担する分の健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料など |
| 消耗品費 | 文房具や清掃用品などの購入費 |
| 広告宣伝費 | Web広告の出稿料や社名入りノベルティの制作費など |
| 賃借料 | パソコンやコピー機などのレンタル料 |
| 外注費 | 動画編集やSNS運用代行などの業務委託料 |
繰り返しになりますが、法人で経費で落とすのが認められるのは、事業活動に関連する支出のみです。
経費で落とせるか判断に迷う支出がある場合は、税理士への相談も検討してみましょう。
関連記事:一人社長が経費で落とせるもの一覧|制限があるもの・落とせないものも解説
関連記事:合同会社が経費で落とせるもの一覧|いくらまで経費計上できる?
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経費で落とすとは?法人と個人における違い

経費で落とすとは、事業活動に関連する支出を費用として計上して、収益から差し引く処理を指します。
下表のとおり、費用を差し引いたあとの所得金額に税金がかかるため、経費で落とす金額が増えるほど法人税の負担は軽くなる仕組みです。

なお、法人と個人では経費で落とせる範囲が異なります。
たとえば、役員報酬や会社名義の生命保険料など、個人では経費で落とせない支出も、法人では経費で落とすのが認められます!
ただし、経費で落とせる範囲が事業活動に関連する支出に限られる点は、法人も個人も共通です。
繰り返しになりますが、生活費を経費で落とすのは、法人でも認められません。
事業活動との関連性を合理的に説明できない支出は、税務調査で経費計上を否認されて、追徴課税されるおそれがあるため注意しましょう。
関連記事:会社と個人事業主の違いは?見分け方や法人化の基準もわかりやすく解説
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法人で経費で落とす際に条件があるもの

本項目では、法人で経費で落とす際に条件があるものについて解説します。
法人で経費で落とす際に条件があるものは、主に以下のとおりです。
- 家族へ支払う給与や役員報酬
- 40万円以上の減価償却資産
それでは、順番に見ていきましょう。
家族へ支払う給与や役員報酬
家族へ支払う給与や役員報酬は、勤務実態に見合う金額であれば、法人で経費で落とすのが認められます。
繰り返しになりますが、定期同額給与や事前確定届出給与、業績連動給与に該当しない役員報酬は、経費で落とせません。

引用:J-Net21(役員に対する給与と賞与はどう処理すればいいの?)
また、役員報酬が不相当に高額だと判断された場合は、経費で落とせない部分が生じるため注意しましょう。
参考:国税庁(No.5211 役員に対する給与〔平成29年4月1日以後支給決議分〕)
参考:J-Net21(役員報酬はどのように決めればよいのでしょうか?)
関連記事:役員報酬を決める際に税理士へ相談するメリット|適切な金額の決め方や相場も解説
関連記事:役員報酬の手取りを増やす方法|シミュレーションや一覧表も掲載
関連記事:役員報酬で税金がかからないのはいくらまで?税金の種類もあわせて解説
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40万円以上の減価償却資産
取得価額が40万円以上の減価償却資産は、法定耐用年数に応じた減価償却が必要となるため、購入した事業年度に費用の全額を経費で落とせません。
一方、取得価額が40万円未満の減価償却資産は、少額減価償却資産の特例によって、購入した事業年度に費用の全額を経費で落とせます。
- 中小企業者または農業協同組合等である
- 青色申告の承認を受けている
- 従業員数が400名以下である(出資金等が1億円を超える組合等の場合は300名以下)
- 取得価額の合計で年300万円までが限度
- 法人税申告書に別表16(7)と適用額明細書を添付する
なお、少額減価償却資産の特例の対象となる減価償却資産の取得価額は、令和8年度税制改正によって、30万円未満から40万円未満へ引き上げられました。
中小企業の強い味方「少額減価償却資産の特例」がアップデートされました。
これまで30万円未満だった一括損金計上できる枠が、40万円未満に引き上げられます。最近は物価高やAI対応スペックの要求で、
「ちょっと性能の良いPCを買おうとすると30万円を超えてしまい、一括で経費に落とせない…」…— 植村拓真|ネットビジネス・IT業の税理士 (@Takuma_Uemura_) June 8, 2026
参考:財務省(令和8年度税制改正の大綱〔3/9〕)
参考:中小企業庁(少額減価償却資産の特例)
参考:国税庁(No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)
参考:国税庁(No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示)
参考:国税庁(No.5432 措置法上の中小法人及び中小企業者)
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法人で経費で落とすメリットとデメリット

本項目では、法人で経費で落とすメリットとデメリットについて解説します。
それでは、順番に見ていきましょう。
経費で落とすと得られるメリット
法人で経費で落とすと得られるメリットは、法人税の負担を軽減できる点です。経費を漏れなく計上すれば、課税対象となる所得金額を抑えられるためです。

繰り返しになりますが、生活費を経費で落とすのは、法人でも認められません。
経費で落とすと生じるデメリット
法人で経費で落とすデメリットとして、手元の資金が減る点が挙げられます。
経費で落とすには支払いが生じるため、軽減できる税額よりも支出のほうが大きくなるおそれがあります。
特に、節税だけを目的として無駄な経費を使うと、資金繰りが悪化するリスクもあるため注意しましょう!
また、経費計上による利益圧縮は、融資審査の場面で不利に働くおそれもあります。
節税対策を実施する目的は納税額を少なくすることにありますが、同時にキャッシュの減少も考慮しなければなりません。とにかく納税額だけに目を向けて節税対策に躍起になると、手元のキャッシュがなくなり本末転倒です。また、利益圧縮は資金調達の審査に通らない原因にもなるので注意しましょう。
— 植村拓真|ネットビジネス・IT業の税理士 (@Takuma_Uemura_) July 13, 2025
手元に残る資金の増加につながる節税対策を実施したい場合は、税理士への相談も検討してみましょう。
関連記事:【法人版】節税対策の裏ワザ|手元により多くの資金を残す方法
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法人で経費で落とす際に注意すべきポイント

本項目では、法人で経費で落とす際に注意すべきポイントについて解説します。
法人で経費で落とす際に注意すべき主なポイントは、以下のとおりです。
- 領収書は7年間または10年間保存が必要
- 事業との関連性を合理的に説明できる状態にしておく
- 経費精算に関する社内ルールを明確化する
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
領収書は7年間または10年間保存が必要
原則、法人で経費で落とす際は、法人税申告書の提出期限の翌日から7年間、領収書を保存しておく必要があります。
なお、以下のような事業年度においては、法人税申告書の提出期限の翌日から10年間、領収書を保存しておかなければなりません。
青色申告書を提出した事業年度で欠損金額(青色繰越欠損金)が生じた事業年度または青色申告書を提出しなかった事業年度で災害損失金額が生じた事業年度
引用:国税庁(No.5930 帳簿書類等の保存期間)
紙の領収書はスマホやスキャナで読み取って、電子データとして保存する方法も認められているため、導入を検討してみましょう。
参考:国税庁(スキャナ保存関係)
参考:国税庁(はじめませんか、書類のスキャナ保存〔令和5年7月〕)
事業との関連性を合理的に説明できる状態にしておく
法人で経費で落とす際は、事業との関連性を合理的に説明できる状態にしておくのが大切です。
事業との関連性を合理的に説明できない場合は、経費計上が否認されて加算税や延滞税を課されるおそれもあります。
経費で落とせるか判断に迷う支出がある場合や、税務調査への備えに不安がある場合は、税理士への相談も検討してみましょう。
参考:国税庁(No.9205 延滞税について)
参考:財務省(加算税制度の概要①〔基本情報〕)
経費精算に関する社内ルールを明確化する
経費精算に関する社内ルールは、明確に定めておきましょう。
経費精算に関する社内ルールが曖昧だと、役員や従業員によって判断にばらつきが生じやすくなるため、生活費とみなされる支出を経費で落とすおそれがあります。
上記のようなリスクを回避するために、経費で落とせる支出の範囲や経費精算の申請期限、領収書の提出方法などを定めておくようにしましょう。
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法人で経費で落とすのが認められる支出に関するよくある質問

最後に、法人で経費で落とすのが認められる支出に関するよくある質問をご紹介します。内容は随時追記します。
法人だとなんでも経費で落とすのが認められると勘違いしやすいですが、ぶっちゃけどこまでOKなんでしょうか?
法人だとなんでも経費で落とすのが認められると、勘違いされる方もいらっしゃいますが、経費で落とせるのは事業活動に関連する支出のみです。
経費で落とせるか判断に迷う支出がある場合は、税理士への相談も検討してみましょう。
関連記事:法人はなんでも経費で落とせる?よくある勘違いと判断基準を解説
法人で経費で落とすとどれくらい得するもんなんでしょうか?
東京23区内に事務所を置く資本金1億円以下の普通法人で、収益が3,000万円のケースを想定して、経費で落とすとどれくらい得かについてシミュレーションしました。
| 項目 | 経費率0% | 経費率10% | 経費率20% | 経費率30% | 経費率40% | 経費率50% |
| ① 収益 | 3,000万円 | 3,000万円 | 3,000万円 | 3,000万円 | 3,000万円 | 3,000万円 |
| ② 経費( ① ✕ 経費率 ) | 0円 | 300万円 | 600万円 | 900万円 | 1,200万円 | 1,500万円 |
| ③ 所得金額( ① ー ② ) | 3,000万円 | 2,700万円 | 2,400万円 | 2,100万円 | 1,800万円 | 1,500万円 |
| ④ 実効税率 | 約34.72% | 約34.72% | 約33.58% | 約33.58% | 約33.58% | 約33.58% |
| ⑤ 法人税等の税額( ③ ✕ ④ ) | 約1,042万円 | 約937万円 | 約806万円 | 約705万円 | 約604万円 | 約504万円 |
| ⑥ 節税額(経費率0%の税額との差) | 0円 | 約105万円 | 約236万円 | 約337万円 | 約438万円 | 約538万円 |
| ⑦ 支出合計( ② + ⑤ ) | 約1,042万円 | 約1,237万円 | 約1,406万円 | 約1,605万円 | 約1,804万円 | 約2,004万円 |
上表のとおり、経費で落とす金額が増えるほど、節税額は大きくなる傾向がありますが、支出も増える点に注意しましょう。
手元に残る資金の増加につながる節税対策を実施したい場合は、税理士への相談も検討してみましょう。
参考:国税庁(No.5759 法人税の税率)
参考:国税庁(防衛特別法人税が創設されました)
参考:総務省(地方税制度|地方法人税〔国税〕)
参考:東京都主税局(法人事業税・法人都民税)
参考:東京都主税局(特別法人事業税)
参考:公益財団法人 財務会計基準機構(補足文書「2025年3月期決算における令和7年度税制改正において創設される予定の防衛特別法人税の税効果会計の取扱いについて」)
関連記事:法人で利益が出過ぎた場合の使い道や節税対策について解説
経費で落とせるもの一覧の個人版も知りたいです!
- スマホ代やインターネット代などの通信費
- タクシー代やホテル代などの旅費交通費
- 個人事業税や印紙税などの租税公課
- 火災保険や自動車保険などの保険料
- 宅急便代や郵便代などの荷造運賃
- パソコンやプリンターの購入費
- 税理士や弁護士に支払う報酬
- 事務所の家賃や水道光熱費
- 店舗や自動車などの修理代
- 取引先との会食代
- 広告の出稿料
- 事務用品代
- 外注費
収入を得るために直接必要だと客観的に判断できる支出のみを経費で落とせます。
なお、自宅兼事務所の家賃や水道光熱費などを経費で落とす場合は、家事按分を行う必要があるため、費用の全額を経費計上できない点に注意しましょう。
参考:国税庁(No.2210 必要経費の知識)
参考:国税庁(所得税法第37条に規定する直接性に関する一考察)
参考:確定申告書等作成コーナー(令和7年分よくある質問|青色申告決算書・収支内訳書|必要経費)
「ユーチューバーはなんでも経費で落とすからずるい」といわれたりしますが、実際はどこまで認められるんでしょうか?
「ユーチューバーはなんでも経費で落とすからずるい」といわれるケースもありますが、経費で落とすのが認められるのは、事業活動に関連する支出だけです。
特に、ユーチューバーの収入を得るために直接必要だと合理的に説明できない支出は、税務調査で経費計上を否認されるおそれがあります。
関連記事:YouTuber・VTuber専門の税理士サービス【全国対応】
関連記事:YouTuberが経費で落とすのはどこまでOK?収益化前の費用についても解説
関連記事:YouTuberの経費とは何か?計上できる費用から仕訳で使う勘定科目まで解説
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高額な支出でも経費で落とせるものなんでしょうか?
事業活動に関連する支出であれば、高額な場合でも経費で落とせるものとして扱われます。
ただし、取得価額が40万円以上の減価償却資産を購入した場合は、少額減価償却資産の特例の対象から外れるため、法定耐用年数に応じた減価償却が必要です。
- 中小企業者または農業協同組合等である
- 青色申告の承認を受けている
- 従業員数が400名以下である(出資金等が1億円を超える組合等の場合は300名以下)
- 取得価額の合計で年300万円までが限度
- 法人税申告書に別表16(7)と適用額明細書を添付する
経費で落とせるか判断に迷う支出がある場合や、減価償却のやり方がよくわからない場合は、税理士への相談も検討してみましょう。
参考:中小企業庁(少額減価償却資産の特例)
参考:国税庁(No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)
参考:国税庁(No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示)
参考:国税庁(No.5432 措置法上の中小法人及び中小企業者)
経費で落とすのって、言い換えれば法人税の節税ですか?
経費で落とすのは、言い換えれば法人税の節税対策です。下表のとおり、法人税は収益から経費を差し引いた所得金額に課される税金です。

ただし、経費で落とす金額が増えると、手元のキャッシュが減るため、資金繰りが悪化するおそれもあります。
クレジットカード払いの支出を確定申告で経費で落とすには領収書が必要ですか?
クレジットカード払いの支出を確定申告で経費で落とすには、必ずしも領収書が必要なわけではありません。
以下のような情報が記載されている証憑書類を保存していれば、経費で落とすのが認められます。
- 支払日
- 支払金額
- 取引内容
- 支払先の住所や名称
「レシートじゃダメですよね?領収書が必要ですよね?」とよくご相談をいただきますが、取引の内容がわかるのであればレシートで十分です。
むしろ。金額しかわからない手書きの領収書は「本当は何を買ったか隠しているのでは?」と疑う余地が生まれてしまいます。… https://t.co/ftIo0GnqXz
— 植村拓真|ネットビジネス・IT業の税理士 (@Takuma_Uemura_) March 12, 2026
クレジットカード払いの支出を経費で落とす際に、領収書が必要かどうかについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
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まとめ

今回は、生活費を経費で落とすのは法人だと認められるのかについて、経費で落ちるもの一覧とあわせて解説しました。
生活費を経費で落とすのは、法人でも認められません。法人で経費で落とすのが認められるのは、事業活動に関連する支出に限られます。
生活費を法人で経費で落とすと、税務調査で経費計上を否認されて、追徴課税を受けるおそれもあるため注意しましょう。
法人で経費で落ちるものは、主に以下のとおりです。
- 交際費
- 保険料
- 役員報酬
- 福利厚生費
- 租税公課
- 地代家賃
- 諸会費
- 修繕費
- 通信費
- 水道光熱費
- 旅費交通費
- 給料手当
- 法定福利費
- 消耗品費
- 広告宣伝費
- 賃借料
- 外注費

