こんにちは、VTuberに強い税理士の植村拓真です。
VTuberとしての活動が軌道に乗るにつれて、以下のような不安を感じている方が多くいらっしゃいます。



適切な経理・税務会計を行うためには、専門知識を学んだり実践したりする時間が必要です。
そのため、動画編集やライブ配信、SNSでの情報発信などに集中したいとお考えのVTuberの方から、よくご依頼をいただきます。
しかし、税理士は数が多いため、誰に、どの事務所に依頼すればいいのかわからないと悩んでいらっしゃる方も少なくありません。
そこで今回は、VTuberに強い税理士が失敗しない選び方から費用相場まで徹底解説します。
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VTuberに強い税理士の失敗しない選び方
VTuberとして本格的に活動を続けていると、収益が増えるにつれて税金や経理に対する不安が強くなります。
特にスパチャや広告収入、企業案件など、VTuber特有の収入の扱いについては判断に迷う場面が多く、申告ミスや無申告のまま放置してしまうケースも見受けられます。
申告ミスや無申告の放置は税務調査のリスクが高まるため、安心して活動を続けられません。そこで、適切な経理や税務会計を行いつつ、VTuberの活動に集中するためにサポートできるのが税理士です。
ただし、すべての税理士がVTuberのビジネスモデルに詳しいとは限らず、相性を見誤るとかえってトラブルにつながるおそれもあります。
本項目では、VTuberの方が税理士を選ぶ際に重視すべきポイントを解説します。
- VTuberの顧問経験が豊富か確認する
- 担当者に相談しやすいか確認する
- 依頼したいサービスと費用のバランスを相見積もりする
VTuberの顧問経験が豊富か確認する
VTuberとして税理士に依頼する際には、過去に配信者の顧問を担当した経験があるかどうかを最初に確認すべきです。
VTuberの収入源には、YouTubeの広告収入、投げ銭(スーパーチャット)、グッズ販売、ボイス販売、企業案件などのさまざまな形式があります。
税理士が収益の種類や課税の区分を正しく判断するには、仕組みの熟知が大前提になります。
特に注意が必要なのは、収入の性質を誤って処理されてしまうと、追徴課税の対象になったり、今後の融資審査に悪影響が出たりするおそれがある点です。
過去にVTuberやYouTuberのクライアントを担当している税理士であれば、判断力が高くて安心です。
初回相談時には、以下のような質問を直接してみましょう。
- VTuberの顧問経験は豊富ですか?
- スパチャやグッズ販売の取り扱いについて注意点はありますか?
- 収入を事業所得として扱えるかどうかの判断はどうしていますか?
上記のような質問に対して、担当者から丁寧に具体的な回答がもらえるようであれば、問い合わせ先の税理士はVTuberに強いと判断しやすいです。
担当者に相談しやすいか確認する
税理士を選ぶうえで相談しやすさは重要な要素です。たとえVTuberに強い税理士でも、質問しづらい雰囲気であれば日々のやり取りにストレスを感じて気軽に相談できません。
VTuberの収入構造は複雑なうえに、事業か雑所得かどこまで経費として計上できるかなど、専門知識や申告の経験がなければ判断に迷う点が多いです。
悩みを気兼ねなく相談できる環境が整っていなければ、間違った処理や申告ミスを招く原因になりかねません。
初回面談では、以下のポイントに注目すると相談しやすいかどうかを見極めやすいです。
- 専門用語をわかりやすく説明してくれるか
- 質問に対して丁寧に答えてくれるか
- Slackやchatworkでの連絡に対応しているか
- 表情や声のトーンが柔らかくて話しやすい印象か
- 税理士報酬の総額と内訳について説明してくれるか
税理士とは長期間にわたって関わっていくため、安心してコミュニケーションを取れると感じるかどうかが重要です。
不安や疑問を抱えたまま顧問契約を結んでしまうと、後から税理士を有効活用できずに後悔するおそれがあるため、面談時のフィーリングは大切にしましょう。
関連記事:ダメな税理士とは?良い税理士・悪い税理士の見極め方と対処法
依頼したいサービスと費用のバランスを相見積もりする
税理士への依頼で多くの方が気になるのが、依頼したいサービスと費用のバランスです。
VTuberとしての税務対応は、確定申告だけでなく、月次の経理や売上管理、法人化の相談などと支援内容に幅があります。
そのため、単に税理士報酬の安さで依頼してしまうと、必要なサポートを十分に受けられずに後悔するおそれがあります。
税理士と顧問契約を結ぶ前には、複数の事務所に問い合わせをして、以下のような観点で相見積もりを取りましょう。
- 依頼する際の合計金額
- 金額に含まれているサービスの範囲(例:チャット相談・経理代行)
- インボイス制度や源泉徴収などへの対応力
税理士費用に依頼する際は金額だけで判断するのではなく、依頼したいサービスに対応しており金額に含まれているのかも確認しましょう。
関連記事:ダメな税理士とは?良い税理士・悪い税理士の見極め方と対処法
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VTuberに強い税理士ならより適切な経費処理を行える
VTuberとして売上が大きく伸びている中で、判断に迷う項目のひとつが経費の扱いです。
3Dモデル作成の外注費や配信機材、動画編集ソフトのサブスク費用など、実際の支出が多く発生する一方で、どこまでが経費として認められるのか分からないと感じる方は多いのではないでしょうか。
VTuberに強い税理士であれば、活動の内容や収益構造を踏まえたうえで、適切に経費処理のアドバイスを行ってくれます。
まず、税務署に説明できる業務との関連性があるかどうかを前提として、次のような支出について判断をしてくれます。
- キャラクターのLive2Dや3Dモデル制作費
- 配信用マイク、カメラ、照明などの設備費
- 動画編集や配信ソフトのサブスク費用
- グッズ制作にかかる外注費や印刷費
- 案件収録のスタジオ利用料や遠方への交通費
上記の支出は、個人利用との線引きが難しいケースも多く、たとえばプライベートでも使うパソコンやヘッドホンなどの支出が混在しているケースは注意が必要です。
VTuberに強い税理士と顧問契約を結んでおけば、事前にヒアリングを行ったうえで、どのように使っているか、どの割合を業務に割いているかといった情報をもとに根拠のある処理をしてくれます。
また、税務調査に備えてレシートや納品書をどのように保管するか、領収書が出ない支払いについてメモをどう残すべきかといった実務的な指導も受けられます。
レシートも領収書もない場合は、出金伝票でメモを残して、経費を証明するものを保管しておいてください。出金伝票は、企業から現金が出ていく取引を記録する書類のことです。主にタクシーや電車、割り勘した交際費など、領収書が発行されない取引を行ったときに使用します。 pic.twitter.com/aPsngndvUB
— 植村拓真|ネットビジネス・IT業の税理士 (@Takuma_Uemura_) December 1, 2021
加えて、無理な経費計上によって融資審査でマイナス評価を受けるリスクも踏まえて、バランス感のある処理を提案してくれる点も依頼する大きなメリットです。
顧問税理士はVTuberの活動に集中したい方にとって、単なる書類作成の代行者ではなく、財務のパートナーとなり得る存在です。
関連記事:法人はなんでも経費で落とせる?よくある勘違いと判断基準を解説
関連記事:VTuberが必要経費にできるもの一覧|節税のコツや副業バレ対策も解説
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VTuberに強い税理士に依頼できる業務内容
税理士に依頼できる業務は、単なる確定申告や経費処理だけにとどまりません。
VTuberのように収益構造が複雑な事業者の場合、年間を通じて継続して支援を受ければ、適切な節税対策、経理の効率化、資金繰りの安定などといった多くの効果が期待できます。
本項目では、VTuberに強い税理士がどのような内容をサポートしてくれるのかを解説します。
- 確定申告や税務顧問
- 月次決算
- 経理
- 会社設立の支援
- 相続や事業継承
- 税務調査や事業計画書の作成など
確定申告や税務顧問
VTuberとして収益を得るようになると、まず直面する問題が確定申告の難しさです。
YouTubeからの広告収入やスパチャ、グッズ販売、企業案件など、さまざまな収入源があるVTuberの方にとって、収入区分の判断や経費処理は複雑です。
なんとなく感覚で処理してしまうと、所得区分の誤認や計上漏れが生じて、追徴課税や加算税などのリスクが高まります。
そこでVTuberに強い税理士に確定申告を依頼すれば、正確な処理はもちろん今後の節税対策にもつながります。
また、税務顧問として年間を通じてサポートを受ければ、月ごとの売上や支出の動きを把握しつつ、納税予測を立てやすくなる点もメリットです。
税理士と顧問契約を結べば、以下のような支援を受けられます。
- 毎月または四半期ごとの会計チェック
- 適切な節税対策に関するアドバイス
- 税務署からの問い合わせ対応
- 将来の法人化を見据えた税務戦略の立案
- 副業や本業の切り替え時の所得区分の判断
税務顧問を通じてトラブルを未然に防ぎ、今後の成長をサポートしてもらえる体制を整えておくのは、安心して活動を継続するうえで重要です。
関連記事:【個人事業主・法人対応】確定申告を税理士に丸投げする費用相場やメリット・デメリットを解説
関連記事:顧問税理士とは?顧問契約の必要性・メリットや注意点を解説
月次決算
VTuberの活動が安定してくると、年間の収支だけでなく月単位での利益や支出の把握が重要になります。月次決算とは、1ヶ月ごとに売上や経費、利益を集計して損益状況を明確にする作業のことです。
年1回の確定申告だけでは、事業の数字にリアルタイムで向き合いづらく、納税資金や機材投資のタイミングを誤る原因にもなり得ます。
そこで税理士に月次決算を依頼しておけば、活動の財務状況を見える化して、より的確な意思決定ができるようになります。主な効果は以下のとおりです。
- 次年度の納税見込額の早期把握
- 税務署からの質問に備えた帳簿の整備
- 月ごとの収益推移や支出バランスの把握
- 設備投資や広告費など支出の時期を最適化
- 赤字月、黒字月の比較による改善点の発見
特に、企業案件やグッズ販売など、時期によって売上が大きく変動するVTuberの方にとっては、月ごとの損益確認が意思決定の軸になります。
顧問税理士が月次決算を担当すれば、記帳や管理の手間を減らしつつ収支の精度も高められる点も依頼する大きなメリットです。
経理
日々の取引を正確に記録して帳簿として整備する作業、いわゆる経理も欠かせません。配信や動画編集などを行いながら、売上や経費の集計やレシートの管理、帳簿作成までを一人でこなすのは大きな負担です。
VTuberの活動に集中したい方は、経理業務を引き受けている事務所に相談してみましょう。以下のような経理サポートを受ければ、業務の効率化とミスの予防が期待できます。
- 帳簿作成の代行
- 取引先ごとの売上や入金管理
- レシートや領収書の整理方法の指導
- 科目仕訳やインボイス制度への対応
- 帳簿不備による税務調査リスクの回避
たとえば、企業案件の請求漏れやスパチャの集計ミスなど、VTuber特有の収入管理は煩雑になりがちです。
そこで税理士に経理をサポートしてもらえれば、入力や処理のミスを回避できるため正確な会計資料が整います。
また、クラウド会計ソフトと連携した運用も指導してもらえるため、日々の入力を最低限に抑えつつ、リアルタイムで数字を確認できる仕組みも整います。
会社設立の支援
VTuberで年間売上が増加して安定すると、法人化すべきかを検討するタイミングがやってきます。
会社設立にはさまざまなメリットがあり、節税対策の幅が広がったり、社会的な信用を得やすくなったり、柔軟な経費処理が期待できたりします。
ただし、会社設立には定款作成や公証役場での認証、法務局への登記など、多くの事務作業が必要です。
VTuberの活動をしながら各種手続きをひとりで対応するのは大きな負担になるため、早めに税理士へ相談しておきましょう。
VTuberに強い税理士であれば、収益の性質はもちろん、今後の事業展開を踏まえて法人化に最適なタイミングや形態の選定などについてアドバイスしてくれます。
会社設立後顧問税理士が経理や税務会計、資金繰りの体制を整備するための支援を行うため、運営に集中しやすくなります。
関連記事:会社設立に税理士は必要?費用相場やメリットについて解説
相続や事業継承
VTuberとして長期にわたって事業を続けていく中で、資産の相続や事業承継について検討すべきケースも想定されます。
まだ現実味がない方が多いと思いますが、いずれ考えなければならないタイミングがやってくる内容です。
特に個人名義で活動している場合、突然の病気や事故などがあった際に、YouTubeの収益や機材、知的財産などを誰にどう引き継ぐのかが課題として浮上します。
そこで事前に税理士へ相談しておけば、遺言書の準備や名義変更の方法、贈与の活用などを検討できて、スムーズな引き継ぎの実現につながります。
また、法人YouTuberとして活動している場合、後継者の選定や株式の分配など、事業承継の手続きは避けられません。
大切な収益基盤を次世代に確実に受け渡すためにも、準備を整えておく姿勢が重要です。
事業に対する思いや価値を共有できる人にしっかり託すためにも、税理士と二人三脚で計画を進めておくと安心につながります。
関連記事:相続手続きに税理士は必要か?報酬の目安や探し方とあわせて解説
税務調査や事業計画書の作成など
VTuberの活動を続けていると、突如として税務署から税務調査の連絡が入る機会があります。
税務調査とは、申告内容に不備や疑問点があると税務署が判断した際に確認を行う手続きのことです。突然の税務調査であろうとも、冷静かつ迅速に対応しなければ不利になるおそれがあります。
しかし、多くのVTuberの方にとっては初めての経験であるため、対応に戸惑ってしまうケースは少なくありません。そこで顧問税理士がいれば、税務署とのやり取りや必要な書類の整理、説明の準備までサポートを受けられます。
また、今後のビジネス展開を見据えた事業計画書の作成も、税理士がサポートできる重要な業務です。
たとえば、YouTube広告収入の安定化を図る戦略、ファンクラブ、グッズ、イベントなどの新たな収益源の開拓を計画的に記述することで、融資や助成金の申請時にも有利に働きます。
税理士が関与すれば、現実的で説得力のある計画を作成できるようになり、金融機関からの信頼度も高まる点も税理士に依頼する大きなメリットです。
税務対応と将来設計の両面で、VTuberの活動を深く理解した税理士と顧問契約を結べば、より安心してクリエイター活動に集中できる環境が整います。
関連記事:創業融資・資金調達支援サービスについて
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VTuberに強い税理士の費用相場【個人・法人】
VTuberに強い税理士へ依頼を検討する際、多くの方が気にするのがどのくらい費用がかかるかという点です。特に税理士への依頼が初めての場合、料金体系が不透明に感じられて不安を抱く方も多いでしょう。
本項目では、個人と法人に分けてVTuberに強い税理士の費用相場について解説します。
- 個人VTuberの税理士費用の相場
- 法人VTuberの税理士費用の相場
個人VTuberの税理士費用の相場
個人VTuberとして活動している場合、税理士への依頼費用は申告内容や売上規模によって変動します。代表的な業務ごとの費用相場は以下のとおりです。
依頼内容 | 費用相場 | 備考 |
確定申告(スポット) | 5万〜10万円 | 売上規模や取引量により15万円以上の例もあり |
月次顧問契約 | 月額2万〜5万円 | 帳簿チェック、経費相談、税務署対応含む |
インボイス制度、副業対応 | 追加費用1万円〜 | 相談内容に応じて変動 |
費用の安さだけで選ぶと、YouTubeや投げ銭などVTuber特有の収入構造に理解のない税理士が担当するおそれがあります。
金額だけでなくVTuberの顧問実績が豊富か、相談しやすいか、税務調査や事業計画も視野にあるかといった内容も考慮したうえで比較検討しましょう。
関連記事:個人事業主に顧問税理士はいつから必要?費用相場やタイミングも解説
法人VTuberの税理士費用の相場
法人VTuberの税理士費用の場合、個人に比べて税理士の支援内容が広がるため相場がやや高くなります。代表的な業務ごとの費用相場は以下のとおりです。
依頼内容 | 費用相場 | 備考 |
決算申告(スポット) | 10万〜30万円 | 年1回の決算、申告業務 |
月次顧問契約 | 月額3万〜5万円 | 給与計算、法定調書、源泉税管理含む |
法人設立支援 | 5万〜10万円 | 定款作成・届出書類作成などを含む |
法人VTuberの場合、税理士の関与が金融機関との関係や節税対策の成否にも影響します。長期目線で信頼関係を築ける担当者かどうかを見極めたうえで、単価だけに惑わされず慎重に選ぶようにしましょう。
関連記事:【法人対象】税理士の探し方がわからない方向けに決める際の重要なポイントを解説
関連記事:YouTuberの税理士費用の相場や安く抑える方法を経費とあわせて解説
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まとめ
今回は、VTuberに強い税理士が選び方から費用相場まで徹底解説しました。
経理や税務会計に不安を感じながらVTuberの活動を続けている方にとって、信頼できる税理士の存在は安心材料となります。
特に、VTuberならではの収益構造や経費処理に理解のある税理士を選べば、節税効果や法人化の判断にも良い影響を与えられます。
- VTuberの収益は特殊なため、業界に理解のある税理士選びが重要
- 確定申告や経費処理、法人化の相談など、依頼できる内容は幅広い
- 税務調査や事業計画の作成など、将来の備えでも税理士が役割を果たす
- 費用相場は依頼内容や事業形態(個人や法人)によって大きく異なる
- 単価だけでなく経験や対応範囲、相談のしやすさも比較材料にする
- インボイスや住民税、副業収入との兼ね合いにも柔軟に対応できる税理士を選択
- 継続して付き合える信頼関係が、税務リスクを避けるうえで重要
依頼を検討している段階でも、無料相談や初回面談で担当者との相性を確認しておくのがおすすめです。