こんにちは、ネットワークビジネスに強い税理士の植村拓真です。
税理士法人植村会計事務所では、ネットワークビジネス事業者(ディストリビューター)の方から、経費に関する以下のようなご相談をよくいただきます。

定期購入の商品代って経費にできるんでしょうか?


仕訳で使っている勘定科目が合っているか不安です…
本記事を読んでいるネットワークビジネス事業者の方の中にも、同様の疑問や不安を抱いている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、ネットワークビジネスで経費になるか判断に迷いやすい費用について、仕訳で用いる勘定科目とあわせて解説します。
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ネットワークビジネスで経費になるか判断に迷いやすい費用と勘定科目

本項目では、ネットワークビジネスで経費になるか判断に迷いやすい費用について、仕訳で用いる勘定科目とあわせて解説します。
ネットワークビジネス事業者の方が、経費になるか判断に迷いやすい主な費用は、以下のとおりです。
- 初回登録料
- オートシップ代
- 自己消費分の商品代
- まとめ買いした商品の購入代金
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
初回登録料
ネットワークビジネスの初回登録料は、収入を得るために直接必要な費用だとみなされるため、経費計上できます。
初回登録料を支払うと商品を安く仕入れられたり、ネットワークビジネス活動による報酬を受け取れたりするようになるためです。
(1)総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2)その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
引用:国税庁(No.2210 必要経費の知識)
ネットワークビジネスの初回登録料は、支払手数料または諸会費を用いて仕訳するのが一般的です。
関連記事:ネットワークビジネスの節税対策|副業がばれない方法や無申告のリスクも解説
関連記事:ネットビジネスの経費計上について顧問実績が豊富な税理士が徹底解説
関連記事:SNSインフルエンサーが経費計上できるもの・できないものを解説
オートシップ代
オートシップによる商品の購入代金は、ネットワークビジネスの収入を得るために直接必要だと客観的に判断できる場合、経費計上が認められます。
| 経費にできるケース | 仕訳で用いる勘定科目 |
| 顧客に販売した | 仕入高 |
| デモンストレーションで使用した | 広告宣伝費または販売促進費 |
| 見込み客にサンプルとして配布した | 広告宣伝費または販売促進費 |
一方、オートシップで届く商品をご自身で消費する場合は、原則として、購入代金を経費にできません。
なお、自己消費分の商品代を経費にできるケースについては、のちほど解説します。
オートシップによる商品の購入代金を経費にできるか迷う場合は、ネットワークビジネスに強い税理士への相談も検討してみましょう。
参考:国税庁(No.2210 必要経費の知識)
参考:国税庁(所得税法第37条に規定する直接性に関する一考察)
関連記事:ネットワークビジネスに強い税理士の失敗しない選び方と費用相場を徹底解説
関連記事:税理士に依頼するタイミングはいつ?メリットや必要なケースもあわせて解説
自己消費分の商品代
自己消費分の商品代を経費にできるかどうかについては、以下のケースに分けて説明します。
- 家事按分が必要なケース
- 費用の全額を経費計上できるケース
家事按分が必要なケース
購入したネットワークビジネスの商品を、プライベートと事業の両方で使用する場合は、家事按分が必要です。
家事按分とは、ネットワークビジネスの収入を得るために直接必要な割合分だけ経費計上する会計処理です。
家事按分の割合は、消費量や使用時間などを基準にしながら合理的に算出します。
上記のようなケースでは、サンプルとして配布した分だけ経費計上できます。
参考:国税庁(No.2210 必要経費の知識)
参考:国税庁(所得税法第37条に規定する直接性に関する一考察)
費用の全額を経費計上できるケース
購入したネットワークビジネスの商品を、すべて消費する形でレビューを行う場合は、費用の全額を経費として認められる傾向があります。
上記のようなケースでは、広告宣伝費または販売促進費を用いて仕訳するのが一般的です。
なお、税務調査が入った場合に備えて、該当のレビュー記事やSNS投稿を、商品の領収書とあわせて保存しておきましょう。
参考:国税庁(No.2210 必要経費の知識)
参考:国税庁(所得税法第37条に規定する直接性に関する一考察)
参考:国税庁(記帳や帳簿等保存・青色申告)
参考:国税不服審判所(平成26年5月22日裁決|公表裁決事例等の紹介)
関連記事:アフィリエイトの商品レビュー代は経費にできる?どこまでOKかの基準について解説
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まとめ買いした商品の購入代金
販売用の商品をまとめ買いした場合、経費にできるのは年末までに売れた分だけです。
年末時点で売れ残っている商品は、棚卸資産として計上する必要があるため、今年分の経費にできません。
売れ残った商品は翌年以降に繰り越して、販売した年に経費計上できます。
なお、まとめ買いした販売用の商品を経費計上する際は、仕入高を用いて仕訳するのが一般的です。
参考:J-Net21(いまある在庫の金額は、どうやって計算すればよいでしょうか?)
参考:J-Net21(棚卸しの目的とその重要性について教えてください。)
参考:中小企業庁(「棚卸資産」は、どのように取り扱いますか?)
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ネットワークビジネスの経費に関するよくある質問

最後に、ネットワークビジネスの経費に関するよくある質問をご紹介します。内容は随時追記します。
ネットワークビジネスの収入を確定申告するとき、業種ってなんて書けばいいんですか?
ネットワークビジネスの収入を確定申告する際は、ご自身の事業実態が具体的に伝わる形で、確定申告書の職業欄に業種を記載するようにしましょう。
国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、業種の記載に関して以下のように案内しているためです。
会社にお勤めの方は「会社員」、年金を受け取っている方は「年金受給者」と入力します。
個人事業者の方は、事業の内容を具体的に入力します(青果小売業、自動車板金塗装業など)。
複数の事業を兼業している方は、全ての事業について入力します。
引用:確定申告書等作成コーナー(令和7年分よくある質問|職業の入力について)
- 無店舗小売業(健康食品)
- 無店舗小売業(化粧品)
- 無店舗小売業(日用品)
関連記事:ネットワークビジネスを行う個人事業主の税金と確定申告について税理士が解説
ネットワークビジネスの収入を初めて確定申告するんですが、収支内訳書の書き方について教えてください!
収支内訳書には基本情報や収入金額、売上原価、経費などを記入します。
| 項目 | 備考 |
| 基本情報 | 住所や氏名、電話番号、業種名など |
| 収入金額 | 年末までに収入すべき権利の確定した金額 |
| 売上原価 | 期首商品(製品)棚卸高や期末商品(製品)棚卸高など |
| 経費 | 年末までに債務が確定している金額 |
収支内訳書の書き方については、国税庁のホームページもご参照ください。
なお、国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、画面の案内に従って収支内訳書を作成できます。
収支内訳書の書き方や確定申告のやり方がよくわからない場合は、ネットワークビジネスに強い税理士への依頼も検討してみましょう!
参考:国税庁(No.2200 収入金額とその計算)
参考:国税庁(No.2210 必要経費の知識)
参考:確定申告書等作成コーナー(令和7年分よくある質問|青色申告決算書・収支内訳書|売上原価|売上原価|期首商品〔製品〕棚卸高とは)
参考:確定申告書等作成コーナー(令和7年分よくある質問|青色申告決算書・収支内訳書|売上原価|売上原価|期末商品〔製品〕棚卸高とは)
関連記事:確定申告が全くわからない方へ|やり方や相談先について税理士が解説
関連記事:【個人事業主・法人対応】確定申告を税理士に丸投げする費用相場やメリット・デメリットを解説
関連記事:確定申告を税理士に丸投げするとはどこまで?個人向けに解説
ネットワークビジネスの収入を確定申告しないと税務署にバレるんですか?
ネットワークビジネスの運営会社が提出する支払調書の情報から、収入を確定申告しないでいるのが税務署にバレるおそれがあります。
ネットワークビジネスの収入を確定申告しないでいるのがバレると、加算税や延滞税が課されるおそれもあるため注意しましょう。
- 副業の場合:所得金額が20万円を超えている
- 専業の場合:所得金額が104万円を超えている
所得金額とは、ネットワークビジネスの収入から経費を差し引いた金額です。
確定申告をしないまま放置している収入がある場合は、ネットワークビジネスに強い税理士への相談も検討してみましょう。
参考:国税庁(No.7400 法定調書の提出義務者)
参考:国税庁(No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等)
参考:国税庁(No.2024 確定申告を忘れたとき)
参考:国税庁(No.9205 延滞税について)
参考:国税庁(所得税のしくみ)
参考:国税庁(確定申告が必要な方)
参考:国税庁(令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし)
参考:財務省(加算税制度の概要①〔基本情報〕)
関連記事:無申告がバレる理由|確定申告していない人のペナルティと末路
関連記事:税務調査はインスタも対象!SNSインフルエンサーが監視される理由と対策を解説
関連記事:税務署がsnsチェックを強化している背景|インフルエンサーへ税務調査が行われた事例も解説
ネットワークビジネスの収入って、どの勘定科目を使って仕訳すればいいんですか?
ネットワークビジネスの収入は、売上高を用いて仕訳するのが一般的です。
振込額 + 各種手数料 + 源泉所得税 = 総収入金額
各種手数料や源泉所得税が差し引かれている振込額を売上として計上すると、総収入金額との差額分が申告漏れとなるため、追徴課税されるおそれがあります。
ネットワークビジネスの収入が外交員報酬に該当するみたいで、源泉徴収されているんですけど、確定申告は必要なんでしょうか?
ネットワークビジネスの収入が外交員報酬に該当していて、所得税が源泉徴収されている場合でも、原則として、確定申告は必要です。
所得税等の確定申告は、1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額とそれに対する所得税等の額を計算し、申告期限までに確定申告書を提出して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する手続です。
引用:国税庁(所得税等の確定申告とは)
上記のため、源泉徴収された所得税が納め過ぎとなっている場合は、確定申告によって還付を受けられるケースもあります。
給与等から源泉徴収された所得税額や予定納税をした所得税額が年間の所得金額について計算した所得税額よりも多いときは、確定申告をすることによって、納め過ぎの所得税の還付を受けることができます。
引用:国税庁(No.2030 還付申告)
関連記事:ネットビジネスの収入で確定申告が必要なケースから無申告がばれる理由まで解説
副業禁止の会社に勤めているので、バレないようにネットワークビジネスの収入を確定申告する方法ってありますか?
勤務先にバレないように確定申告を行いたい場合は、ネットワークビジネスの収入に課される個人住民税を、自分で納付するようにしましょう。
「会社に副業がバレないか心配」
そんな方は確定申告時に、住民税の支払いは「自分で納付(普通徴収)」を選択しましょう。「給与から差し引き(特別徴収)」を選ぶと、会社に通知がいくので副業がバレます。一方、普通徴収を選択すれば会社に通知がいかないので、副業がバレる心配はありません。— 植村拓真|ネットビジネス・IT業の税理士 (@Takuma_Uemura_) July 3, 2021
確定申告書の第二表に、個人住民税の徴収方法を選択する欄があります。

「自分で納付」を選択すれば、ネットワークビジネスの収入に課される個人住民税の税額通知書が、ご自宅に届くようになるため、勤務先に副業がバレるリスクを軽減できます。
なお、特別徴収を選択した場合は、下図のような流れで個人住民税が徴収されるため、勤務先に副業がバレてしまうケースも少なくありません。

引用:総務省(納税義務者用の特別徴収税額決定通知書の記載内容の秘匿)
関連記事:サラリーマンの副業に強い税理士に依頼するメリット・デメリットと選び方を徹底解説
関連記事:ネットワークビジネスを副業禁止の会社でもバレずに行う方法
関連記事:副業の確定申告は税理士に相談!費用や副業バレ回避の方法も解説
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ネットワークビジネスの収入って、雑所得と事業所得のどっちで確定申告すればいいんですか?
下表のとおり、記帳と帳簿書類の保存がある場合は、ネットワークビジネスの収入を事業所得として確定申告するのが原則です。

一方、記帳と帳簿書類の保存がない場合は、ネットワークビジネスの収入を雑所得として確定申告します!
ご自身の収入が雑所得と事業所得のどちらに該当するか迷う場合は、ネットワークビジネスに強い税理士への相談も検討してみましょう。
参考:国税庁(「所得税基本通達の制定について」の一部改正について〔法令解釈通達〕)
参考:国税庁(記帳や帳簿等保存・青色申告)
参考:国税庁(No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度)
参考:国税庁(No.1350 事業所得の課税のしくみ)
参考:国税庁(No.1500 雑所得)
関連記事:ネットビジネスの税金と確定申告まとめ|無申告がバレる理由も解説
ネットワークビジネスをやってる個人事業主なんですが、定期購入の商品代って経費にできるんでしょうか?
定期購入の商品を販売したり、サンプル配布したりする場合は、費用の全額を経費にできます。
一方、定期購入の商品をすべてプライベートで消費する場合は、経費にできません。
定期購入の商品代を経費計上できるか判断に迷う場合は、ネットワークビジネスに強い税理士への相談も検討してみましょう。
参考:国税庁(No.2210 必要経費の知識)
参考:国税庁(所得税法第37条に規定する直接性に関する一考察)
ネットワークビジネスを始めるので、開業届の書き方について教えてください!
ネットワークビジネス事業者の方が開業届を作成する際は、事業の概要欄に具体的な事業内容を記入するようにしましょう。
事業の概要欄への記入例は、以下のとおりです。
- 連鎖販売取引による健康食品や化粧品などの販売及び販売組織の育成
- 美容や健康、栄養に関するセミナー及び講習会の企画や運営、管理
- 栄養補助食品や日用品、家庭用電化製品などの販売代理店業
開業届の書き方については、国税庁のホームページもご参照ください。
また、ネットワークビジネスで開業届を提出する際の書き方については、下記の記事でさらに詳しく解説しています!
関連記事:ネットワークビジネスで開業届を提出する際の書き方やメリットを解説
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まとめ

今回は、ネットワークビジネスで経費になるか判断に迷いやすい費用について、仕訳で用いる勘定科目とあわせて解説しました。
ネットワークビジネスの初回登録料は、収入を得るために直接必要な費用だとみなされるため、支払手数料または諸会費として経費計上できます。
オートシップによる商品の購入代金を、経費計上できるケースについては、下表のとおりです。
| 経費計上できるケース | 仕訳で用いる勘定科目 |
| 顧客に販売した | 仕入高 |
| デモンストレーションで使用した | 広告宣伝費または販売促進費 |
| 見込み客にサンプルとして配布した | 広告宣伝費または販売促進費 |
オートシップで届く商品をご自身で消費する場合は、原則として、購入代金を経費にできません。
ただし、見込み客にサンプルとして配布した商品の余りを、ご自身で消費するような場合は、家事按分を行って費用の一部を経費計上できます。
なお、購入したネットワークビジネスの商品を、すべて消費する形でレビューを行う場合は、費用の全額を経費として認められる傾向があります。
上記のようなケースでは、広告宣伝費または販売促進費を用いて仕訳するのが一般的です。
販売用の商品をまとめ買いした場合については、年末までに売れた分だけ経費にできます。
年末時点で売れ残っている商品は、棚卸資産として計上する必要があるため、今年分の経費にできません。

