こんにちは、合同会社の顧問実績が豊富な税理士の植村拓真です。
事業規模が拡大し、課税所得が増えてきている個人事業主の方が、節税対策の一環で合同会社の設立を検討されるケースはよくあります。
弊所では上記のような方から多くのご相談をいただいております。
合同会社の設立にあたってさまざまな観点からご相談をいただきますが、事業主の方が気にされるポイントの1つとして挙げられるのが、合同会社が納付する税金に関してです。
特に、以下のようなご質問をよくいただきます。



本記事を読んでいる方の中にも、上記のような疑問をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、合同会社が納付する税金について一覧形式で解説します。
また、税金の申告と納付のタイミングに関してもあわせて解説しますので、起業や法人成りで合同会社の設立を検討している方は、本記事を参考にしてみてください。
なお、弊所では会社の設立と顧問契約をあわせてご依頼くださる方向けに、合同会社1.6万円、株式会社13.8万円のフルサポートプランを提供させていただいております。
合同会社が納付する税金一覧
本項目では、合同会社が納付する税金について一覧形式で解説します。
合同会社が納付する税金は、次のとおりです。
- 法人税
- 法人住民税
- 法人事業税
- 消費税
- 固定資産税
- 地方法人税
- 特別法人事業税
- その他
それでは、1つずつ見ていきましょう。
法人税
法人税は株式会社や合同会社などの法人が、事業活動によって得た利益に対してかかる国税です!
法人税の税率は、下表のとおりです。
資本金が1億円以下の法人では、課税所得のうち年800万円以下の部分に対しては15%、年800万円を超える部分に対しては23.2%の税率が適用されます。
一方、資本金が1億円を超える法人の場合、課税所得の金額に関わらず一律23.2%の税率が適用されます。
また、法人税の計算方法は、下表のとおりです。
なお、赤字の場合には課税所得がないため、法人税は発生しません。上記の表のとおり、法人税の計算は複雑であるため、不安な場合は税理士に相談しましょう。
関連記事:合同会社に税理士は必要?費用相場や不要なケースも解説
関連記事:一人合同会社の設立に税理士が必要なケースといらないケースを選び方とあわせて解説
法人住民税
法人住民税は、法人が事務所や事業所などを構える都道府県と市町村に納める地方税です。
法人住民税は均等割と法人税割の2つから構成されています。均等割は法人の資本金や従業員数に応じて定額で課され、課税所得の有無に関わらず支払う必要があるため注意が必要です。
たとえば、資本金1,000万円以下で従業員50人以下の法人の場合、年間7万円の均等割が課されます。
引用:総務省(法人住民税)
一方、法人税割は下記のようにして計算されます。
法人が国に納めた法人税額に一定税率を乗じた額が法人税割の税額になります。
(都道府県)法人税額×1.0%
(市町村)法人税額×6.0%
引用:総務省(法人住民税)
法人事業税
法人事業税は法人が事業活動を行う都道府県に納める地方税で、公共サービスやインフラの維持費用を賄うためのものです。前の項目で解説した法人住民税が、均等割と法人税割の2つから構成されていたように、法人事業税も下記の4種類を組み合わせて計算されます。
事業税について、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 付加価値割 付加価値額により法人の行う事業に対して課する事業税をいう。
二 資本割 資本金等の額により法人の行う事業に対して課する事業税をいう。
三 所得割 所得により法人の行う事業に対して課する事業税をいう。
四 収入割 収入金額により法人の行う事業に対して課する事業税をいう。
引用:e-Gov(地方税法 第七十二条 事業税に関する用語の意義)
ただし、下表のとおり、法人区分によって組み合わせは異なります。
引用:総務省(法人事業税)
以上のように、法人事業税の計算は複雑であるため、必要に応じて税理士の力も借りましょう。
関連記事:合同会社に税理士は必要?費用相場や不要なケースも解説
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消費税
消費税は商品の購入時やサービスの取引時に消費者が負担し、事業者が納付する税金です。標準税率は10%ですが、特定の品目には軽減税率8%が適用されます。
新たに設立された合同会社で資本金が1,000万円未満の場合、1〜2期目は基準期間がないため、原則として消費税の納税義務が免除されます。
ただし、1期目の前半6ヵ月間の課税売上高が1,000万円を超える場合、2期目から納税義務が生じるケースがあるため注意が必要です。
また、2023年10月に導入されたインボイス制度に則り、合同会社の設立と同時に適格請求書発行事業者の登録を行った場合、消費税の納税義務は免除されません。
消費税の計算方法には、実際の課税売上げと課税仕入れに基づく一般課税と、業種ごとのみなし仕入率を用いる簡易課税の2種類があります。
なお、簡易課税を選択できるのは、課税売上高が5,000万円以下の事業者です。簡易課税を選択する場合、本店所在地を所轄する税務署へ消費税簡易課税制度選択届出書の提出が必要です。
関連記事:インボイス制度と法人成り|タイミングから影響と対策まで解説
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固定資産税
固定資産税は法人が所有する土地、建物、償却資産に対して課される地方税です。
引用:総務省(固定資産税)
固定資産税の税額は、固定資産ごとの評価額に標準税率1.4%を掛けて計算されます。
引用:総務省(固定資産税)
固定資産の所在する市町村から送られてくる納税通知書に基づき、年4回に分けて納税します。納期は市町村の条例により定められていますので、インターネットで確認しましょう。なお、一括納付もできます。
関連記事:合同会社に税理士は必要?費用相場や不要なケースも解説
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地方法人税
地方法人税は、該当の事業年度の法人税額に対して10.3%の税率を掛けて計算されます。
引用:総務省(地方法人税)
地方法人税は全額が地方交付税の財源となり、地域間の財政格差を是正する役割を担っています。地方法人税の申告と納付は、法人税と同様の手続きで行われ、申告書も同じです。
したがって、赤字で法人税が発生しない場合、地方法人税も課税されません。
参考:総務省(地方法人税)
参考:国税庁(地方法人税の税率の改正のお知らせ)
特別法人事業税
特別法人事業税は国税ですが、地方税である法人事業税とあわせて都道府県に賦課徴収されます。特別法人事業税は、法人事業税の税額に対して下記の税率を掛けて計算されます。
引用:総務省(特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案の概要)
資本金1億円以下の合同会社のケースについて見てみましょう。たとえば、法人事業税の税額が100万円の場合、特別法人事業税は100万円×37%=37万円となります。
特別法人事業税に関して不明な点がある場合、税理士に相談してみましょう。
参考:e-Gov(特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律)
参考:財務省(国税・地方税の税目)
関連記事:合同会社に税理士は必要?費用相場や不要なケースも解説
関連記事:一人合同会社の設立に税理士が必要なケースといらないケースを選び方とあわせて解説
その他
場合によっては、下記のような税金も発生します。
関連記事:合同会社に税理士は必要?費用相場や不要なケースも解説
合同会社にかかる税金の申告と納付タイミング一覧
合同会社にかかる税金の申告と納付タイミングは、次のとおりです。
種類 | 申告期限 | 納付期限 |
法人税 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 |
法人住民税 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 |
法人事業税 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 |
消費税 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 |
固定資産税 | 1月31日まで | 市町村の条例で規定された年4回の期限まで |
地方法人税 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 |
特別法人事業税 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 |
源泉所得税(原則) | 徴収した日から翌月10日まで | 徴収した日から翌月10日まで |
源泉所得税(特例) | 1〜6月徴収分を7月10日まで 7〜12月徴収分を翌年1月20日まで |
1〜6月徴収分を7月10日まで 7〜12月徴収分を翌年1月20日まで |
不動産取得税 | 取得後10〜60日以内(自治体によって異なる) | 納税通知書に記載された期限まで |
社会保険料 | ー | 納付対象月の翌月末日まで |
自動車税 | 車検証の交付を受けたタイミング | 原則として5月中 |
印紙税(原則) | ー | 都度納付(課税文書に収入印紙を貼り付ける) |
なお、申告と納付期限が土日祝日の場合、翌日が期限となります。
合同会社は個人事業主よりも税務申告が煩雑になるため、少しでも不安がある場合、税理士に相談してみましょう!
参考:国税庁(申告と納税)
参考:東京都主税局(法人事業税・法人都民税)
参考:東京都主税局(固定資産税|償却資産)
参考:総務省(特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案の概要)
参考:東京都主税局(不動産取得税)
参考:総務省(自動車税・軽自動車税種別割)
参考:千葉県(自動車を買うと、自動車税の申告と納税が必要だと聞きましたが。)
参考:日本年金機構(厚生年金保険料等の納付)
関連記事:合同会社に税理士は必要?費用相場や不要なケースも解説
合同会社の税金面のメリット
本項目では、合同会社の税金面のメリットについて解説します。
合同会社の税金面のメリットは、以下のとおりです。
- 生命保険を経費計上できる
- 事業年度を自由に決められる
- 登録免許税が安い
- その他
それでは、順番に見ていきましょう。
生命保険を経費計上できる
合同会社の税金面のメリットの1つ目は、生命保険を経費計上できる点です。
上記により、課税所得を圧縮し、税金の負担を軽減させる効果が期待できます。ただし、経費計上の可否については下表のとおり、保険の種類や契約の内容によって異なるため注意が必要です。
たとえば、掛け捨て型の定期保険では、保険料の全額が経費として認められます。一方、貯蓄性のある養老保険は、保険料の一部のみが経費として認められ、残りは資産として計上されます。
生命保険は役員や従業員の退職金の準備や節税対策の一環として活用できますが、経費計上する場面で専門知識が求められるため、税理士に相談するのが確実です。なお、合同会社が経費で落とせるものについては、下記の記事でさらに詳しく解説しています。
関連記事:合同会社が経費で落とせるもの一覧|いくらまで経費計上できる?
事業年度を自由に決められる
合同会社の税金面のメリットの2つ目は、事業年度を1年以内の任意の期間で自由に設定できる点です。たとえば、繁忙期を考慮して事業年度を設定すれば、決算に集中できる環境が整い、税務申告の精度を高められます。
また、収益が多い時期に決算を行うように事業年度を設定すれば、納税に必要な資金を十分に確保できるため、突発的な資金不足を避けられます。資本金が1,000万円未満で、特定期間の課税売上高が1,000万円以下であれば、合同会社の設立1〜2期目は消費税が免除されるため、1期目の事業年度は長くするのがおすすめです。
以上のように、合同会社は事業年度を自由に設定できるため、個人事業主よりも税務上の負担を軽減させられます。
なお、インボイス制度の施行により、今後、免税事業者との取引が中止されるケースが増えるおそれがあるため注意が必要です!
免税事業者を選択すべきかどうかについて迷う場合は、税理士に相談してみましょう。
参考:e-Gov(会社計算規則 第五十九条)
参考:国税庁(No.6501 納税義務の免除)
関連記事:インボイス制度と法人成り|タイミングから影響と対策まで解説
関連記事:【失敗しない】決算期の決め方|変更方法から調べ方まで解説
登録免許税が安い
合同会社の税金面のメリットの3つ目は、登録免許税が安い点です。
上記の税額は資本金の額に0.7%を掛けた金額、もしくは6万円に満たない場合は6万円となります。たとえば、資本金が1,000万円の合同会社にかかる登録免許税は7万円です。
また、資本金が857万円以下の場合、合同会社の登録免許税は一律6万円です。
一方、株式会社の登録免許税は資本金の額に0.7%を掛けた金額、もしくは15万円に満たない場合は15万円と定められています。
資本金が同じ1,000万円でも、株式会社の登録免許税は15万円、合同会社の登録免許税は7万円であるため8万円の差があります。
以上のように、株式会社に比べて設立時の登録免許税を安く抑えられる点は、合同会社のメリットの1つです。なお、合同会社の設立には専門知識が求められる場面も多いため、税理士への依頼も検討しましょう。
参考:国税庁(No.7191 登録免許税の税額表)
参考:法務局(合同会社の設立手続について)
関連記事:合同会社に税理士は必要?費用相場や不要なケースも解説
関連記事:一人合同会社の設立に税理士が必要なケースといらないケースを選び方とあわせて解説
その他
- 法人税が適用される
- 経費の範囲が拡大する
- 役員報酬に給与所得控除が適用できる
- 家族への給与を経費計上しやすい
- 退職金を支払える
- 赤字を最大10年間繰り越せる
- 消費税を免除されるケースがある
- 相続税や贈与税の節約につながる
上記については、下記の記事でさらに詳しく解説しています。
関連記事:合同会社の設立で節税できる理由|設立の基準やデメリットも解説
合同会社の税金面のデメリット
本項目で解説するのは、合同会社の税金面のデメリットについてです。合同会社を設立すると、税金面で多くのメリットが得られる一方、デメリットがあるのも事実です。
合同会社の税金面のデメリットは、下記のとおりです。
- 赤字でも法人住民税の均等割を納める必要がある
- 経理や税務会計に関する業務が煩雑になる
- 社会保険へ加入しなければならない
上記について1つずつ見ていきましょう。
赤字でも法人住民税の均等割を納める必要がある
合同会社の税金面のデメリットの1つ目は、赤字でも法人住民税の均等割を納める必要がある点です。法人住民税の均等割は、黒字か赤字かに関わらず課税されるもので、事業規模に応じて納付額が決まります。
下表を見ると、最低でも7万円を納める必要があるのが分かります。
引用:総務省(法人住民税)
繰り返しになりますが、デメリットも念頭に置きながら合同会社の設立を検討しましょう。なお、合同会社を設立して後悔する理由と対策については、下記の記事でさらに詳しく解説しています。
関連記事:合同会社で後悔する理由と対策|個人事業主や株式会社と比較して設立を検討
参考:J-Net21(個人事業から法人成りした場合のデメリットについて教えてください。)
経理や税務会計に関する業務が煩雑になる
合同会社の税金面のデメリットの2つ目は、個人事業主と比べて経理や税務会計に関する業務が煩雑になる点です。合同会社の場合、決算申告にあたって主に下記のような書類作成が必要です。
上記の書類を作成するには、日々の正確な帳簿記帳が不可欠で、経理や税務会計に関する処理を誤った場合、税務調査に入られるリスクが高まります。
依頼費用を負担に感じて、税理士の力を借りずに自力で行う場合、経理や税務会計に関する業務に時間を取られ、本来の業務に集中できなくなってしまうケースも少なくありません。
税務上のリスクを回避したり、事業に集中できる環境を整えたりするためにも、税理士への依頼は検討しましょう。
関連記事:合同会社に税理士は必要?費用相場や不要なケースも解説
関連記事:一人合同会社の設立に税理士が必要なケースといらないケースを選び方とあわせて解説
社会保険へ加入しなければならない
合同会社の税金面のデメリットの3つ目は、社会保険へ加入しなければならない点です。合同会社を設立すると社会保険への加入義務が発生します。
上記は代表社員1人の合同会社であっても例外ではなく、健康保険や厚生年金保険などに加入しなければなりません。個人事業主は国民健康保険と国民年金に加入していましたが、合同会社を設立すると社会保険に切り替わります。
社会保険料は原則として労使折半のため、従業員の数が多いほど法定福利費が増加し、負担が大きくなります。
役員報酬の決め方や注意点、節税効果については、下記の記事でさらに詳しく解説しています。
関連記事:合同会社の役員報酬の相場と決め方|かかる税金や節税方法も解説
関連記事:合同会社の一人社長が給料(役員報酬)を設定する際のルールと決め方
関連記事:役員報酬なしの社会保険の加入義務は?合同会社の一人社長向けにも解説
合同会社の税金に関するよくある質問
最後に、合同会社の税金に関するよくある質問についてご紹介します。
内容は随時追記します。
合同会社への法人成りを検討するのは年収いくらからですか?
合同会社への法人成りは、年収が800万円を超えそうなタイミングで検討しましょう。課税所得が800万円以上の個人事業主は、合同会社の設立で節税効果が期待できます。
上記の理由については、下記の記事でさらに詳しく解説しています!
関連記事:合同会社の設立で節税できる理由|設立の基準やデメリットも解説
合同会社と株式会社は税金の種類や節税効果に違いはありますか?
合同会社と株式会社はどちらも普通法人のため、税金の種類や節税効果に違いはありません。ただし、設立にかかる費用や維持費などの面で違いがあります。
合同会社と株式会社の違いについては、下記の記事でさらに詳しく解説しています。
関連記事:合同会社の設立で節税できる理由|設立の基準やデメリットも解説
合同会社の特徴を教えてください
合同会社は出資者全員が経営者となるため、所有と経営が一致する点が大きな特徴です。合同会社の特徴については、下記の記事でさらに詳しく解説しています。
関連記事:合同会社か個人事業主ならどっちが得?違いやメリット・デメリットを比較して徹底解説
合同会社を設立する際に税金はかかりますか?
繰り返しになりますが、合同会社を設立する場合、登録免許税が最低6万円かかります。
合同会社の設立時にかかる費用や税理士の必要性については、下記の記事でさらに詳しく解説しています。
関連記事:合同会社に税理士は必要?費用相場や不要なケースも解説
関連記事:合同会社か個人事業主ならどっちが得?違いやメリット・デメリットを比較して徹底解説
合同会社の設立で税金がどれくらい抑えられるのかについてシミュレーションはできますか?
インターネットで検索すると、合同会社の設立でどれくらいの税金が抑えられるのかについて、簡易的なシミュレーションができるサイトが表示されます。
ただし、上記はあくまでも簡易的なシミュレーションですので注意しましょう。
売上規模や従業員数などに応じて期待できる節税効果は変わってくるため、詳細なシミュレーションを行う場合、税理士の力を借りるのも手段の1つです。
なお、合同会社の設立に税理士が必要かどうかについては、下記の記事でさらに詳しく解説しています。
関連記事:合同会社に税理士は必要?費用相場や不要なケースも解説
関連記事:一人合同会社の設立に税理士が必要なケースといらないケースを選び方とあわせて解説
合同会社の設立によって消費税は免除されますか?インボイス制度の影響はありますか?
繰り返しになりますが、資本金が1,000万円未満で、特定期間の課税売上高が1,000万円以下であれば、合同会社の設立1〜2期目は消費税が免除されます。ただし、インボイス制度の施行によって、免税事業者のメリットが薄れているため注意しましょう。
上記の理由として、インボイスがなければ、仕入税額控除を受けられないため、免税事業者との取引をやめる企業が増えるおそれがあるからです。
なお、インボイス制度の具体的な影響については、下記の記事でさらに詳しく解説しています!
関連記事:インボイス制度と法人成り|タイミングから影響と対策まで解説
関連記事:インボイス制度がやばい・ひどい理由|抜け道と対策を解説
サラリーマンでも合同会社を設立すれば節税できますか?
サラリーマンでも合同会社を設立すれば、節税効果を期待できます。ただし、収入状況によっては節税につながらない場合もあるため、税理士に相談したうえで判断しましょう。
なお、サラリーマンが合同会社を設立して節税につながるケースや税金面のメリットについては、下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:マイクロ法人設立でサラリーマンが節税するメリットや注意点を解説
合同会社の設立は税金対策として有効ですか?
合同会社の設立は税金対策として有効な手段の1つです。具体的にどのような節税効果が期待できるのかについては、下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:合同会社の設立で節税できる理由|設立の基準やデメリットも解説
関連記事:合同会社か個人事業主ならどっちが得?違いやメリット・デメリットを比較して徹底解説
関連記事:個人事業主から合同会社に切り替えて法人化する手順やメリット・デメリット
関連記事:合同会社が経費で落とせるもの一覧|いくらまで経費計上できる?
合資会社が納める税金の種類を教えてください
合資会社は普通法人のため、納める税金の種類は合同会社と同じです。合資会社が納める税金の種類については、本記事の合同会社が納付する税金一覧の項目をご参照ください。
なお、税務申告に不安な点がある場合、税理士の力を借りるのも手段の1つです!
関連記事:中小企業や小さい会社で税理士が必要な理由と費用相場
合同会社を設立すると税金を最低7万円納める必要があるのはなぜですか?
合同会社を設立した場合、最低7万円納める必要がある税金は、法人住民税の均等割です。法人住民税の均等割には下記のような性質があります。
均等割と法人税割の決定的な違いとしては、法人税割は国に法人税を納めている法人、つまり黒字の法人だけが払うのに対して、均等割は赤字の法人も払わなければならないということです。言い換えると、均等割は、法人がどれだけ儲けたかに関係なく、地域社会の一員として支払う会費という性格が強いといえます。
引用:総務省(法人住民税)
繰り返しになりますが、法人住民税の均等割の税額は、下表のとおりに定められているため、最低7万円が発生します。
引用:総務省(法人住民税)
もし、合同会社を設立すべきかどうかで迷っている方は、税理士に相談してみましょう。
関連記事:合同会社の設立で節税できる理由|設立の基準やデメリットも解説
関連記事:合同会社か個人事業主ならどっちが得?違いやメリット・デメリットを比較して徹底解説
関連記事:個人事業主から合同会社に切り替えて法人化する手順やメリット・デメリット
合同会社にかかる法人税の最低額はいくらですか?
下表のような計算を行い、課税所得がなかったり、算出税額が税額控除と相殺されたりする場合、法人税は発生しません。
繰り返しになりますが、課税所得がない場合や赤字の場合でも、法人住民税の均等割は発生しますので注意しましょう。なお、合同会社の経理や税務会計に関する処理は、専門知識が求められる場面が多いため、税理士への依頼も検討しましょう。
参考:国税庁(No.5450 法人税の額から控除される特別控除額の特例)
関連記事:合同会社に税理士は必要?費用相場や不要なケースも解説
関連記事:一人合同会社の設立に税理士が必要なケースといらないケースを選び方とあわせて解説
合同会社の法人税は赤字の場合、どうなりますか?
赤字の場合、法人税は発生しません。繰り返しになりますが、赤字でも法人住民税の均等割が発生するため注意が必要です。
青色申告を提出していれば、最大10年間は赤字の繰越控除を適用できるため、税務申告は行いましょう。税務申告に不安がある場合、税理士の力を借りるのも手段の1つです。
関連記事:合同会社に税理士は必要?費用相場や不要なケースも解説
関連記事:一人合同会社の設立に税理士が必要なケースといらないケースを選び方とあわせて解説
まとめ
今回は、合同会社が納付する税金を一覧にして、申告と納付のタイミングとあわせて解説しました。
合同会社が納付する税金は、次のとおりです。
- 法人税
- 法人住民税
- 法人事業税
- 消費税
- 固定資産税
- 地方法人税
- 特別法人事業税
- 源泉所得税
- 不動産取得税
- 社会保険料
- 自動車税
- 印紙税
合同会社にかかる税金の申告と納付タイミングは、下記のとおりです。
種類 | 申告期限 | 納付期限 |
法人税 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 |
法人住民税 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 |
法人事業税 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 |
消費税 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 |
固定資産税 | 1月31日まで | 市町村の条例で規定された年4回の期限まで |
地方法人税 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 |
特別法人事業税 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 | 事業年度の終了日の翌日から2ヵ月以内 |
源泉所得税(原則) | 徴収した日から翌月10日まで | 徴収した日から翌月10日まで |
源泉所得税(特例) | 1〜6月徴収分を7月10日まで 7〜12月徴収分を翌年1月20日まで |
1〜6月徴収分を7月10日まで 7〜12月徴収分を翌年1月20日まで |
不動産取得税 | 取得後10〜60日以内(自治体によって異なる) | 納税通知書に記載された期限まで |
社会保険料 | ー | 納付対象月の翌月末日まで |
自動車税 | 車検証の交付を受けたタイミング | 原則として5月中 |
印紙税(原則) | ー | 都度納付(課税文書に収入印紙を貼り付ける) |
合同会社を設立すると税金面で以下のようなメリットが得られます。
- 生命保険を経費計上できる
- 事業年度を自由に決められる
- 登録免許税が安い
- 法人税が適用される
- 経費の範囲が拡大する
- 役員報酬に給与所得控除が適用できる
- 家族への給与を経費計上しやすい
- 退職金を支払える
- 赤字を最大10年間繰り越せる
- 消費税を免除されるケースがある
- 相続税や贈与税の節約につながる
一方、税金面で下記のようなデメリットもあるため注意しましょう。
- 赤字でも法人住民税の均等割を納める必要がある
- 経理や税務会計に関する業務が煩雑になる
- 社会保険へ加入しなければならない