こんにちは、相続税に強い植村会計事務所の代表を務める植村拓真です。
弊所では、相続税の申告を税理士に依頼すべきか迷っている方から、よく以下のような内容でご相談いただくケースがあります。



相続税申告についてよく知らなかったり、相続税申告の依頼を受け付けている事務所が多くて迷っていたりする方は少なくありません。
本記事を読んでいる方も、同じような疑問を抱いているのではないでしょうか。
今回はそんな方に向けて、相続税申告を税理士に依頼する理由やメリットについて報酬目安や失敗しない探し方とあわせて解説します。
相続税申告を税理士に依頼する理由
本記事を読んでいるのは、相続税の申告を税理士に依頼すべきか悩んでいる方ではないでしょうか。
税理士に依頼する以上、決して安くない費用がかかってしまいます。そのため、自力でできるなら、なるべく税理士に依頼したくないと考えている方は少なくありません。
そこで本項目では、相続税申告を税理士に依頼する理由について解説します。
余分な税金やペナルティ発生のリスクを回避できる
相続税申告を税理士に依頼すれば、本来納めるべき金額以上の税金を納めなければならなかったり、ペナルティが発生したりするリスクを回避できます。
計算や手続きがよくわからないため、税理士への依頼を検討する方は少なくありません。
相続税の計算は専門知識を必要とする場面が多いため複雑で、申告ミスをすると税務調査や追徴課税が発生するリスクがあります。
そして、相続税の申告と納税は、相続開始を知った翌日から10ヶ月以内に行わなければなりません。
また、財産評価や控除の適用範囲について正確な情報を得たうえで知識を身に付けていなければ、本来よりも多くの税金を納めてしまい損をしかねません。
ですので、余分な税金やペナルティ発生のリスクを回避したいと考えて、税理士に依頼する方が多いです。
実際に、財務省のホームページで公開されている「令和5事務年度 国税庁実績評価書」によると、約86%の相続税申告に税理士が関与しています。
9割近くの相続税の納税者に税理士が関与している事実からも、相続税申告の難しさがうかがえます。余分な税金やペナルティ発生のリスクを回避したい方は、税理士への依頼を検討しましょう。
関連記事:相続税の税務調査は一般家庭も対象!時期やいくら以上なら入られるかも解説
スムーズに相続税を申告できる
相続税申告を税理士に依頼すれば、余分な税金の納税や税務調査のリスクを回避できるだけでなく、スムーズに相続税を申告できます。
専門知識がない方でも税理士に依頼すれば、適切な申告を行えるうえに時間がかからないのは大きなメリットです。相続税申告を税理士に依頼する際に任せられる業務内容は、以下のとおりです。
- 相続税の計算
- 相続する財産の評価
- 相続税に関する節税対策
- 相続税を申告する際に必要な書類の作成
税理士に相続税申告を依頼すれば、納税額を計算したり節税対策を提案したり、申告書を作成するといった業務を代行してもらえると知っている方は多いでしょう。各業務は相続税を適切かつスムーズに申告するうえで重要な内容です。
中でも、相続する財産の評価は納税額に大きく関わるケースがあるため、評価方法が複雑な株式や不動産などを相続する際は税理士に依頼する必要性が高まります。
複雑な相続税申告を適切に自力で行うためには、専門知識と経験が必要で時間がかかるため、スムーズに申告を終えたいと考えて税理士への依頼を検討する方もいます。
相続税についてわからないからと放置していると申告期限が迫ってきますし、無申告だと税務調査の対象になりかねません。
相続税の申告についてよくわからない、めんどくさくて放置している方は、なるべく早めに税理士に相談しましょう。
関連記事:相続手続きがめんどくさい理由と放置NGな理由を対処法とあわせて解説
相続税申告を税理士に依頼するメリット
続いては、相続税の申告を税理士に依頼するとどんなメリットを享受できるかについて解説します。
先ほど解説した内容のおさらいですので、メリットを把握している方は次の相続税に強い税理士の費用相場まで読み飛ばしてください。
相続税に関して学ぶ手間が省ける
相続税申告を税理士に依頼する大きなメリットとして、相続税に関する専門知識の学習にかかる多くの時間を削減できることが挙げられます。
相続が発生すると、遺産分割協議や財産評価、市町村役場や都税事務所(市税事務所)での必要書類の取得、申告書の作成など、さまざまな手続きが特定の期限までに必要です。
各種手続きを行うためには専門知識が必要であるため、独学では大きな負担がかかるだけでなく、申告期限に間に合わなかったり判断ミスでペナルティが発生したりするリスクも高まります。
たとえば、先ほど少し触れた不動産や非上場株式の評価方法は複雑で、判断を誤ると納税額が大きく変動するおそれがあります。
相続税に強い税理士に依頼すれば、適切かつスムーズに相続税を計算したうえで申告書を作成してくれるため、自力で専門知識を調べたり学んだりする時間が不要です。
さらに、税理士は相続に関する節税対策や各種手続きの進め方についても的確にアドバイスしてくれるため、申告期限や申告ミスの心配なく手続きを進められます。
関連記事:相続手続きに税理士は必要か?報酬の目安や探し方とあわせて解説
相続税の納め過ぎを防止できる
相続税申告を税理士に依頼すれば、相続税の納め過ぎを防止できます。専門知識がなければ判断が難しい財産評価を適切に行えますので、相続税を納め過ぎる心配はありません。
繰り返しになりますが、相続税は財産評価を誤ると、本来よりも納税額が高くなるリスクがあります。そして、相続税を納め過ぎても、自分で気づいて修正申告しなければ返金されません。
たとえば、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など、適用できる特例や控除を活用すれば大幅に節税できるケースがあります。
しかし、特例や控除には要件があるため、正しい知識がない状態で誤って適用した結果、相続税の納め過ぎだけでなく修正申告やペナルティのリスクもあります。
また、その他特例や控除を見逃して損をするケースもありますので、スムーズかつ適切に相続税申告を完了したい方は、相続税に強い税理士に相談しましょう。
税務調査のリスクを下げられる
相続税申告に強い税理士に依頼すれば、税務調査に入られるリスクを下げられます。
相続税の申告書に専門家である税理士の名前が記載されるので税務署からの信用を得られますし、申告ミスの発生リスクが低くなるからです。
自力で相続税の申告書を税務署に提出して納税したあと、税務調査に入られるとしても1~2年後の傾向がありますので、申告手続きが終わったからといって安心できません。
完璧に相続税の申告を終えたと思っていても、ミスをしておりあとから税務調査の連絡が入るケースもあります。自力で正確に相続税の申告を行う自信がない方は、相続税申告に強い税理士に相談しておきましょう。
関連記事:相続税を自分で申告する際の税務調査のリスクと軽減させる方法
相続税申告を税理士に依頼する際の報酬相場
相続税申告を税理士に依頼する際の報酬について見ていきましょう。報酬にはある程度の相場があり、遺産総額の0.5〜1.5%が目安としてよく挙げられます。
ただし、具体的な金額は依頼する事務所や地域、内容によって異なります。依頼先候補の事務所で見積もりを出してもらい、具体的な金額を確認して納得したうえで契約を結びましょう。
相続税申告を税理士に依頼する際の報酬が高くなるケースとして、複数の土地を評価する必要があったり、非上場株式の評価が含まれたり、相続人が多かったりするケースがあります。
さらに、相続税の申告期限が迫っていたり、必要書類の取得や現地調査を依頼する必要があったりするケースも該当します。
また、相続税に関する税務調査が行われた際に税理士が対応する場合、別途費用が発生するおそれもありますので依頼前に確認しておきましょう。
相続税に強い税理士の失敗しない探し方
相続税に強い税理士に依頼すべきだと解説してきましたが、どんな税理士を選べば失敗しないのかわからない方も多いと思われます。
そこで本項目では、相続税に強い税理士の失敗しない選び方について解説します。
テキトーに税理士を選ぶと相続に対応できなかったり、知識が不十分で申告ミスが発生するおそれもありますので、本項目の内容を参考にしながら慎重に選びましょう。
担当税理士の対応実績が豊富か確認する
繰り返しになりますが、相続税申告を税理士に依頼する際は、相続税に強いかどうかを確認しましょう。
税理士によっては相続税申告の対応経験がなかったり少なかったりして、うまく対応できないケースもあるからです。
相続税申告を依頼する税理士選びで失敗しないために、まずはホームページや面談などで相続税申告の対応実績について確認しましょう。
ホームページには相続税に強いかはもちろん、対応実績について記載されているケースがあります。
そして、面談では担当する予定の税理士が相続税の対応実績が豊富かを直接確認しましょう。税理士の相続税に関する知識はピンキリです。
相続税申告に対応できるだけで、実績が豊富ではないために適切に対応できないケースもありますので依頼前に確認しておきましょう。
依頼前から税理士報酬の内訳や合計金額が明確である
相続税申告を税理士に依頼する際は、依頼前に報酬の内訳や合計金額が明確かを確認しましょう。
税理士が相続税に強いかどうかには関係ありませんが、依頼するうえで必ず確認すべき重要な内容です。依頼前に確認しておかなければ、契約後に追加で報酬を要求されるケースもあります。
安心して税理士に相続税申告を任せるためにも、依頼前から税理士報酬の内訳や合計金額が明確であるかを確認しましょう。
他の専門家と連携が取れている
相続税に強い税理士を選ぶ際は、他の専門家と連携が取れているかを確認しましょう。
相続手続きは税金の申告だけでなく、遺産相続に関するトラブルや不動産の名義変更、口座解約など、幅広い対応が求められるシーンが多いです。
そのため、弁護士や司法書士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家と協力できる税理士であれば、スムーズに手続きを進められます。
他の専門家と連携が取れている税理士に依頼すれば、相続税申告に関する依頼先を探す手間が省けるのでおすすめです。
相続税申告を税理士に依頼する際によくある質問
最後に、相続税申告を税理士に依頼する際によくある質問を紹介します。
本項目を読んだうえで不明な点がある方も、お気軽に弊所までご相談くださいませ。
相続税申告を税理士に依頼した際の費用は誰が払うものですか?
相続税申告を税理士に依頼する際にかかる費用は、どなたが負担しても問題ありません。たとえば、相続人の代表者が全額を負担する方法、相続する方が全員で均等に分担する方法があります。
税理士からの請求は相続人の代表者に行われますので、均等に分担する際は代表者が一旦まとめて支払ってから、他の相続人と金額調整します。
相続税申告を税理士に依頼した際の費用の分担については、事前に話し合っておきましょう。
税理士費用を経費として相続財産から控除できますか?
相続税申告を依頼した際の税理士費用は、相続財産から控除できません。葬式費用や被相続人が生前に負担した債務などであれば、相続財産から控除できます。
一方、税理士費用は相続税申告に必要な費用であっても、相続人が負担するべきものです。相続財産の経費として計上できませんので注意しましょう。
相続税申告を税理士に頼まないケースは?
相続税申告は自力で行っても問題ありません。実際に、税理士に依頼せずに申告を完了する方もいます。相続財産の計算が単純で納税額をすぐに算出できる場合であれば、税理士への依頼は不要です。
相続税を計算したり必要な手続きを進める時間を確保できない、申告について調べる余裕がない、調べてもわからない方は、相続税に強い税理士への依頼を検討しましょう。
まとめ
今回は、相続税申告を税理士に依頼する理由やメリットについて報酬目安や失敗しない探し方とあわせて解説しました。
相続税申告を税理士に依頼する際のメリットについて、もう一度振り返っておきましょう。
- 相続税に関して学ぶ手間が省ける
- 相続税の納め過ぎを防止できる
- 税務調査のリスクを下げられる
相続税について調べる時間がない、申告に時間をかけたくない、納め過ぎたくない、税務調査のリスクを回避したい方は、税理士に依頼するメリットを享受できます。
相続税に強い税理士に依頼して、スムーズに相続税の申告を完了しましょう。