こんにちは、法人化の支援実績が豊富な税理士の植村拓真です。
税理士法人植村会計事務所では、法人化を検討中の個人の方や法人化して間もない経営者の方から、税務調査に関する以下のようなご相談をよくいただきます。



本記事を読んでいる方の中にも、同様の疑問や悩みを抱えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、法人化で税務調査が入る確率が高まる理由から廃業後の個人事業主が狙われるケースまで解説します。
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法人化で税務調査が入る確率が高まる理由

本項目では、法人化で税務調査が入る確率が高まる理由について、以下の点に分けて解説します。
- 法人化は経理や税務会計に関する処理のミスが発生しやすい
- 法人化後の売上や利益の変動は意図的な操作を疑われやすい
- 法人は個人と比べると税務調査の対象になりやすい
それでは、順番に見ていきましょう。
法人化は経理や税務会計に関する処理のミスが発生しやすい
法人化は経理や税務会計に関する処理でミスが発生しやすいため、税務調査が入る確率が高まります。
- 資産の引き継ぎ
- 役員報酬の金額設定や支給方法
- 消費税の免税事業者の判定
- 法人と個人の資金や資産の区別
- 売上や経費の計上時期
上記について順番に説明していきます。
資産の引き継ぎ
たとえば、個人の事業活動で使用していた資産を無償で引き継ぐ場合、時価で譲渡が行われたとみなされるため、個人のほうで譲渡所得を確定申告しなければなりません。
また、土地や建物を法人に売却する形で引き継ぐ際に、売却価額が時価の2分の1を下回っている場合は、時価で譲渡所得を計算する必要があります。
以上のように、個人から法人へ資産を引き継ぐ際には、申告漏れが発生しやすい傾向があるため、税務調査の対象に選ばれる確率が高まります。
参考:国税庁(No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法)
参考:国税庁(No.3217 時価より低い価額で売ったとき)
参考:国税庁(No.3214 土地建物を売ったときの収入金額に含める金額)
参考:国税庁(所得税法におけるみなし贈与等の取扱いについて-譲渡所得を中心に-)
役員報酬の金額設定や支給方法
役員報酬の金額設定や支給に関するルールを守らずに、経費計上しているケースは少なくありません。
たとえば、節税対策のために役員報酬を高めに設定しているケースでは、税務調査の際に不相当に高額だとみなされて、経費計上が否認されるおそれがあります。
また、役員報酬を経費計上するためには、期首から3か月以内に支給額を決めて、毎月同じ金額で支給するのが原則です。
上記のルールを守らずに役員報酬を経費計上していると、税務調査で否認されて過少申告加算税や延滞税が課されるおそれがあります。
参考:国税庁(No.5211 役員に対する給与〔平成29年4月1日以後支給決議分〕)
参考:国税庁(No.9205 延滞税について)
参考:財務省(加算税制度の概要①〔基本情報〕)
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消費税の免税事業者の判定
法人化すると1〜2期目は消費税の納税義務が免除されますが、消費税の免税事業者の判定を誤認して、消費税の無申告につながるケースも少なくありません。
また、資本金が1,000万円以上の法人については、1〜2期目の消費税の納税義務が免除されません。
なお、特定期間の課税売上高または給与等支払額が1,000万円を超える場合は、法人の設立2期目から消費税の課税事業者となります。
以上のように、法人の設立1〜2期目は、無条件で消費税の納税義務が免除されるわけではない点に注意が必要です。
消費税の免税事業者の判定について不明な点がある場合は、税理士への相談も検討してみましょう。
参考:国税庁(特定期間の判定)
参考:国税庁(No.6503 基準期間がない法人の納税義務の免除の特例)
参考:国税庁(No.6531 新規開業又は法人の新規設立のとき)
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法人と個人の資金や資産の区別
法人化後は法人と個人の資金や資産を明確に区別しなければならないため、個人時代のように自由に使えません。
上記の理由から、会社の資金や資産を個人時代のように扱ってしまうと、税務調査が入る確率が高まります。
たとえば、法人口座から生活費を引き出すようなケースでは、役員貸付金として処理しなければなりません。
なお、役員貸付金は利息をつけて法人に返すのが原則です。また、役員貸付金の利息を受け取った場合は、法人の収益として計上しなければなりません。
参考:国税庁(No.2606 金銭を貸し付けたとき)
参考:J-Net21(役員借入金と役員貸付金について教えてください。)
売上や経費の計上時期
法人化する際は個人の確定申告と法人の税務申告の両方を行う必要があるため、売上や経費の計上時期を誤るケースは少なくありません。
また、法人化する前に債務が確定しているにもかかわらず、法人の経費として計上した場合は、法人の過少申告につながります。
売上や経費の計上時期について判断に迷う場合は、税理士への相談も検討してみましょう。
参考:国税庁(No.2210 必要経費の知識)
参考:国税庁(No.2200 収入金額とその計算)
参考:J-Net21(会計の発生主義や現金主義、実現主義について教えてください。)
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法人化後の売上や利益の変動は意図的な操作を疑われやすい
法人化したあとに売上や利益が変動すると、税務署から意図的な操作を疑われて、税務調査につながるリスクがあります。
上記の理由から、税務署は法人化前後の申告内容を比較して分析するケースも少なくありません。
なお、令和8年度に国税総合管理(KSK)システムの刷新が予定されているため、税目ごとの縦割り組織が解消されて、個人と法人の申告内容を横断的に分析できるようになる見込みです。
システムの高度化-画像.png)
引用:国税庁(税務行政のデジタル・トランスフォーメーション-税務行政の将来像2023-〔令和5年6月23日〕p38)
上記の理由から、法人化前後の売上や利益の不自然な変動は、今までよりも検出されやすくなると予想されます。
法人は個人と比べると税務調査の対象になりやすい
法人は個人と比べると税務調査の対象に選ばれやすい傾向があります。
| 項目 | 法人 | 個人 |
| ①申告件数 | 約322万件 | 約2,339万件 |
| ②実地調査の件数 | 約5万4千件 | 約4万7千件 |
| ③実地調査の実施率( ② ÷ ① ✕ 100 ) | 約1.68% | 約0.2% |
上表のとおり、法人の実地調査の実施率は、個人と比べると8倍以上高いです。
約1.68%(法人の実地調査の実施率)÷ 約0.2%(個人の実地調査の実施率)= 約8.4倍
なお、法人の実地調査の実施率が高い背景として、下表のとおり、調査1件当たりの追徴税額が個人と比べると大きい点が挙げられます。
| 項目 | 実地調査1件当たりの追徴税額(令和6事務年度) |
| ①法人(法人税・消費税) | 約634万円 |
| ②個人(所得税) | 約241万円 |
| ③倍率( ① ÷ ② ) | 約2.6倍 |
税務調査への備えを万全にしたい場合は、税理士への相談も検討してみましょう。
参考:国税庁(令和6事務年度 法人税等の調査事績の概要)
参考:国税庁(令和6事務年度 法人税等の申告〔課税〕事績の概要)
参考:国税庁(令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況)
参考:国税庁(令和6年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について〔報道発表資料〕)
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法人化と税務調査に関する基礎知識

本項目では、法人化と税務調査に関する基礎知識について解説します。法人化と税務調査の概要について、順番に見ていきましょう。
法人化とは
法人化とは、個人名義で行っている事業活動を、会社を設立して法人に引き継ぐ手続きを指します。法人化によって得られる主なメリットは、以下のとおりです。
- ご自身が受け取る給料(役員報酬)を経費計上できる
- 社会的な信用度が高まる
- 融資の審査が通りやすくなる
ただし、会社を設立する際に費用がかかったり、社会保険料の会社負担分のような維持費が発生したりする点に注意が必要です。
参考:J-Net21(役員に対する給与と賞与はどう処理すればいいの?)
参考:J-Net21(個人事業と法人のどちらがよいか)
参考:J-Net21(個人事業から法人成りした場合のデメリットについて教えてください。)
参考:法務省(株式会社の設立手続〔発起設立〕について)
参考:法務省(合同会社の設立手続について)
参考:国税庁(No.5211 役員に対する給与〔平成29年4月1日以後支給決議分〕)
参考:仙台市雇用労働相談センター(会社〔法人〕設立後に必要な社会保険【Part1】~まず知っておくべき基本~)
参考:協会けんぽ(都道府県毎の保険料額表)
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税務調査とは
税務調査とは、個人の確定申告や法人の税務申告が、税法に則って正しく行われているかを、確認するために実施される調査です。
下表のとおり、税務調査には任意調査と強制調査の2種類があります。
| 税務調査の種類 | 概要 |
| 任意調査 | ・事前通知がある ・対象者の同意を得て行われる ・事前通知後、実際に調査が行われるまでには時間的な余裕がある |
| 強制調査 | ・事前通知はない ・裁判所の令状に基づいて強制的に行われる ・国税局査察部によって突然立ち入り調査が実施される |
ただし、受忍義務が国税通則法で定められているため、任意調査であっても拒否できません。
正当な理由なく任意調査を拒否すると、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科されるおそれもあるため注意しましょう。
参考:国税庁(第1章 法第74条の2~法第74条の6関係〔質問検査権〕)
参考:国税庁(税務調査手続に関するFAQ〔一般納税者向け〕)
参考:国税庁(令和6事務年度 法人税等の調査事績の概要)
参考:国税庁(令和6年度 査察の概要)
参考:内閣府ホームページ(国税庁の税務調査の概要)
参考:e-Gov 法令検索(国税通則法 第七章の二 国税の調査)
参考:e-Gov 法令検索(国税通則法 第十章 罰則 第百二十八条)
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法人化後3年間は個人に対する税務調査に注意すべき理由

本項目では、法人化後3年間は個人に対する税務調査に注意すべき理由について、以下の点に分けて解説します。
- 税務調査では直近3年分の申告内容をチェックするのが一般的
- 廃業後は税務調査の対象に選ばれる確率が高い
- 法人化を契機に個人時代の経理や税務会計に関する処理をチェックされる
それでは、順番に見ていきましょう。
税務調査では直近3年分の申告内容をチェックするのが一般的
原則、法定申告期限から5年以内であれば、税務署は更正や決定を行えると定められていますが、実際の税務調査では直近3年分の申告内容をチェックするのが一般的です。

上記の理由から、法人化後3年間は個人に対する税務調査に注意するようにしましょう。
なお、偽りその他不正の行為が発覚した場合は、更正や決定の除斥期間が5年から7年になります。
参考:e-Gov 法令検索(国税通則法 第七十条 国税の更正、決定等の期間制限)
関連記事:税務調査における修正申告・更正とは?違いについて税理士が解説
廃業後は税務調査の対象に選ばれる確率が高い
繰り返しになりますが、税務署が更正や決定を行えるのは、法定申告期限から5年以内であるため、廃業後は税務調査の対象に選ばれる確率が高いです。

法人化に伴って個人事業の廃業届出書を提出すると、更正や決定の除斥期間内に申告内容を確認する目的で、個人に対する税務調査が実施されるケースも少なくありません。
原則、帳簿書類は7年間保存しておく義務があるため、法人化のタイミングで個人の帳簿や証憑書類を破棄してしまわないように注意しましょう。


帳簿書類の保存義務を守らずに破棄してしまうと、隠蔽行為とみなされて重加算税が課されたり、経費計上を否認されて過少申告加算税が課されたりするおそれがあります。
参考:e-Gov 法令検索(所得税法施行規則 第六十三条 帳簿書類の整理保存)
参考:e-Gov 法令検索(所得税法施行規則 第百二条 事業所得等に係る取引に関する帳簿の記録の方法及び帳簿書類の保存)
参考:財務省(加算税制度の概要①〔基本情報〕)
関連記事:法人成りで個人事業主の廃業届を提出する必要性やタイミングを解説
関連記事:法人成りで個人事業主を廃業しないデメリットとメリットを解説
法人化を契機に個人時代の経理や税務会計に関する処理をチェックされる
租税回避を目的とした法人化ではないかを確かめるために、個人時代の経理や税務会計に関する処理をチェックされるケースも少なくありません。
繰り返しになりますが、法人化後に利益が急増している場合は、個人のほうで売上の過少申告や不正な経費計上を行っていたのではないかと、税務署に疑われるおそれがあります。
税務調査が入るリスクを下げるには、個人時代の経理や税務会計に関する処理で、税務署から指摘を受けそうな箇所がないかを、法人化のタイミングで見直しておくのが大切です。
関連記事:合同会社に税理士はいらない?必要な理由から費用相場まで解説
関連記事:合同会社に税理士は必要?費用相場や不要なケースも解説
関連記事:マイクロ法人に税理士はいらない?自分で決算するリスクや費用相場まで解説
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法人化後に税務調査が入るリスクを減らすための対策

本項目では、法人化後に税務調査が入るリスクを減らすための対策について、以下の点に分けて解説します。
- 個人時代の証憑書類や帳簿などは捨てずに保管しておく
- 個人と法人で申告内容に一貫性を持たせる
- 個人の帳簿に記載されている事項は法人へ正確に引き継ぐ
- 個人時代の申告漏れに気づいた場合は修正申告を行う
- 経理や税務会計に関する処理にミスがないか税理士にチェックしてもらう
それでは、順番に見ていきましょう。
個人時代の証憑書類や帳簿などは捨てずに保管しておく
繰り返しになりますが、下表のとおり、証憑書類や帳簿は7年間保管しておくのが原則です。


個人時代の証憑書類や帳簿を、上表の保存期間が満了する前に処分してしまうと、申告内容の正当性を示せなくなるため、税務調査で不利な状況に追い込まれるリスクがあります。
たとえば、隠蔽行為とみなされて重加算税が課されたり、経費計上を否認されて過少申告加算税が課されたりするおそれがあります。
以上のように、税務調査で不利な状況に追い込まれないためにも、個人時代の証憑書類や帳簿などは、法人化後も捨てずに保管しておきましょう。
参考:e-Gov 法令検索(所得税法施行規則 第六十三条 帳簿書類の整理保存)
参考:e-Gov 法令検索(所得税法施行規則 第百二条 事業所得等に係る取引に関する帳簿の記録の方法及び帳簿書類の保存)
参考:財務省(加算税制度の概要①〔基本情報〕)
個人と法人で申告内容に一貫性を持たせる
法人化後は個人時代と法人の申告内容を見比べて、不自然な箇所がないかを税務署にチェックされるケースも少なくありません。
上記の理由から、個人と法人で申告内容に整合性が取れない項目があると、税務調査の対象に選ばれるリスクが高まります。
架空計上や私的流用の事実がないことを示すためには、請求書や領収書といった証憑書類の適切な保存が必要です。
以上のように、個人と法人で申告内容に一貫性を持たせたうえで、法人化前後で売上や利益の変動があった場合は、合理的に説明できる状態にしておくのが大切です。
税務調査への備えを万全にしたい場合は、税理士への相談も検討してみましょう。
個人の帳簿に記載されている事項は法人へ正確に引き継ぐ
個人の帳簿に記載されている事項は、法人へ正確に引き継ぐようにしましょう。
個人から法人へ引き継ぎする際の経理や財務会計に関する処理で誤ると、申告漏れにつながるおそれがあるため、税務調査の対象に選ばれるリスクが高まります。
| 資産の種類 | 引き継ぐ際の方法 | 引き継ぐ際の金額 |
| 棚卸資産 | 譲渡 | 通常の取引価格 |
| 減価償却資産 | 譲渡 | 時価 |
| 不動産 | 譲渡 | 時価 |
通常の取引価格や時価よりも高い金額で資産の譲渡を受けた場合は、差額分を役員賞与として扱う必要があるため、全額を法人の経費にできません。
一方、通常の取引価格や時価よりも低い金額で資産の譲渡を受けた場合は、差額分を受贈益として計上する必要があります。
なお、売掛金や買掛金については法人に引き継がず、個人のほうで回収や支払いを済ませるのが一般的です。
以上のように、個人の帳簿に記載されている事項を、法人へ正確に引き継いでいない場合は、税務調査で指摘されるおそれがあるため注意しましょう。
参考:国税庁(第1款 固定資産の取得価額)
参考:国税庁(第2款 経済的な利益の供与)
参考:国税不服審判所(受贈益|公表裁決事例等の紹介)
参考:J-Net21(会社法上の役員賞与の取り扱いについて教えてください。)
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個人時代の申告漏れに気づいた場合は修正申告を行う
税務調査の事前通知を受ける前に、自主的に修正申告を行えば、過少申告加算税は課されません。
ただし、延滞税は課されるため、新たに納める税金とあわせて納付が必要です。
繰り返しになりますが、法人化後3年間は個人に対する税務調査が実施されやすい傾向があるため、申告漏れを放置すると調査対象に選ばれるリスクが高まります。
上記の理由から、法人化のタイミングで個人時代の申告内容を見直して、ミスに気づいた場合は早めに対処しておくのが大切です。
参考:国税庁(No.2026 確定申告を間違えたとき)
参考:国税庁(No.9205 延滞税について)
参考:財務省(加算税制度の概要①〔基本情報〕)
関連記事:アフィリエイトの税務調査で確認される内容と対策を解説
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関連記事:フリーランスエンジニアが税務調査に狙われやすい理由を解説
経理や税務会計に関する処理にミスがないか税理士にチェックしてもらう
繰り返しになりますが、法人化は経理や税務会計に関する処理でミスが発生しやすいため、税務調査が入る確率が高まります。
税務調査の対象に選ばれるリスクを軽減させるためには、税理士の力を借りるのも有効な手段のひとつです。
税理士のサポートを受けながら法人化を進めれば、経理や税務会計に関する処理を正確に行えたり、税務調査で指摘されやすい項目を事前に解消できたりするメリットがあります。
法人化に伴う複雑な経理や税務会計に関する処理を、ミスなく自力で行えるか不安な場合は、税理士への依頼も検討してみましょう。
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法人化と税務調査に関するよくある質問

最後に、法人化と税務調査に関するよくある質問をご紹介します。内容は随時追記します。
個人事業主から法人化(法人成り)すると税務調査の対象になりやすいのはなぜですか?
個人事業主から法人化(法人成り)すると税務調査の対象に選ばれやすくなるのは、経理や税務会計に関する処理が複雑でミスが生じやすいためです。
また、個人事業主時代の申告内容をチェックできる最後の機会とみなされている点も、法人化(法人成り)のタイミングで税務調査の対象になりやすい理由のひとつです。
特に、法人化(法人成り)したあとの3年間は、税務調査の対象になりやすい傾向があるため注意しましょう。
関連記事:一人会社のリスク・デメリットと回避する方法を税理士が解説
税務調査が10年以上来ない法人もあると聞きますが、実際はどうなのでしょうか?
税務調査が実施される割合は全体の2%程度のため、10年以上来ない法人も珍しくありません。
- 法人税の申告件数:約322万件
- 実地調査の件数:約5万4千件
上記の数値をもとに計算すると、令和6事務年度における税務調査の実施率は約1.68%です。
約5万4千件(実地調査の件数)÷ 約322万件(法人税の申告件数)✕ 100 = 約1.68%(税務調査の実施率)
なお、近年はAIを活用したデータ分析の進展によって、効率的で精度の高い税務調査が実施されています。

引用:国税庁(令和6事務年度 法人税等の調査事績の概要|p4)
税務調査への備えを万全にしたい場合は、税理士への相談も検討してみましょう。
参考:国税庁(令和6事務年度 法人税等の調査事績の概要)
参考:国税庁(令和6事務年度 法人税等の申告〔課税〕事績の概要)
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まとめ

今回は、法人化で税務調査が入る確率が高まる理由から廃業後の個人事業主が狙われるケースまで解説しました。
法人化は経理や税務会計に関する処理でミスが発生しやすいため、税務調査が入る確率が高まります。
- 資産を引き継ぐ際に個人のほうで譲渡所得の申告が漏れる
- 役員報酬を不相当に高額な設定にしたり、ルールを守らずに経費計上したりする
- 消費税の免税事業者の判定を誤認して消費税の申告が漏れる
- 法人の資金を個人で使用する際に役員貸付金として適切に処理していない
- 売上や経費の計上時期を誤って法人と個人で過少申告が発生する
なお、法人化に伴って廃業した個人が税務調査に狙われやすい理由として、税務署が更正や決定を行える期間が、法定申告期限から5年以内である点が挙げられます。
更正や決定の除斥期間内に個人時代の申告内容を確認するために、税務調査が実施されるケースは少なくありません。

