合同会社か個人事業主ならどっちが得?違いやメリット・デメリットを比較して徹底解説

こんにちは、合同会社の設立支援が豊富な税理士の植村拓真です。

個人事業主で法人化する際、株式会社もしくは合同会社を選択する方が多いです。そして、会社設立に関する費用を抑えたいと考える方は、合同会社を選択する傾向があります。

しかし、合同会社か個人事業主のまま事業を行うならどっちが得なのかわからないと考えて、迷っている方も少なくありません。実際に弊所では、合同会社を選択して法人化すべきか、個人事業主のまま事業を行うべきか悩んでいる旨のご相談をいただく機会が多いです。

今回は同じように悩んでいる方向けに、合同会社か個人事業主ならどっちが得かについて違いやメリット・デメリットを比較して徹底解説します。

植村拓真
格安で合同会社を設立したい、専門家視点で適切な法人化のタイミングをアドバイスがほしい、ご自身に合った適切な節税対策も提案してほしい方は、お気軽に弊所までご相談くださいませ!

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合同会社か個人事業主ならどっちが得?

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合同会社か個人事業主ならどっちが得かですが、わかりやすい話だと所得税率と法人税率に注目して判断します。後ほど詳しく解説しますが、各税率の最大が所得税で45%、法人税で23.2%です。

国税庁 所得税 税率 画像

引用:国税庁(No.2260 所得税の税率)

国税庁 普通法人 法人税率 画像

引用:国税庁(No.5759 法人税の税率)

個人事業主のままでは所得が増えるほど納税額も増加するため、合同会社を設立して法人化したほうが得だと言えます。

ただし、上記はあくまで所得にかかる税率に焦点を当てた場合の話で、合同会社を設立して法人化するかどうかを判断する際は、他にも注目すべき内容があります。

合同会社か個人事業主ならどっちが得かを判断するうえで、所得にかかる税率だけで判断してしまうと損をするケースもありますので注意が必要です。

そこで本記事では、合同会社か個人事業主ならどっちが得かを判断するうえで確認すべき内容を解説していきます。

植村拓真
合同会社か個人事業主かを判断するうえで参考にしてみてください!

法人と個人事業主ではどっちが得かについては以下の記事で解説していますので、今回は合同会社と個人事業主に焦点を当てております。

関連記事:会社と個人事業主はどっちが得?メリット・デメリットを比較して法人化を検討

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そもそも合同会社と個人事業主とは

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事業主
合同会社って個人事業主なんですか?
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事業主
そもそも合同会社とはなんですか?

上記のような方向けに、合同会社と個人事業主のどっちが得かを判断する前に、各事業形態の特徴について解説します。

植村拓真
すでにご存じの方は次の項目からお読みください!

合同会社とは

合同会社とは、2006年に施行された会社法によって設立できるようになった、日本の会社形態のひとつである法人です。会社法により、有限会社が廃止されて導入されました。

合同会社の主な特徴は、出資者と経営者が同一である点です。株式会社であれば株主である出資者と経営者が分かれていますが、合同会社では株主総会を開く必要がなく、出資者がすべての経営権を有します。

そして、合同会社の出資者は社員と呼ばれており、全員有限責任社員で出資金額の範囲内のみ責任を負います。たとえば、合同会社が倒産して負債を抱えたとしても、出資金額を超える負担は発生しません。

 

また、合同会社の役職には代表社員と業務執行社員があります。代表社員とは合同会社を代表する役割を持つ社員で、業務執行社員は経営に関わる役職のことです。

原則、すべての社員が上記2つの役職に該当しますが、定款にて定めておけば特定の人物に限定できます。

植村拓真
複数人で合同会社を経営されるケースで誰かおひとりを代表に任命する際は、設立前にメンバー同士で相談したうえで決定しておくと、トラブルに発展するリスクを回避できます!

合同会社の主な特徴については、後ほど個人事業主と比較しながら解説します。

個人事業主とは

個人事業主とは、法人を設立せずに個人で事業を行う事業主のことです。事業を開始するためには、税務署に開業届を提出する必要があります

税務署に開業届を提出すれば、税務上の個人事業主として認められたうえで活動できます。本ケースの事業とは、独立して継続的に同じ種類の取引を行うことであり、不定期で行う販売活動などは該当しません。

ちなみに、開業届の有無に関係なく、雇用されずに個人で事業を行っていればフリーランスです

植村拓真
税務署に開業届を提出しておらず、法人化もしていない場合はフリーランスに該当します!

個人事業主の主な特徴については、次の項目で合同会社の主な特徴と比較しながら解説します。

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合同会社と個人事業主の違いを徹底比較

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それでは、合同会社と個人事業主の違いについて、事業形態ごとの特徴を比較しながら解説します。

項目 合同会社 個人事業主
事業開始にかかる費用と時間 1~2週間、約10万円 開業届の提出のみ、無料
所得にかかる税率や納める税金 法人税(最大23.2%)、法人住民税、消費税、法人事業税 所得税(最大45%)、住民税、消費税、個人事業税
事業を行う際の維持費 法人住民税7万円 なし
経理や税務会計の難易度 高い 低い
対外的な信用度 高い
(株式会社のほうが高い)
低い
節税できる範囲 広い 狭い
社会保険の加入義務 あり
(役員報酬ゼロならなし)
なし
(常時5人以上のスタッフを雇用する場合はあり)
責任の範囲 有限
(出資額の範囲内)
無限

事業開始にかかる費用と時間

合同会社と個人事業主では、事業開始に必要な費用と時間に大きな違いがあります。個人事業主として事業を開始するために必要な手続きは、税務署に開業届を提出するだけです。

特に費用はかからず、必要書類を作成して準備が整えば即日でも事業を始められます。

一方、合同会社として事業を開始するためには、会社を設立する必要があり一定の費用と必要書類の作成や手続きを行うための時間が必要です。合同会社の設立には、主に以下のような費用がかかります。

費用名 金額
登録免許税 6万円
収入印紙代 4万円
(電子定款であれば不要)

 

さらに、会社の実印作成や資本金の払込などで費用が必要です。法律上、資本金は1円でも合同会社を設立できますが、取引先や金融機関から信用が得づらくなってしまう傾向があります。

合同会社の経営を安定させるためにも、合同会社の設立費用だけでなく、数ヵ月分の運転資金を用意して、適切な資本金を設定しなければなりません。

合同会社は個人事業主と比べて、事業開始の際にまとまった費用と時間が必要である点が大きな違いです。設立するためには最低でも10万円は必要であることを、念頭に置いておきましょう。

植村拓真
よく、合同会社は株式会社よりも設立コストを抑えられると言われますが、まとまった費用と時間は必要ですので、事前に計画を立てたうえで設立しましょう!

所得にかかる税率や納める税金

合同会社と個人事業主では、所得にかかる税率や納める税金も大きな違いがあります。まず、合同会社の法人税率と個人事業主の所得税率をご覧ください。

国税庁 所得税 税率 画像

引用:国税庁(No.2260 所得税の税率)

国税庁 普通法人 法人税率 画像

引用:国税庁(No.5759 法人税の税率)

上記の所得にかかる税率の違いは、合同会社か個人事業主ならどっちが得かを判断するうえで重要なポイントです。

個人事業主の所得税率は最大45%であり、合同会社の法人税率は最大23.2%であるため、所得にかかる税率は、一定の所得を超えると合同会社のほうが個人事業主よりも低くなります

 

今後、納税額を抑えつつ事業で大きく稼ぎたい方にとっては、個人事業主よりも合同会社を選択したほうが税金面で得です。ただし、後ほど詳しく解説しますが、合同会社では赤字経営になった場合でも法人住民税の均等割が最低7万円かかります。

植村拓真
個人事業主の方で赤字であればかかりませんが、合同会社はかかるので注意しましょう!

関連記事:法人税と所得税ならどっちが得?税金面で法人化すべきケースを解説

事業の行う際の維持費

合同会社と個人事業主の主な違いとして、事業を行う際の維持費も挙げられます。繰り返しになりますが、合同会社では赤字経営でも法人住民税の均等割が7万円かかります。

個人事業主であれば事業で赤字を出してもかかりませんが、合同会社などの法人では赤字でも支払いが必要です。ですので、合同会社か個人事業主ならどっちが得かを判断する際は、所得にかかる税率だけでなく住民税も考慮しましょう

経理や税務会計の難易度

合同会社と個人事業主の違いを比較してどっちが得かを判断するうえで、経理や税務会計の難易度は欠かせない要素です。個人事業主で法人化すべきかどうかを判断する際、所得税かかる税率ばかりに目を向けがちですが、経理や税務会計の難易度を見落としてしまうと損をするケースがあります

というのも、合同会社を含めた法人の経理や税務会計の難易度は、個人事業主よりもかなり高いからです。個人事業主の経理や税務会計であれば、売上や取引量次第では独学でも適切に行えます。

青色申告の控除を受ける方でも、一定の専門知識と会計ソフトを活用すれば正確に処理できます。

植村拓真
実際に、専門知識を有していない個人事業主でも、青色申告を自力で行っている方はいらっしゃいます!

 

一方、合同会社の経理や税務会計は個人事業主に比べると複雑で、専門知識を必要とする場面が多いです。法人税や消費税の申告、損益計算書や貸借対照表の作成など、企業会計のルールに基づいた処理を行わなければなりません。

そのため、合同会社を設立したあとも税理士に依頼する予定がない方は、経理や税務会計を行う際に不明な点が多くて時間がかかってしまい、事業に集中できずに後悔する傾向があります。

合同会社か個人事業主ならどっちが得かを判断する際は、今後税理士に依頼する予定があるかどうか依頼しないなら専門知識を学ぶ時間を確保できるかを考慮しましょう

対外的な信用度

対外的な信用度(社会的な信用度)も、合同会社と個人事業主では明確に違います。知名度が高い株式会社に劣りますが、合同会社の対外的な信用度は個人事業主よりも高いです。

株式会社より劣るとはいえ、現在では合同会社を選択する有名な大手企業が増加している影響で、以前よりも高まっています。合同会社も法人であるため、個人事業主よりも融資の審査に通りやすい傾向があったり取引先からの信頼を得やすかったりします

 

一方で、個人事業主の対外的な信用度は合同会社よりも低いです。企業によっては法人でなければ取引しないケースもありますので、合同会社に比べると新規取引先を開拓する際に苦労する傾向があります。

また、融資の審査に通りづらいため、事業拡大のしやすさなら合同会社のほうが得です

植村拓真
弊所は、国から経営革新等支援機関の認定を受けている会計事務所ですので、資金調達が必要な方はお気軽にご相談くださいませ!

関連記事:創業融資・資金調達支援サービスについて

節税できる範囲

節税できる範囲の違いを考慮して、個人事業主から法人化して合同会社を設立する方は少なくありません。合同会社は株式会社と同じく法人ですので、節税の選択肢が個人事業主よりも豊富で範囲が広いです。

合同会社では、社長個人が受け取る役員報酬に給与所得控除が適用されます。そして、所得にかかる税率が最大23.2%で個人事業主の最大45%より低いため、税率面で得です。

さらに、役員に任命した家族に支払う役員報酬も適切に経費計上できたり赤字を10年間繰り越せたりするため、長期にわたって節税できます。

 

一方で個人事業主は、節税の選択肢が合同会社に比べて少なく、所得が増えるほど納税額が高くなりがちです。経費計上の範囲が狭く自身への給与は支払えないため、給与所得控除を活用できません。

さらに、赤字の繰越期間が3年間と短めで、合同会社とは違い柔軟に節税対策を実施しづらいです。売上増加で所得も増加しているため、さらに節税したいと考えている方は、法人化して合同会社を設立したほうが得です。

関連記事:【法人版】節税対策の裏ワザ|手元により多くの資金を残す方法

関連記事:合同会社が経費で落とせるもの一覧|いくらまで経費計上できる?

社会保険の加入義務

社会保険の加入義務ですが、原則として合同会社は一人社長でもあります

一方で個人事業主の場合は任意です。ただし、適用業種に該当しており、常時5人以上のスタッフを雇っている場合は、社会保険の加入義務は発生します。

個人事業主であれば社会保険の加入義務はないといった情報をよく見かけますが、加入する必要がある方もいるので注意しましょう。

責任の範囲

最後は、合同会社と個人事業主の責任の範囲の違いです。合同会社は有限責任で運営されており、会社の負債について出資者である社員は出資額を超える責任を負いません

たとえば、合同会社が倒産して多額の負債を抱えた場合、社員は出資額分の支払いは求められますが、個人資産は失わずにすみます

 

一方、個人事業主の場合は無限責任です。事業に関連しているすべての負債について、個人資産を含めて責任を負わなければなりません

事業が失敗して多額の借入金が残ってしまった場合、個人の財産や預貯金だけでなく、不動産まで差し押さえられるおそれがあります。合同会社と個人事業主では責任の範囲が違いますので、どっちが得かを判断する際は税金面だけでなく責任の範囲も忘れずに考慮しましょう。

植村拓真
ご自身の状況に合わせて適切なタイミングで法人化したい、格安かつ丸投げで法人化を完了したい、法人の経理や税務会計も丸投げして事業に集中したい方は、お気軽に弊所までご相談くださいませ!

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個人事業主から合同会社を設立するメリット

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個人事業主で合同会社を設立して法人化するメリットについて解説します。法人化するうえで、合同会社か株式会社のどっちがいいかを判断するうえで、参考にしてみてください。

  • コストを抑えて法人化できる
  • 売上が伸びているほど節税につながる
  • 株式会社ほどではないが対外的な信用を得られる
  • 株式会社よりも柔軟な共同経営が実現できる

コストを抑えて法人化できる

合同会社を設立するメリットとして、株式会社よりもコストを抑えて法人化できる点が挙げられます。株式会社を設立する際、公証役場で定款の認証を受ける必要があり、費用は3万〜5万円程度かかります。

そして、登録免許税15万円が必要ですので、最低でも合計20万円の費用が必要です

さらに、株式会社には決算公告の義務があるため、決算時に公告の費用と時間がかかります。

 

一方、合同会社であれば定款の認証手続きが不要で、収入印紙代や登録免許税を合わせても10万円程度あれば設立できます。決算公告の義務もないため、運営にかかる費用と時間が株式会社よりも少ないです

上記のとおり、合同会社を設立すれば、費用や時間といったコストを抑えて法人化できます。

合同会社 株式会社
定款認証手数料 不要 3万〜5万円
収入印紙代
(電子定款なら不要)
4万円 4万円
登録免許税 6万円 15万円
合計額 約10万円 約25万円

売上が伸びているほど節税につながる

株式会社も同様ですが、個人事業主が法人化して合同会社を設立すれば、売上が多いほど節税につながります。繰り返しになりますが、所得にかかる最大税率が法人のほうが低いからです。

国税庁 所得税 税率 画像

引用:国税庁(No.2260 所得税の税率)

国税庁 普通法人 法人税率 画像

引用:国税庁(No.5759 法人税の税率)

個人事業主で売上が大きく伸びて安定している方は、法人化が大きな節税につながる傾向があります。そして、合同会社は法人で個人事業主よりも節税できる範囲が広いため、経費が少ないと考えている個人事業主の方が法人化すれば大きなメリットを享受できます。

関連記事:合同会社の設立で節税できる理由|設立の基準やデメリットも解説

株式会社ほどではないが対外的な信用を得られる

繰り返しになりますが、合同会社の対外的な信用は、株式会社ほど知名度がないため低い傾向があります。しかし、個人事業主よりは対外的な信用が得やすいため、資金調達やリクルートなどの対外的な信用が必要な場面で有利です

今後、事業規模をより大きくして会社を大きくしたい場合は株式会社を選択すべきですが、節税目的であれば設立や運営のコストが安い合同会社で十分です。費用や時間はかかりますが、あとから株式会社に変更できますので、ひとりまたは少人数で会社を経営する予定の方は、合同会社を設立する傾向があります。

株式会社よりも柔軟な共同経営が実現できる

共同経営の柔軟性は、株式会社より合同会社のほうが高いです。株式会社では出資額に基づいて利益の配当が決定するため、事業における役割や貢献度を反映した配分は難しい傾向があります

一方で合同会社の配当には出資額による縛りがないため、役割や貢献度に応じて柔軟に金額を決められます。また、合同会社は機関設計の柔軟性が高いです。

役職や業務内容について定款で自由に定められるため、出資者全員を経営に関与できる状態にして、平等に意見が反映される仕組みを作れます。

植村拓真
会社を共同経営する予定の方は、経営の柔軟性に注目して合同会社を検討してみましょう!

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個人事業主から合同会社を設立するデメリット

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合同会社の設立にはメリットがあればデメリットもありますので、続けて確認していきましょう。

  • 設立にまとまった費用と時間がかかる
  • 株式会社よりも対外的信用は得づらく制限が多い

設立にまとまった費用と時間がかかる

会社を設立する以上仕方がない話ではありますが、合同会社で法人化するためにはまとまった費用と時間がかかります。個人事業主のように、税務署に開業届を提出すれば、無料ですぐに事業を開始できるわけではありません

先ほど紹介したとおり、合同会社の設立費用は約10万円かかります。そして、会社を設立するためには、定款の作成や認証、登記申請や法人口座の作成など、さまざまな手続きが必要です。

早ければ数日で完了するケースもありますが、初めてで自力で行う場合は調べながらなので1ヶ月以上かかるおそれがあります。また、会社設立後にも年金事務所や役所、税務署にて、さまざまな手続きを決められた期間以内に行わなければなりません。

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事業に集中しつつ合同会社を設立して法人化したい、漏れなくスムーズに完了したい、同時に適切な節税対策を徹底したい方は、お気軽に弊所までご相談ください!

株式会社よりも対外的信用は得づらく制限が多い

合同会社は株式会社よりも知名度が低く対外的な信用を得づらいと解説しましたが、さらに制限も多いです。株式会社に比べると、資金調達やリクルートで不利になるだけでなく、上場できない都合で大きく資金調達するタイミングで苦労します

繰り返しになりますが、今後会社を大きくする予定がある方は、株式会社に切り替える計画を立てておいたり、最初から株式会社の選択を検討したりしておきましょう。

植村拓真
一人社長で事業を継続していく予定で事業規模を大きくする予定がない方は、合同会社の設立に向けてシミュレーションを実施して準備を進めましょう!

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個人事業主から合同会社に切り替える手順

個人事業主から合同会社に切り替える手順 画像

個人事業主から合同会社に切り替える手順は、いくつかのステップを経て進めます。大まかな手順は以下のとおりです。

設立方法について漏れなく調べる
(必要書類や申請場所、手続き期限など)

会社の基本情報を決める

定款を作成する

法務局で登記申請する

税務署に法人設立届出書を提出する
(設立完了後も手続きがあるので忘れない)

まずは、会社の基本情報である以下の情報を決めます。

  • 会社名
  • 所在地
  • 事業目的
  • 資本金
  • 出資者
  • 役員構成
    など

会社名には使用できない文字やルールがあるので、事前に調べておきましょう。

 

続いて、会社のルールを定めた書類である合同会社の定款を作成します。合同会社では公証役場での認証は必要ありません。

定款を紙で作成する場合は収入印紙代が必要ですが、電子定款であれば4万円の収入印紙代は不要です

定款を作成したら法務局で登記申請を行います。定款、登記申請書、印鑑届出書、資本金の払込証明書などが必要ですので、漏れなく準備しておきましょう。

合同会社の登録免許税である最低6万円も準備しておきましょう。登記申請が完了しましたら、税務署に法人設立届出書を提出します。

植村拓真
同時に、青色申告の承認申請や給与支払いに関する書類も提出しておけば、税務面の準備が整ってスムーズに設立できます!

 

また、社会保険の手続きも忘れずに行いましょう。以上の手順を経て、個人事業主から合同会社への切り替えが完了します。

個人事業主から合同会社に切り替える際は、各手続きの期限や必要書類を事前に確認したうえでスケジュールを組み、スムーズに完了するための準備を整えておきましょう。

合同会社の設立から税理士に依頼すれば、上記について丸投げできるため、事業に集中しつつも漏れなくスムーズに切り替えが完了します。合同会社の設立を専門家に依頼するメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:合同会社に税理士は必要?費用相場や不要なケースも解説

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合同会社と個人事業主のインボイス制度の対応

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個人事業主であろうと合同会社であろうと、インボイス制度には対応しなければなりません

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事業主
法人ならインボイス制度の対応は不要?

上記のように考える方はいますが、法人でも対応は必要です。インボイス制度に対応していない方は、本項目で解説する内容を参考にしてみてください。インボイス制度への対応において、合同会社と個人事業主ではいくつかのポイントで異なります。

まず、合同会社の場合、資本金を1,000万円以上に設定して設立する場合初年度から消費税の課税事業者となるため、適格請求書発行事業者として登録できます。

植村拓真
適格請求書発行事業者になりインボイスを発行するためには、消費税の課税事業者を選択する必要があります!

 

一方で個人事業主や資本金が1,000万円未満の合同会社では、課税売上高が1,000万円を超えなければ消費税の免税事業者です。適格請求書発行事業者の登録を行うためには、消費税の課税事業者を選択して、消費税課税事業者選択届出書を税務署に提出する必要があります

適格請求書発行事業者として登録しなければ、取引先が仕入税額控除を受けられないため、特にBtoB取引が中心の方は登録の必要性が高いです。

植村拓真
制度開始後の現在、登録が必要であれば取引先から要求されているかと思われます!

 

消費税の課税事業者を選択する場合、消費税の申告と納税が求められるため税務の作業難易度が高まります。合同会社と個人事業主のインボイス制度対応は、業種や取引先の意見などに合わせて行うようにしましょう。

関連記事:インボイス制度と法人成り|タイミングから影響と対策まで解説

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合同会社と個人事業主を兼任する選択肢もある

合同会社と個人事業主を兼任する選択肢もある 画像

起業前や個人事業主で合同会社の設立を検討している方から、よく合同会社と個人事業主は兼任できないかといった旨のご相談をいただきます。

結論から述べますと、合同会社と個人事業主は兼任できます。合同会社と個人事業主を兼任する選択肢は、社会保険料や税金を抑えるうえで有効です。マイクロ法人と個人事業主の二刀流とも呼ばれています。

植村拓真
ある程度売上が伸びてきた個人事業主の方で兼任を検討される方は、実際に多くいらっしゃいます!

 

ただし、いくつかの注意点があり、合同会社と個人事業主で同じ事業は行えません。同一事業の兼任は、税務上の租税回避とみなされるおそれがあるためです。

租税回避とは、経済的合理性が説明できない取引を利用して税負担を低く抑える行為で、違法ではないものの、悪質なケースだと税務署から否認されることがあります。合同会社と個人事業主の兼任を検討する際は、明確に異なる事業を選ぶ必要があります

たとえば、個人事業主としてアフィリエイト業を行い合同会社でコンサルティング事業を行う場合は問題ありません。一方、個人事業主と合同会社の両方でコンサルティング業を営む場合は、適切とは言えず税務署から否認されるリスクが高まります。

 

ちなみに、合同会社と個人事業主で経理や税務会計を行う必要があるため、事業を行ううえでの負担が増加する点にも注意しましょう。

上記のとおり注意点はありますが、合同会社と個人事業主の兼任はできますし、社会保険料や税金を抑えるうえで有効な手段です。合同会社と個人事業主の兼任マイクロ法人と個人事業主の二刀流についての詳細は、以下の記事で解説しています。

関連記事:個人事業主と法人を掛け持ちするメリット・デメリットについて税理士が解説

関連記事:マイクロ法人と個人事業主の二刀流で節税するメリット・デメリットを解説

植村拓真
実際にご自身のケースでは有効な手段なのか、事業に集中しつつ兼任したい方は、お気軽にマイクロ法人の顧問実績が豊富な弊所までご相談くださいませ!

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まとめ

ネットビジネスに強い税理士 植村拓真 追伸 画像

今回は、合同会社か個人事業主ならどっちが得かについて違いやメリット・デメリットを比較して徹底解説しました。合同会社と個人事業主ならどっちが得かを判断する際に注目すべきポイントを振り返っておきましょう。

項目 合同会社 個人事業主
事業開始にかかる費用と時間 1~2週間、約10万円 開業届の提出のみ、無料
所得にかかる税率や納める税金 法人税(最大23.2%)、法人住民税、消費税、法人事業税 所得税(最大45%)、住民税、消費税、個人事業税
事業を行う際の維持費 法人住民税7万円 なし
経理や税務会計の難易度 高い 低い
対外的な信用度 高い
(株式会社のほうが高い)
低い
節税できる範囲 広い 狭い
社会保険の加入義務 あり
(役員報酬ゼロならなし)
なし
(常時5人以上のスタッフを雇用する場合はあり)
責任の範囲 有限
(出資額の範囲内)
無限

個人事業主より合同会社が得になる主なケースは、事業で安定した所得があったり税理士をつける予定があり事業を拡大する予定もあったりするときです。

事業で安定した所得がある方も適切に経理や税務会計税制改正や税務調査に自力で対応できないと後悔するおそれがあるので注意しましょう。

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