こんにちは、植村会計事務所代表の植村拓真です。
副業を解禁する企業が増加している昨今、会社員(サラリーマン)で副業を開始して売上を伸ばし、会社設立を検討している方も増加しています。
本記事を執筆している時点でも、三井住友銀行が10月から副業を解禁する旨のニュースが報道されていました。
三井住友銀行 10月から全従業員約3万人に副業解禁へ スポーツの指導者・語学講師など 外部企業で働くことを想定(TBS NEWS DIG Powered by JNN)#Yahooニュースhttps://t.co/m6zkdn7Fhg
— 植村拓真|ネットビジネス・IT業の税理士 (@Takuma_Uemura_) September 27, 2024
副業を解禁する企業が増加している影響か、弊所では会社設立を検討している会社員の方からよくお問い合わせをいただくのですが、特に以下のような内容でご相談いただきます。
副業を解禁する企業が増加しているとはいえ、以前どおり禁止している企業は少なくありません。
そのため、副業を始めることすらできないといった会社員の方がいるのも現状です。
では、会社員は副業で合同会社を設立できないし、そもそも副業をやめるべきなのかというと、そうではありません。
注意事項はありますが、実際に会社員で合同会社を設立して副業に取り組んでいる方はいます。
本記事では、合同会社での副業が会社にばれる原因と対策について起業時の注意点もあわせて解説します。
合同会社での副業が会社にばれる原因と対策
合同会社を設立して副業を始めたい、法人化したいと考えている会社員の方は珍しくありません。
繰り返しになりますが、実際に会社員で合同会社を設立して副業に取り組んでいる方もいます。
では、どのようにして会社員が会社にばれずに合同会社で副業を行うのかについて、ばれる原因や対策とあわせて解説します。
合同会社の役員報酬をゼロにして副業で社会保険に加入しない
副業で設立した合同会社から役員報酬を受け取ると、社会保険の加入義務が発生して、会社に副業だけでなく合同会社の設立もばれる原因になります。
本業と副業の2社で社会保険に加入すると、年金事務所から本業の会社に社会保険料の通知が届くからです。
そこで、副業の会社で役員報酬をゼロに設定すれば、本業の会社に社会保険料の通知が届かないので、合同会社の設立はばれません。
関連記事:会社員の会社設立はばれる!勤務先に内緒で法人化する方法と注意点を解説
合同会社から副業OKの家族に役員報酬を支払う
合同会社から家族に役員報酬を支払えば、あなたが直接報酬を受け取るわけではないため、社会保険料の通知が原因で本業の会社に副業がばれる心配はありません。
ただし、家族が副業OKであること、合同会社の役員として実際に業務に取り組んでいること、役員報酬が適正な金額であることといった条件を満たす必要があります。
役員報酬の適切な設定方法に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:役員報酬はいくらにするのが得?節税対策と効果を最も高める方法を解説
会社で副業について話さず登記情報を調べさせない
合同会社を設立して副業に取り組んでいることを第三者にバレたくない方は、本業の会社で副業について他言しないようにしましょう。
社内で上司や同僚、部下などに副業について他言しなければ、バレるリスクを下げられます。
万が一、本業の会社で副業について話してしまうと、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を調べられてバレる恐れがあります。
特に、あなたが合同会社の社長ではなく家族を代表に指名する場合、自分の名前が謄本に記載されないため、さらにばれるリスクが下がります。
ネット上で活動する際は個人情報を一切出さない
副業で合同会社を設立して集客目的でネットを活用する場合は、なるべく個人情報を出さないようにしましょう。
ブログやSNS、YouTubeなどで個人情報を出してしまうと、バズったことがキッカケで本業の会社の人に副業がバレて、合同会社の設立も公言していればバレかねません。
ですので、合同会社を設立して副業を行っていることはもちろん、本名や本業の情報などといった個人情報もネット上に出さないようにしましょう。
合同会社を設立して副業で起業する際によくある質問
最後に、合同会社を設立して副業で起業する際によくある質問を紹介します。
※内容は随時更新していきます
プライベートカンパニーは副業禁止の会社でも設立して問題ありませんか?
副業禁止の会社に勤務している場合でも、公務員でなければ、プライベートカンパニーの設立自体は法的になんら問題はありません。
ただし、会社内で副業が知られると、出世や人間関係に影響が出たり、職場とのトラブルに発展したりするケースがあるため注意が必要です。
関連記事:退職前(在職中)に会社設立する違法性|バレずに起業する際の注意点
副業で起業して一人社長になる際に合同会社を設立するメリットはなんですか?
副業で起業して合同会社の一人社長になる際のメリットは、設立費用が株式会社よりも安く抑えられる点にあります。
そして会社運営の面では、役員会や株主総会が不要で意思決定がスムーズに行えるため、個人事業主のように柔軟な運営ができる点にあります。
関連記事:法人化で一人社長になるとは?メリット・デメリットや個人事業主との違いを税理士が解説
まとめ
今回は、合同会社での副業が会社にばれる原因と対策について起業時の注意点もあわせて解説しました。
もう一度、今回解説した合同会社での副業が会社にばれないための対策について振り返っておきましょう。
- 合同会社の役員報酬をゼロにして副業で社会保険に加入しない
- 合同会社から副業OKの家族に役員報酬を支払う
- 会社で副業について話さず登記情報を調べさせない
- ネット上で活動する際は個人情報を一切出さない
本業の会社にバレずに、副業で合同会社を設立して事業を行いたいと考える方は珍しくありません。
実際に弊所では、副業で売上が伸びた方が節税目的で合同会社を設立したい方からの問い合わせをよくいただきます。
副業で合同会社を設立したいと考えている方は、本記事の内容を参考にしながら、合同会社を設立してみてください。