こんにちは、フリーランスの法人化の支援実績が豊富な税理士の植村拓真です。
近年、働き方の多様化が進み、フリーランスとして生計を立てる方が増加しています。
2024年11⽉1⽇からフリーランス・事業者間取引適正化等法が施⾏され、フリーランスの労働環境を守るべく、国を挙げての取り組みが進められています。
下表のとおり、フリーランスの人口や経済規模はさらに拡大する見込みです。
引用:ランサーズ株式会社(フリーランス実態調査 2024年)
弊所でも、売上規模が拡大してきたフリーランスの方から、節税対策に関してご相談をいただく機会が増加しております。
特に、効果的な節税対策として、法人化を検討されているフリーランスの方が多いです。具体的には、下記のような質問をよくいただきます。


そもそも、自分1人だけの会社は作れるのでしょうか?

本記事を読んでいるフリーランスの方の中にも、上記のような疑問や不安を抱えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、フリーランスが法人化して1人社長になるメリットとデメリットについて解説します。
フリーランスのままでいるべきか、法人化するべきかで悩んでいる方は、本記事を参考にしてみてください。
格安で法人化したい方、法人化による節税効果をシミュレーションしたい方は、弊所までお気軽にご相談くださいませ!
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フリーランスが法人化して1人社長になるメリット
本項目では、フリーランスが法人化して1人社長になるメリットについて解説します。

事業規模をさらに拡大させたい!

上記のように考えているフリーランスの方は、本項目を参考にしてみてください。フリーランスが法人化して1人社長になるメリットは、次のとおりです。
- 社会的な信用度が向上する
- 有限責任になる
- 節税効果が高まる
- 事業展開の選択肢が広がる
- 資金を調達しやすくなる
- 人件費や教育費を抑えた経営ができる
- 自由な働き方やビジョンを実現できる
- 事業承継しやすくなる
それでは、1つずつ見ていきましょう。
社会的な信用度が向上する
法人化には費用や手間がかかりますが、法人格を得られるため、取引先や金融機関からの信用が得やすいです。
上記の理由から、フリーランスと比べると取引を有利に進められるようになったり、融資の審査が通りやすくなったりします。
なお、登記情報はインターネット上でも確認できるため、社会的な信用度が高まる要因の1つになっています。
特に、社会的な信用度の向上が目的で法人化する場合、会社形態は株式会社を選ぶのがおすすめです。
合同会社は2006年に誕生した比較的新しい会社形態のため、下記のような理由で株式会社よりも信用を得にくいケースがあるからです。
- 社会的な認知度が低く、怪しまれやすい
- 決算公告の義務がないため、財務状況が不透明
- 所有と経営が一致するため、ガバナンス面で懸念を持たれる
なお、合同会社で法人化するデメリットについては、下記の記事でさらに詳しく解説しています。
関連記事:合同会社は怪しいからやめとけといわれる理由|トラブル例や設立のデメリットも解説
有限責任になる
上記の理由から、個人の財産を失うおそれがあります。一方、株式会社や合同会社は出資額の範囲内でしか債務を負わない有限責任です。
以上の理由から、フリーランスが法人化して1人社長になると、事業が失敗した場合のリスクを軽減させられます。
ただし、株式会社や合同会社で法人化後、金融機関から融資を受ける際に個人保証を求められる場合、実質的に無限責任となるため注意が必要です。
参考:J-Net21(有限責任と無限責任について教えてください。)
参考:中小企業庁(経営者保証)
関連記事:法人化で一人社長になるとは?メリット・デメリットや個人事業主との違いを税理士が解説
節税効果が高まる

上記のような疑問を抱いているフリーランスの方向けに、法人化によって節税効果が高まる理由について解説していきます。
法人化が節税につながる主な理由は下記のとおりです。順番に解説します。
- 赤字の繰り越し期間が伸びる
- 法人税の適用で税負担の軽減が期待できる
- 経費計上できる範囲が拡大する
赤字の繰り越し期間が伸びる
個人事業主のフリーランスが法人化すると、赤字の繰り越し期間が長くなります。赤字の繰越控除は青色申告の特典の1つです。個人事業主のフリーランスの場合、最大3年までしか赤字を繰り越せません。
一方、法人化すれば、赤字を最大10年間繰り越せるようになるため、翌事業年度以降の黒字と相殺できます。
上記の理由から、個人事業主のフリーランスと比べると長期的な税負担の軽減が期待できます。
以上のように、資金繰りを安定させる手段が増えるのも、フリーランスが法人化するメリットの1つです。
参考:国税庁(No.2070 青色申告制度)
参考:国税庁(No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除)
関連記事:【法人版】節税対策の裏ワザ|手元により多くの資金を残す方法
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法人税の適用で税負担の軽減が期待できる
フリーランスが納める所得税の税率は、課税所得が増えるほど高くなる超過累進税率です。
上記の理由から、課税所得の多いフリーランスは、税負担が重くなるおそれがあります。
一方、法人化すると適用される法人税の税率は、所得税と比べると緩やかです。
下表のとおり、法人税では800万円以下の課税所得に15%、800万円を超える課税所得に23.2%の税率がかかります。
以上のように、法人税は所得税と異なり、一定の税率で計算されるため、課税所得が多いケースでは税負担の軽減が期待できます。
参考:国税庁(所得税のしくみ)
関連記事:法人税と所得税ならどっちが得?税金面で法人化すべきケースを解説
経費計上できる範囲が拡大する
フリーランスが法人化すると、経費計上できる範囲が拡大します。
具体的には次のとおりです。
- 役員報酬
- 退職金
- 法人名義の生命保険料
- 社会保険料(会社負担分)
- 日当(出張手当や旅費手当など)
フリーランスには給与の概念がないため、役員報酬や退職金、日当などを支給できません。
以上のように、法人化すると経費計上できる範囲が拡大するため、課税所得を圧縮させる効果が期待できます。
なお、1人社長の自宅の家賃を経費にする方法や1人社長が経費で落とせるものについては、下記の記事でさらに詳しく解説しています。
関連記事:1人社長の自宅の家賃を経費にする方法と注意点を税理士が解説
関連記事:一人社長が経費で落とせるもの一覧|制限があるもの・落とせないものも解説
参考:国税庁(No.5211 役員に対する給与|平成29年4月1日以後支給決議分)
参考:国税庁(No.5208 役員の退職金の損金算入時期)
参考:J-Net21(生命保険のしくみと税務)
参考:国税庁(No.2600 役員に社宅などを貸したとき)
参考:国税庁(第3節 保険料等|社会保険料の損金算入の時期)
参考:e-Gov(所得税法 第九条 非課税所得)
事業展開の選択肢が広がる
繰り返しになりますが、法人化すると社会的な信用度が向上します。上記によって、下記のような事業上のメリットが期待できます。
- 大手企業との取引が決まる
- 取引先から大口契約が取れる
- 金融機関から多額の融資を受けられる
- 人材採用がしやすくなる
- 他社と業務提携しやすくなる
- 自治体の委託事業に応募できる
以上のように、法人化によって事業の幅を広げられるため、事業規模を拡大させたいフリーランスの方は法人化を検討しましょう。
関連記事:法人成りのメリットは責任・信用・節税面にあり!デメリットもあわせて解説
資金を調達しやすくなる
フリーランスが法人化すると、資金調達しやすくなります。繰り返しになりますが、法人化によって社会的な信用度が高くなるためです。
たとえば、金融機関から融資を受ける際、審査が通りやすくなります。また、社債や株式の発行による資金調達も行えるようになります。
法人化すると補助金や助成金の選択肢が広がる点もメリットの1つです。事業規模の拡大や安定した資金繰りを目指す場合、法人化を検討しましょう。
参考:J-Net21(社債を発行しようと思いますが、留意すべき点を教えてください。)
参考:J-Net21(デット・ファイナンスとエクイティ・ファイナンスの違いについて教えてください。)
参考:経済産業省(ミラサポplus 補助金・助成金 中小企業支援サイト)
関連記事:日本政策金融公庫の融資審査を確実に通すためのチェックポイント6選
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人件費や教育費を抑えた経営ができる
人件費や教育費を抑えた経営ができるのは、フリーランスが法人化して1人社長になるメリットの1つです。
法人の設立と同時に従業員を雇うケースが一般的ですが、給料の支払いに加えて、社会保険料や福利厚生費、研修費などの負担が発生します。
また、採用した人材が期待どおりに働くとは限らず、教育に手間や費用がかかるケースもあります。
一方、フリーランスが法人化して1人社長になった場合、上記のようなコストはかかりません。
特に、近年では生成AIの進化によって業務の効率化が進み、自分1人でも事業規模を拡大させやすいような環境になっています。
以上のように、フリーランスが法人化で1人社長になると、人材コストのかからない効率的な経営が実現しやすいです。
関連記事:会社と個人事業主はどっちが得?違いやメリット・デメリットを比較して法人化を検討
自由な働き方やビジョンを実現できる
繰り返しになりますが、基本的に1人社長は従業員を雇わないため、人材コストがかからず、組織の方針にも縛られません。
意思決定をすべて自分1人で行えるため、やりたい仕事に集中でき、取引先や業務内容も柔軟に選択できます。
以上のように、組織に縛られない自由な働き方を続けられるのが、1人社長の大きなメリットです。
関連記事:法人成りのメリットは責任・信用・節税面にあり!デメリットもあわせて解説
事業承継しやすくなる
フリーランスが法人化すれば、事業承継しやすくなります!
フリーランスが事業承継する場合、権利義務の主体が個人のため、税務上の変更手続きや事業用資産の引き継ぎ、取引契約の再締結など多くの手間が発生します。
一方、法人化すれば、権利義務の主体は法人になるため、代表が交代しても税務上の変更手続きや取引契約の再締結は不要です。
また、法人名義で取得した許認可や事業用資産は、引き継ぎに関する手続きがいらないケースも多いため、フリーランスと比べると事業承継の手間がかかりにくいです。
以上のように、法人化すれば、事業承継に伴う煩雑な手続きを軽減できるメリットがあります。
参考:中小企業庁(事業承継を知る)
参考:中小企業庁(第2節 個人事業者の事業承継)
参考:J-Net21(個人事業主の事業承継について、税務上の留意点はありますか?)
関連記事:個人事業主から合同会社に切り替えて法人化する手順やメリット・デメリット
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フリーランスが法人化して1人社長になるデメリット
本項目で解説するのは、フリーランスが法人化して1人社長になるデメリットについてです。
先に述べたように、フリーランスの方が法人化すると、さまざまなメリットを享受できます。
しかし、下記のようなデメリットもありますので、法人化を検討するうえで念頭に置きましょう。
- 経理や税務会計に関する業務の負担が増える
- フリーランスと比べるとコストがかかる
- 資産は個人と法人で区別して管理する必要がある
それでは、順番に見ていきましょう。
経理や税務会計に関する業務の負担が増える
経理や税務会計に関する業務の負担が増えるのは、フリーランスが法人化して1人社長になるデメリットの1つです。
1人社長であっても決算が必要であり、貸借対照表や損益計算書などの書類を作成しなければなりません。
フリーランスの場合、経理や税務会計に関する業務の難易度は低いため、自力で行えるケースが多いですが、1人社長の場合は難易度が格段に上がります。
たとえば、法人化によって経費計上できる範囲が拡大するため、勘定科目が増えたり税務上の手続きが増えたりします。
参考:e-Gov(会社法 第四百三十五条 計算書類等の作成及び保存)
参考:e-Gov(法人税法 第七十四条 確定申告)
関連記事:決算申告を税理士に丸投げする際の費用相場や安く抑える方法
関連記事:一人社長(一人会社)の税理士の必要性|費用相場と選び方も解説
フリーランスと比べるとコストがかかる
法人化した場合、フリーランスの頃と比べると、下記のような項目においてコストがかかるおそれがあるため注意しましょう。
- 設立時
- 社会保険料
- 税金
- 確定申告
- 決算公告
- 役員変更の登記
- 株主総会の開催
- 廃業時
上記について1つずつ解説します。
設立時
フリーランスが法人化する場合、資本金の払い込みや設立登記に関する費用などが必要になります。
資本金は1円でも問題ありませんが、社会的な信用度の観点からみて、最低でも数十万円程度は用意した方が良いです。
また、設立の登記でかかる主な費用は、次のとおりです。
項目 | 株式会社 | 合同会社 |
登録免許税 | 15万円〜 | 6万円〜 |
定款認証の手数料 | 3万円〜 | 認証不要 |
個人事業主のフリーランスの場合、納税地を所轄する税務署に個人事業の開業・廃業等届出書を提出するだけで済みますが、法人化では以上のような手続きや費用が発生します。
法人化をスムーズに進めるためには、必要な資金を準備し、手続きの流れをしっかりと把握しておくのが大切です。
参考:J-Net21(新会社法って何ですか?資本金1円でも会社が設立できると聞きました。)
参考:国税庁(A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続)
参考:日本公証人連合会(定款認証)
参考:国税庁(No.7191 登録免許税の税額表)
関連記事:会社設立手続きを自分で行う5つのステップ|費用や流れについて解説
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社会保険料
フリーランスが法人化して1人社長になった場合、たとえ従業員がいなくても社会保険に加入する義務が生じます。
社会保険は国民健康保険や国民年金よりも保障が手厚いものの、フリーランスの頃にはなかった負担が発生します。
社会保険料は労使折半のため、会社側でも負担しなければならないためです。
なお、社会保険料は役員報酬の月額に応じて決まるため、役員報酬の金額設定を工夫すれば、負担の軽減が期待できます。
関連記事:マイクロ法人設立は年収いくらから?社会保険を最安化させる目安も解説
参考:地方厚生局(社会保険〔厚生年金保険・健康保険〕への加入手続はお済みですか?)
税金
フリーランスが法人化すると、赤字でも税負担が発生するようになるため注意が必要です。
フリーランスの場合、赤字であれば所得税や住民税の課税はありませんが、1人社長の場合は赤字でも法人住民税の均等割を納めなければなりません。
下表のとおり、法人住民税の均等割は資本金や従業員数に応じて税額が決まりますが、最低でも7万円の負担が発生します。
関連記事:法人化で後悔したくない!失敗しないコツを税理士が解説
確定申告
繰り返しになりますが、フリーランスが法人化すると、確定申告の難易度が上がるため、税理士へ依頼するのが一般的です。
法人化によって税理士への依頼費用が発生するのも念頭に置きながら、法人化の検討を進めましょう。
関連記事:オンライン対応の税理士に相談すると安い?依頼する際の注意点も解説
関連記事:確定申告の丸投げがフリーランスに必要なケースと費用相場を解説
決算公告
フリーランスの法人化で株式会社を選んだ場合、下記のとおり、決算公告を行わなければなりません。
株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。
引用:e-Gov(会社法 第四百四十条 計算書類の公告)
なお、決算公告を怠った場合、100万円以下の罰金が科されると会社法の第976条2号で規定されています。
決算公告は法人の財務状況を株主や債権者に知らせるもので、取引の安全性を担保したり、会社の信用を高めたりするなどの重要な役割を果たします。
しかし、決算公告には手間と費用がかかるため、フリーランスの法人化におけるデメリットの1つです。
フリーランスが法人化を検討する際は、会社形態ついても考慮しましょう。
関連記事:合同会社は怪しいからやめとけといわれる理由|トラブル例や設立のデメリットも解説
役員変更の登記
法人では、役員の変更もしくは重任が発生するたびに登記が必要です。上記の手続きは本店所在地を所轄する法務局で行います。
役員変更の登記にかかる登録免許税は、資本金が1億円を超える会社で3万円、資本金が1億円以下の会社で1万円です。
なお、上記の手続きを怠った場合、罰金が科されるおそれがあるため注意しましょう。
株式会社の場合、役員の任期は最長で10年ですが、合同会社では出資者が経営を担うため、役員の任期がありません。
上記の理由から、役員変更の登記にかかる手間やコストを考慮して、フリーランスの法人化では合同会社が選ばれるケースも多いです。
参考:法務省(役員の変更の登記を忘れていませんか?再任の方も必要です)
参考:J-Net21(株式会社と合同会社のどちらがよいか)
参考:法務局(株式会社役員変更登記申請書|取締役会設置会社・役員の全員が重任)
関連記事:あえて法人化しない理由とは?したほうがいいケースも解説
株主総会の開催
原則、株式会社では株主総会を定期的に開催し、議事録を作成する必要があります。
株主総会を開催するための手配や議事録の作成と管理には、手間とコストがかかります。
法人化で株式会社を選んだ場合、以上のような負担が発生するため、株主総会の開催が不要である合同会社を選ぶフリーランスの方も多いです。
参考:e-Gov(会社法 第二百九十六条 株主総会の招集)
参考:J-Net21(株主総会の招集手続きについて教えてください。)
参考:J-Net21(株主が1人の株主総会について教えてください。)
参考:J-Net21(取締役を1人にした場合の影響と手続きについて教えてください。)
関連記事:あえて法人化しない理由とは?したほうがいいケースも解説
廃業時
フリーランスが廃業する場合、納税地を所轄する税務署に個人事業の開業・廃業等届出書を提出するだけで済みますが、法人の場合は下記のような手続きが必要です。
1. 株主総会の特別決議(3分の2以上の賛成)による解散決議
2. 清算人・代表清算人の選任
3. 清算人就任登記・解散登記
4. 閉解散の通知・公告
5. 会社財産の現況調査
6. 現務の結了・財産の換価・分配・処分
7. 債権者保護手続き(解散公告など)
8. 決算報告承認総会の招集・開催
9. 清算結了登記
そのほか、税務上の手続きとして解散確定申告、清算確定申告なども必要です。
引用:J-Net21(廃業するにはどうしたらよいですか?)
また、上記の手続きでは以下のような費用も発生します。
項目 | 費用 |
解散の登記にかかる登録免許税 | 3万円 |
清算人の選任登記にかかる登録免許税 | 9千円 |
清算結了の登記にかかる登録免許税 | 2千円 |
解散公告の官報掲載にかかる費用 | 4万円前後 |
フリーランスが法人化を検討する場合、廃業時にコストと手間が発生する点を念頭に置きましょう。
参考:J-Net21(廃業の留意点と進め方)
参考:国税庁(A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続)
参考:法務局(株式会社解散及び清算人選任登記申請書)
参考:法務局(株式会社清算結了登記申請書)
参考:国立印刷局(会社法 法定公告について)
関連記事:法人化で後悔したくない!失敗しないコツを税理士が解説
資産は個人と法人で区別して管理する必要がある
フリーランスが法人化した場合、個人の資産と法人の資産を明確に分ける必要があります。
フリーランスの場合、事業活動によって得られた利益は個人の資産となるため、個人の口座で管理したり、生活費やプライベートな支出に充てられたりします。
しかし、法人化後の事業活動によって得られた利益は法人の資産となるため、明確に区別して管理しなければなりません。
上記の理由から、1人社長であっても法人の資産は自由に使えません。
1人社長が事業活動によって得られた利益をプライベートで使えるようにしたい場合、役員報酬の形で受け取る必要があります。
なお、役員報酬の設定金額は、自由なタイミングで変更できませんので注意しましょう。
参考:国税庁(No.5211 役員に対する給与|平成29年4月1日以後支給決議分)
関連記事:役員報酬の手取りを増やす方法|シミュレーションや一覧表も掲載
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1人社長の基礎知識
本項目で解説するのは、1人社長の基礎知識についてです。

弊所にご相談いただく方の中には、上記のような不安を抱えている方も多くいらっしゃいます。
しかし、1人社長に関する基礎知識を押さえていれば、法人化は怖いものではありません。そこで本項目では、次のような観点で1人社長に関する基礎知識をまとめました。
- 新会社法の影響で1人社長が増加した理由
- 1人社長が選べる会社形態と特徴
- 1人社長は儲かるのか?
それでは、順番に見ていきましょう。
新会社法の影響で1人社長が増加した理由
1人社長が増加したのは、2006年5月に施行された新会社法の影響が大きいです。具体的には、下記のような法改正が実施され、1人社長が選ばれるケースが増えました。
- 基本金1円から法人を設立できるようになった
- 機関設計が簡単になった
- 合同会社が誕生した
上記について順番に解説していきます。
参考:J-Net21(新会社法って何ですか?資本金1円でも会社が設立できると聞きました。)
基本金1円から法人を設立できるようになった
旧制度では株式会社の設立には最低1,000万円の資本金が必要でしたが、2006年5月の法改正により資本金が1円でも法人を設立できるようになりました。
上記の理由から、今まで資本金の調達が法人設立の障壁となっていた点が解消されました。
ただし、資本金1円で法人を設立すると、事業活動において下記のような影響が出るおそれがあるため注意しましょう。
- 金融機関の融資審査が厳しくなる
- 取引先から社会的な信用度を低く評価される
会社の設立を自力で行うフリーランスの方も多いですが、時間がかかったり専門知識が求められたりするため、必要に応じて税理士の力も借りましょう。
参考:J-Net21(新会社法って何ですか?資本金1円でも会社が設立できると聞きました。)
関連記事:会社設立手続きを自分で行う5つのステップ|費用や流れについて解説
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機関設計が簡単になった
新会社法の施行により、株式会社の機関設計が簡単になりました。
しかし、法改正後は取締役1人でも株式会社を設立できるようになり、取締役会の設置も任意となっています。
また、株式会社の取締役の任期は最長10年まで設定できるようになったため、重任に伴う手続きや費用の負担も軽減されました。
以上のような変更によって会社を設立するハードルが下がり、フリーランスが法人化しやすい環境になっています。
参考:J-Net21(新会社法って何ですか?資本金1円でも会社が設立できると聞きました。)
参考:日本公証人連合会(新会社法の概要)
参考:J-Net21(役員変更の手続きについて教えてください。)
参考:J-Net21(取締役を1人にした場合の影響と手続きについて教えてください。)
関連記事:法人化で一人社長になるとは?メリット・デメリットや個人事業主との違いを税理士が解説
合同会社が誕生した
新会社法の施行により、合同会社が設立できるようになりました。合同会社は株式会社と比べると設立にかかる費用が安く済み、手続きも簡単です。
また、合同会社では出資者が経営を担うため、迅速な意思決定が期待できます。
以上のように、合同会社は設立しやすく、経営の自由度が高いため、自分1人もしくは少人数で運営したいフリーランスの方にとっては魅力的な選択肢の1つです。
参考:J-Net21(新会社法って何ですか?資本金1円でも会社が設立できると聞きました。)
参考:J-Net21(合同会社について教えてください。)
参考:独立行政法人経済産業研究所(ようやく浸透した日本版LLC)
関連記事:合同会社で後悔する理由と対策|個人事業主や株式会社と比較して設立を検討
1人社長が選べる会社形態と特徴
1人社長が選べる会社形態は、以下の3つです。
会社形態 | 設立にかかる費用 | 出資者が負う責任の範囲 | 特徴 |
株式会社 | 18万円〜 | 間接有限責任 | ・経営者と出資者が分離しているケースが多い ・株式発行による資金調達ができる ・事業拡大を目指す場合に適している |
合同会社 | 6万円〜 | 間接有限責任 | ・出資者が経営を担うため、迅速な意思決定ができる ・株式発行による資金調達はできない |
合名会社 | 6万円〜 | 直接無限責任 | ・出資者が経営を担う点は合同会社と同じだが、すべて無限責任社員で構成される ・少人数での運営に適している |
なお、合資会社は直接無限責任社員と直接有限責任社員の両方が必要なため、フリーランスが1人社長になる場合の会社形態として選択できません。
参考:J-Net21(株式会社、LLC、LLPの比較)
参考:J-Net21(有限責任と無限責任について教えてください。)
参考:日本公証人連合会(定款認証)
参考:国税庁(No.7191 登録免許税の税額表)
関連記事:合同会社で後悔する理由と対策|個人事業主や株式会社と比較して設立を検討
1人社長は儲かるのか?
1人社長は儲かるかどうかについては、一概にはいえません。
ただし、フリーランスや個人事業主、従業員を雇って事業活動を行う従来の経営者と比べると、1人社長は高い利益率が期待できます。
繰り返しになりますが、1人社長の場合、従業員を雇わないため人件費を削減できたり、法人化によって税制面で優遇されたりするからです。
また、業務の外注化やAI技術の進化により、自分1人でも効率よく事業活動できる環境が整ってきています。
関連記事:1人社長は儲かるといわれる理由|メリットとデメリットも解説
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フリーランスと1人社長の違い
本項目で解説するのは、フリーランスと1人社長の違いについてです。
法人化を検討しているフリーランスの方は、本項目を参考にしてみてください。フリーランスと1人社長の違いは、主に以下のとおりです。
- 事業開始の手続き
- 事業開始にかかる費用
- 維持費
- 資金調達の方法
- 経理や税務会計の処理
- 加入する保険制度
- 廃業の方法
- 事業継承の方法
- 社会的な信用度
- 収益の扱い
- 税制面
- 責任の範囲
それでは、1つずつ見ていきましょう。
事業開始の手続き
事業開始の手続きにおけるフリーランスと1人社長の違いについて、下記の2つに焦点を当てて1つずつ解説していきます。
- 設立登記
- 法人口座の開設
設立登記
繰り返しになりますが、フリーランスは納税地を所轄する税務署に個人事業の開業・廃業等届出書を提出するだけで事業を開始できます。
しかし、1人社長として法人を設立する場合、本店所在地を所轄する法務局で会社設立の登記申請を行わなければなりません。
設立登記の完了と同時に法人格が付与され、権利義務の主体として正式に認められます。以上により、個人ではなく法人として税務や法的な責任が発生するようになります。
参考:国税庁(A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続)
参考:法務局(商業・法人登記申請手続)
参考:法務省(株式会社の設立手続〔発起設立〕について)
参考:法務省(合同会社の設立手続について)
関連記事:会社と個人事業主の違いは?見分け方や法人化の基準もわかりやすく解説
法人口座の開設
フリーランスは個人口座を事業用として使っても差し支えありませんが、1人社長として法人を設立した場合、法人名義の口座を開設するのが一般的です。
法人口座の開設では個人口座と比べると厳しく審査されるため、法人口座があると取引先からの信用も高まります。
また、個人と法人の資産を明確に区別できるようになるため、経理や税務会計に関する処理をより適切に行えます。
関連記事:会社と個人事業主の違いは?見分け方や法人化の基準もわかりやすく解説
事業開始にかかる費用
事業開始にかかる費用面でのフリーランスと1人社長の違いに関して、以下の2点について取り上げます。
- 登録免許税
- 資本金
それでは、1つずつ解説していきます。
登録免許税
繰り返しになりますが、フリーランスが事業を開始する際、納税地を所轄する税務署に個人事業の開業・廃業等届出書を提出するだけで完了し、費用はかかりません。
一方、1人会社を設立するには登録免許税がかかります。会社形態ごとの登録免許税は、次のとおりです。
なお、特定創業支援等事業の支援を受けた場合、登録免許税が半額になるケースがあります。
参考:国税庁(A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続)
参考:新宿区(新宿区特定創業支援等事業について)
参考:新宿区(新宿区特定創業支援等事業について|優遇措置一覧)
関連記事:法人成りを税理士に相談する必要性|メリットや費用相場も解説
資本金
繰り返しになりますが、法人を設立する場合は資本金が必要です。
2006年の法改正により資本金は1円から設定できますが、社会的な信用度の観点から数十万円程度は準備するのが一般的です。
資本金は運転資金や設備投資に使えるほか、返済義務のない自己資本として活用できます。
資本金の額は経営の規模や安定性などを示す指標とされ、取引先や金融機関からの信用にも影響を与えます。
参考:J-Net21(会社設立時には戦略的に資本金額を決める)
参考:J-Net21(新会社法って何ですか?資本金1円でも会社が設立できると聞きました。)
維持費
フリーランスは維持費が比較的かからないケースが多いです。一方、1人社長の場合、下記のような維持費が発生します。
- 法人住民税の均等割
- 社会保険料の会社負担分
- 税理士への依頼費用
- バーチャルオフィスの契約料
法人住民税の均等割は、赤字でも発生するため注意が必要です。法人の経理や税務会計に関する業務は煩雑なため、税理士と顧問契約を結ぶケースが多いです。
また、法人登記において自宅の住所を使用できない場合、事務所を借りたりバーチャルオフィスを契約したりする必要があります。
以上のように、1人社長はフリーランスと比べると維持費がかかるのを念頭に置きましょう。
関連記事:顧問税理士とは?顧問契約の必要性・メリットや注意点を解説
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資金調達の方法
1人社長は、フリーランスと比べると資金調達の手段が豊富です。
たとえば、金融機関からの融資や社債の発行、補助金や助成金の活用、クラウドファンディングの実施などが挙げられます。
また、株式会社の1人社長は株式発行による大規模な資金調達も行えます!
一方、フリーランスは1人社長と比べると社会的な信用度が低いため、資金調達の選択肢が限られたり、調達できる金額が少なかったりするケースが多いです。
以上のように、1人社長は社会的な信用度の向上により、フリーランスよりも資金調達を有利に進められます。
参考:J-Net21(株式会社と合同会社のどちらがよいか)
参考:J-Net21(株式会社のメリット・デメリット)
参考:J-Net21(補助金・助成金の活用)
参考:J-Net21(クラウドファンディングについて教えてください。)
関連記事:日本政策金融公庫の融資審査を確実に通すためのチェックポイント6選
経理や税務会計の処理
フリーランスの経理や税務会計に関する処理は比較的簡単です。最近では使い勝手の良い会計ソフトが普及しているため、専門知識がなくても自力で税務申告を行えます。
一方、1人社長の場合、決算を行わなければならないため、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を作成する必要があります。
1人社長になると経理や税務会計の処理が難しくなりますが、経費として認められる範囲が拡大したり、赤字の繰り越し期間が長くなったりするなど、税制上のメリットを享受できるようになります。
参考:e-Gov(会社法 第四百三十五条 計算書類等の作成及び保存)
参考:e-Gov(法人税法 第七十四条 確定申告)
参考:J-Net21(会社法上の計算書類について教えてください。)
関連記事:一人社長(一人会社)の税理士の必要性|費用相場と選び方も解説
加入する保険制度
フリーランスは国民健康保険と国民年金に加入し、保険料は全額自己負担です。一方、1人社長は社会保険に加入する義務があり、健康保険と厚生年金が適用されます。
社会保険料は労使折半のため、フリーランスと比べると個人で負担する保険料が軽減されるメリットがありますが、会社負担分がランニングコストになる点は注意しましょう。
参考:厚生労働省(国民健康保険制度)
参考:日本年金機構(国民年金に加入するための手続き)
参考:全国健康保険協会(健康保険のはなし)
参考:厚生労働省(国民年金と厚生年金の仕組み)
参考:地方厚生局(社会保険〔厚生年金保険・健康保険〕への加入手続はお済みですか?)
参考:国税庁(第3節 保険料等|社会保険料の損金算入の時期)
関連記事:マイクロ法人設立は年収いくらから?社会保険を最安化させる目安も解説
廃業の方法
フリーランスが廃業する際、納税地を所轄する税務署に個人事業の開業・廃業等届出書を提出すれば手続きが完了し、費用はかかりません。
一方、1人社長が廃業する場合、本店所在地を所轄する法務局で、解散の登記や清算結了の登記などの複雑な手続きが必要です。
また、上記の登記では登録免許税が4万円程度かかります。
以上のように、フリーランスと比べると1人社長の廃業手続きには手間と費用がかかるため注意しましょう。
参考:J-Net21(廃業するにはどうしたらよいですか?)
参考:J-Net21(廃業の留意点と進め方)
参考:国税庁(A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続)
参考:法務局(株式会社解散及び清算人選任登記申請書)
参考:法務局(株式会社清算結了登記申請書)
参考:国立印刷局(会社法 法定公告について)
関連記事:一人会社のリスク・デメリットと回避する方法を税理士が解説
事業継承の方法
フリーランスと比べると1人社長の方が事業継承を行いやすいです。
たとえば、合同会社の1人社長の場合、後継者について定款で定めておけるため、経営の引き継ぎが比較的スムーズに進められます。
持分会社は、その社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合における当該社員の相続人その他の一般承継人が当該社員の持分を承継する旨を定款で定めることができる。
引用:e-Gov(会社法 第六百八条 相続及び合併の場合の特則)
また、法人である1人社長には下記のような性質があるのを押さえておきましょう。
法人とは、法律によって人としての権利能力を与えられた団体で、株主が変わろうが、経営者が変わろうが、その人格は同一です。したがって、法人企業における事業承継では、経営者が変わっても、その法人は、経営者交代前と同一の納税義務者であり続けます。
引用:J-Net21(個人事業主の事業承継について、税務上の留意点はありますか?)
一方、フリーランスは個人が事業活動を行っているため、事業承継する側とされる側で主に以下のような手続きが必要です。
- 事業承継する側:納税地を所轄する税務署へ個人事業の廃業届出書の提出
- 事業承継される側:納税地を所轄する税務署へ個人事業の開業届出書の提出
なお、フリーランスの事業承継に関する詳しい手続きは、中小企業基盤整備機構が運営するJ-Net21のページをご参照ください。
参考:中小企業庁(事業承継を知る)
参考:中小企業庁(第2節 個人事業者の事業承継)
参考:国税庁(A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続)
社会的な信用度
繰り返しになりますが、フリーランスは社会的な信用度が低く、取引先や金融機関からの信用を得るのが難しい場合があります。
たとえば、商談で門前払いされたり、融資やローンの審査で苦戦したりするケースがあります。
一方、1人社長は法人登記によって法人格が付与されているため、社会的な信用度が高いです。
上記の理由から、フリーランスと比べると取引契約や資金調達などの場面で有利に進められます。
社会的な信用度が求められるケースが増えてきたフリーランスの方は、税理士にアドバイスをもらいながら、本格的に1人社長を検討しましょう!
関連記事:会社設立に税理士は必要?費用相場やメリットについて解説
収益の扱い
繰り返しになりますが、フリーランスの場合、事業活動によって得られた収益は、個人の資産として扱われます。
一方、1人社長の場合、権利義務の主体は法人であるため、事業活動によって得られた収益は法人の資産として管理されます。
上記の理由から、1人社長が収益を手にするためには、役員報酬の形で自分に対して給与を支払わなければなりません。
関連記事:合同会社の一人社長が給料(役員報酬)を設定する際のルールと決め方
税制面
税制面でのフリーランスと1人社長の違いについては、下記の3つに焦点を当てて順番に解説していきます。
- 税金の種類
- 経費の範囲
- 赤字の繰り越し期間
税金の種類
フリーランスと1人社長が、それぞれ納める主な税金は、下表のとおりです。
比較項目 | 税金の種類 |
フリーランス | ・所得税 ・個人住民税 ・消費税 ・個人事業税 |
1人社長 | ・法人税 ・法人住民税 ・消費税 ・法人事業税 ・特別法人事業税 |
下表のとおり、フリーランスが納める所得税は超過累進税率であり、課税所得が増えるほど税率も高くなります。
一方、1人社長が納める法人税は下表のとおり、一定の税率が適用されるため、所得税の税率と比べると緩やかです。
なお、1人社長が納める法人住民税は、赤字でも発生するため注意しましょう。
参考:総務省(地方税制度|個人住民税)
参考:国税庁(消費税のしくみ)
参考:東京都主税局(個人事業税)
参考:総務省(地方税制度|法人住民税)
参考:総務省(地方税制度|法人事業税)
参考:東京都主税局(特別法人事業税)
関連記事:法人税と所得税ならどっちが得?税金面で法人化すべきケースを解説
経費の範囲
1人社長は一定の要件を満たせば、役員報酬や退職金、出張手当などを経費で落とせます。
一方、フリーランスには給与の概念がないため、上記のような経費計上はできません。
フリーランスも事業活動に直接関係する支出を経費計上できますが、1人社長と比べると経費で落とせる範囲は狭いです。
以上のように、1人社長の場合、拡大した経費計上の範囲を適切に活用し、課税所得を圧縮させられます。
売上規模の拡大しているフリーランスの方は、税理士に相談しながら、法人化の検討を進めましょう!
参考:国税庁(No.5211 役員に対する給与|平成29年4月1日以後支給決議分)
参考:国税庁(No.5208 役員の退職金の損金算入時期)
参考:国税庁(No.2210 必要経費の知識)
関連記事:一人社長が経費で落とせるもの一覧|制限があるもの・落とせないものも解説
赤字の繰り越し期間
青色申告のフリーランスが、赤字を繰り越して控除できるのは最大3年間です。一方、青色申告を提出している1人社長の場合、赤字の繰り越し期間は最大10年になります。
たとえば、事業年度中の収益が500万円で、過去10年間で毎年50万円の赤字が出ていた場合、課税所得は0円です。
上記と同様なケースでフリーランスの場合、赤字の繰り越しは過去3年分のため、150万円までしか控除できず、課税所得は350万円になります。
参考:国税庁(No.2070 青色申告制度)
参考:国税庁(No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除)
関連記事:【法人版】節税対策の裏ワザ|手元により多くの資金を残す方法
責任の範囲
フリーランスの責任範囲は無限責任です。左記のため、事業活動で生じた負債は個人の財産を使ってまで対応する必要があります。
一方、株式会社もしくは合同会社の1人社長は有限責任です。
以上のように、フリーランスと比べると1人社長の方が、事業上のリスクを小さくできます。
参考:J-Net21(有限責任と無限責任について教えてください。)
関連記事:個人事業主から合同会社に切り替えて法人化する手順やメリット・デメリット
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フリーランスが法人化を検討するタイミング
本項目で解説するのは、フリーランスが法人化を検討するタイミングについてです。

上記のように迷われて、弊所にご相談いただいたフリーランスの方も多くいらっしゃいます。
法人化を決めかねているフリーランスの方は、下記のような判断基準を参考にしながら検討を進めてみてください。
- 大規模な資金調達を行いたい
- 法人化しないとできない事業を展開したい
- 大手企業と取引したい
- 売上規模が拡大してきた
それでは、順番に見ていきましょう。
大規模な資金調達を行いたい
事業が成長し、大規模な資金調達を行いたい場合、フリーランスよりも1人社長の方が有利です。
繰り返しになりますが、フリーランスの社会的な信用度は低いため、多額の資金を集めたり融資の審査を通過させたりするのに苦労するケースがあります。
しかし、1人社長になれば、社会的な信用度が向上したり資金調達の選択肢が増えたりするため、大規模な資金調達が実現できます。
たとえば、株式や社債の発行による資金調達やクラウドファンディングの活用などです。
参考:J-Net21(クラウドファンディングについて教えてください。)
関連記事:個人事業主の法人成り|適切なタイミングから注意点まで解説
法人化しないとできない事業を展開したい
法人化しないとできない事業を展開したい場合も、フリーランスが法人化を検討するタイミングの1つです。
BtoBやBtoBtoCのような事業を行う場合、フリーランスとの取引は断られるおそれがあるため、法人化した方がスムーズな事業展開が期待できます。
また、新規事業として許認可が必要な事業を行う場合、フリーランスよりも法人の方が有利なケースがあります。
たとえば、有料職業紹介事業の許可を取得するには、下記の基準を満たさなければなりません。
(1) 資産(繰延資産及び営業権を除く。)の総額から負債の総額を控除した額(以下「基準資産額」という。)が500万円に申請者が有料職業紹介事業を行おうとする事業所の数を乗じて得た額以上であること。
(2) 事業資金として自己名義の現金・預貯金の額が、150万円に申請者が有料職業紹介事業を行おうとする事業所の数から1を減じた数に60万円を乗じた額を加えて得た額以上となること。
引用:厚生労働省(職業紹介事業パンフレット―許可・更新等マニュアル―|p15)
フリーランスの場合、個人の借入も負債として加味されるため、上記の基準を満たすのが難しい場合もあります。
法人化すれば、個人と法人の負債は区別されるため、基準をクリアしやすくなります。
なお、フリーランスで取得した許認可は、法人に引き継げないケースが多いため注意しましょう。
関連記事:法人成りのベストタイミングはいつ?後悔しない会社設立時期の選び方
大手企業と取引したい
大手企業は取引先の社会的な信用度を重視する傾向があります。
1人社長はフリーランスと比べると社会的な信用度が高いため、大手企業から取引上のリスクは低いと判断されやすいです。
以上の理由から、大手企業と取引したい場合や社会的な信用度を活かして取引先の新規開拓を行いたい場合は、法人化を検討しましょう。
関連記事:個人事業主の法人成り|適切なタイミングから注意点まで解説
売上規模が拡大してきた
売上規模が拡大してきた場合、法人化による節税効果が期待できます。法人化を検討すべき売上規模の具体的な目安は、次のとおりです。
- 課税所得が800万円を超えそう
- 課税売上高が1,000万円を超えそう
上記について順番に解説していきます。
課税所得が800万円を超えそう
下表のとおり、フリーランスの課税所得が800万円を超えると、所得税の税率は23%に達します。
一方、法人化によって法人税が適用されると、課税所得800万円以下の部分については15%の税率です。
また、課税所得800万円を超える部分については、一律23.2%の税率であるため、所得税よりも税負担を軽減できるケースがあります。
特に、売上規模がさらに増加する見込みがあるフリーランスは、法人化による節税効果が期待できます。
課税所得が800万円を超えそうなタイミングで、法人化による節税シミュレーションを行い、最適な時期を見極めていきましょう。
関連記事:法人成りのベストタイミングはいつ?後悔しない会社設立時期の選び方
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課税売上高が1,000万円を超えそう
下表のとおり、課税売上高が1,000万円を超えた場合、原則として、2年後から消費税の課税事業者となります。
引用:国税庁(消費税のしくみ)
しかし、資本金1,000万円以下で新たに設立された法人は、1〜2期目の消費税の納税義務が免除されるため、法人化による税制上のメリットを享受できます。
以上のような理由から、課税売上高が1,000万円を超えそうなフリーランスの方は、消費税の負担軽減のために法人化を検討しましょう。
ただし、インボイス制度の導入により、消費税の免税事業者との取引が打ち切られるケースが増えるおそれがあります。
消費税の免税事業者はインボイスの発行ができないため、買手側は仕入税額控除を受けられなくなり、税負担が増加してしまうからです。
参考:国税庁(No.6531 新規開業又は法人の新規設立のとき)
参考:国税庁(インボイス制度について)
参考:国税庁(No.6451 仕入税額控除の対象となるもの)
関連記事:インボイス制度と法人成り|タイミングから影響と対策まで解説
関連記事:インボイス制度がやばい・ひどい理由|抜け道と対策を解説
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フリーランスの法人化でミスが起きやすい項目
本項目では、フリーランスの法人化でミスが起きやすい項目について解説します。
さまざまなメリットを期待して法人化したにも関わらず、些細なミスで後悔するケースもあるため注意しましょう。
フリーランスの法人化でミスが起きやすい項目は、下記の2点です。
- 許認可の引き継ぎに関する手続き
- 決算期の設定
上記について1つずつ見ていきましょう。
許認可の引き継ぎに関する手続き
フリーランスの法人化でミスが起きやすい項目の1つとして、許認可の引き継ぎに関する手続きが挙げられます。
フリーランスと法人は別人格であるため、法人化した場合は許認可を取得し直さなければならないケースがほとんどです。
法人化に伴う許認可の更新手続きを怠ると、無許可営業とみなされ、ペナルティが科されるおそれがあります。
また、許認可の再取得には時間がかかるケースもあるため、法人化後もスムーズに事業活動ができるよう入念な準備が必要です。
関連記事:法人成りを税理士に相談する必要性|メリットや費用相場も解説
決算期の設定
フリーランスが法人化して1人社長になる場合、決算期は慎重に決めましょう。
決算期は自由に設定できますが、いい加減に決めてしまうと後悔するケースがあるため注意が必要です。
たとえば、決算期が会社の繁忙期と重なっている場合、決算に割く時間を捻出できず、税務申告の期限に遅れてしまうリスクがあります。
また、税理士に決算を依頼する場合、税理士の繁忙期を考慮しないと、決算が滞ってしまうおそれがあります。
なお、納税資金の確保で困らないように、決算期は資金繰りに余裕のある時期を選ぶのも重要です。
関連記事:【失敗しない】決算期の決め方|変更方法から調べ方まで解説
関連記事:決算期の変更手続きを行う手順|メリット・デメリットも解説
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フリーランスの法人化に関するよくある質問
最後に、フリーランスの法人化に関するよくある質問について紹介します。
内容は随時追記します。
マイクロ法人を設立して後悔するケースはありますか?
マイクロ法人を設立して後悔するケースは、主に下記のとおりです。
- 経理や税務会計に関する業務が煩雑で手に負えなくなる
- 社会保険料が想像以上の負担になった
- 予想以上にランニングコストがかかった
- マイクロ法人を設立したものの経営不振に陥った
- 廃業にコストがかかるのを考慮していなかった
マイクロ法人の設立で後悔しないためにも、設立前のシミュレーションは念入りに行いましょう。
マイクロ法人の設立で後悔や失敗する理由については、下記の記事でさらに詳しく解説しています!
関連記事:マイクロ法人設立で後悔や失敗する理由と対策を税理士が徹底解説
社長1人(社員1人)の会社は作れますか?
社長1人(社員1人)の会社は作れます。2006年の法改正によって、取締役1人でも株式会社を設立できるようになりました。
なお、社長1人(社員1人)の場合でも社会保険の加入義務が発生するため注意が必要です。
会社の設立手続きでは専門知識が求められる場面も多いため、自力で進めるのに自信がない場合は税理士への依頼も検討しましょう!
参考:J-Net21(新会社法って何ですか?資本金1円でも会社が設立できると聞きました。)
参考:地方厚生局(社会保険〔厚生年金保険・健康保険〕への加入手続はお済みですか?)
関連記事:一人合同会社の設立に税理士が必要なケースといらないケースを選び方とあわせて解説
一人会社は個人事業主のフリーランスでも作れますか?
一人会社は個人事業主のフリーランスでも作れます。繰り返しになりますが、2006年の法改正により、取締役1人さえいれば、会社を設立できるようになりました。
なお、一人会社の設立後、事業規模が拡大したタイミングで従業員を雇う場合、下記のような手続きが必要になるため注意が必要です。
- 社会保険の加入
- 所得税の源泉徴収
- 住民税の特別徴収
参考:地方厚生局(社会保険〔厚生年金保険・健康保険〕への加入手続はお済みですか?)
参考:J-Net21(源泉徴収の基礎知識)
参考:総務省(地方税制度|個人住民税)
関連記事:1人社長は儲かるといわれる理由|メリットとデメリットも解説
節税の観点で1人社長の年収はいくらが得ですか?
節税の観点で1人社長の年収(役員報酬)はいくらが得なのかについて考える場合、下記の項目に注意しなければなりません。
- 役員報酬にかかる所得税と住民税
- 社会保険料
- 法人税
売上総利益が800万円以下であれば、1人社長の年収はなるべく低く設定し、会社側に利益を残す方が高い節税効果を期待できます。
一方、売上総利益が1,000万円を超えるケースであれば、受け取る役員報酬の額を高くした方が節税につながります。
売上総利益が1,000万円以上の場合、高い節税効果が期待できる1人社長の年収の目安は、下表のとおりです。
売上総利益 | 1人社長の年収 |
1,000万円 | 200万円前後 |
2,000万円 | 500万円前後 |
3,000万円 | 500万円前後 |
節税対策に焦点を当てた場合、1人社長が受け取れる役員報酬は少なくなるため、税金と社会保険料、生活費のバランスをみながら検討しましょう。
関連記事:役員報酬はいくらが得?節税対策と効果を最も高める方法を解説
関連記事:役員報酬の手取りを増やす方法|シミュレーションや一覧表も掲載
一人で会社を作るのは副業でも問題ありませんか?
一人で会社を作るのは副業でも問題ありません。ただし、本業の会社で副業が禁止されていないかどうかを事前に確認しておく必要があります。
一人会社を設立すると、フリーランスよりも社会的な信用度が向上したり、節税対策の選択肢が増えたりします。
ただし、会社の設立時や維持にコストがかかる点は念頭に置きましょう。
特に、会社の設立では定款の作成や本店所在地を所轄する法務局での登記申請などの手間が発生するため、本業が忙しい方のネックになります。
関連記事:合同会社での副業が会社にばれる原因と対策|起業時の注意点も解説
1人社長でおすすめの職種はありますか?
1人社長におすすめの職種は、ご自身が今まで培ってきたスキルや経験を生かせる分野です。
また、WEBコンサルタントやSNSマーケターなども、専門性を武器に高単価の案件を獲得しやすい職種です。
なお、動画編集やWEBライターなど、リモートワークに適した職種も1人社長に向いています。
以上を踏まえて、ご自身のスキルや経験、専門知識などを生かし、1人でも効率よく収益を上げられる職種を選びましょう。
関連記事:マイクロ法人でおすすめの事業や業種の選び方を税理士が解説
一人で会社を作るメリットを教えてください
繰り返しになりますが、一人で会社を作ると、社会的な信用度が増し、事業規模の拡大につながります。
取引先や金融機関からの信用も得やすくなるため、取引契約や融資審査がスムーズに進むケースも増えます。
また、会社の設立による税制面でのメリットは、主に次のとおりです。
- 経費として認められる範囲が広がる
- 法人税の適用で所得税よりも税負担の軽減が期待できる
- 赤字の繰り越し期間が最大10年になる
ただし、会社の設立や運営にはコストがかかるため、一人で会社を作ってから後悔しないように、法人化シミュレーションを実施してくれる税理士に相談してみましょう。
関連記事:会社設立に税理士は必要?費用相場やメリットについて解説
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一人会社のリスクと回避する方法はありますか?
一人会社におけるリスクは、次のとおりです。
- 自分1人で経営しているので突然倒産するおそれがある
- 役員報酬の金額をいい加減に設定して税金が高くなる
- 誤った節税対策を行っているのに気づかず税務調査に入られる
- 社会保険を未加入のままにしてしまいペナルティが科される
- 経理や税務会計のミスによって追徴課税が発生する
以上のようなリスクを回避するためには、下記の対策を実施しましょう。
- 十分な運転資金を確保する
- 税理士に依頼して適切な税務申告を行う
- 長期的な資金計画を立てる
- 補助金や助成金などの資金調達に関する情報を集める
- 専門家から経営や財務に関するアドバイスがもらえる環境を整える
関連記事:一人会社のリスク・デメリットと回避する方法を税理士が解説
関連記事:マイクロ法人も税務調査の対象?調査が入る理由や税理士の必要性も解説
参考:J-Net21(黒字倒産とはどのようなものでしょうか?また、そうならないためにはどうしたらよいのでしょうか?)
参考:地方厚生局(社会保険〔厚生年金保険・健康保険〕への加入手続はお済みですか?)
参考:国税庁(令和5事務年度 法人税等の調査事績の概要)
会社の設立と個人事業主はどっちが得でしょうか?
開業届を提出していないフリーランスの方が、節税対策のために会社の設立か個人事業主を選ぶ場合、どっちが得かについては一概にはいえません。
上記の理由として、売上規模や将来の展望によって異なるためです。
個人事業主になる場合、青色申告を提出すれば、最大65万円の特別控除や最大3年間の赤字の繰越控除を受けられるようになります。
また、開業にかかる手間や経理や税務会計に関する業務の負担が少ない点も個人事業主のメリットです。
一方、会社を設立するケースでは、社会的な信用度が向上したり、個人事業主よりも節税対策の選択肢が増えたりするメリットが得られます。
ただし、会社の設立や維持に手間とコストがかかる点はデメリットです。
たとえば、売上規模が大きい場合や取引先を増やしたい場合は、個人事業主よりも会社の方が有利です。
反対に、売上規模が小さかったり、事業規模の拡大を考えていなかったりする場合、個人事業主の方が適しています。
関連記事:会社と個人事業主はどっちが得?違いやメリット・デメリットを比較して法人化を検討
ひとり社長に適しているビジネスモデルはありますか?
ひとり社長に適しているビジネスモデルの要件は、下記のとおりです。
- 従業員を雇わずに1人で運営できる
- 在庫管理がいらない
- 初期費用がかからない
- ランニングコストが低い
- 利益率が高い
- オフィスを構える必要がない
- 自分の専門性やスキルを活かせる
繰り返しになりますが、動画編集やWEBライターなどのリモートワークに適した職種も、ひとり社長に適しています。
以上のように、ご自身のスキルや経験、人脈などが活かせて、1人でも効率よく収益を上げられるビジネスモデルを選択するのが重要です。
関連記事:マイクロ法人でおすすめの事業や業種の選び方を税理士が解説
一人会社に関する会社法の条文を教えてください
一人会社に関する会社法の条文の中で、特に重要な箇所は、下記のとおりです。
株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。
引用:e-Gov(会社法 第三百二十六条 株主総会以外の機関の設置)
繰り返しになりますが、2006年の法改正によって、取締役1人でも株式会社を設立できるようになりました。
なお、合同会社の場合、下記の要件を満たせば、法人格を会社の代表にできます。
法人が業務を執行する社員である場合には、当該法人は、当該業務を執行する社員の職務を行うべき者を選任し、その者の氏名及び住所を他の社員に通知しなければならない。
引用:e-Gov(会社法 第五百九十八条 法人が業務を執行する社員である場合の特則)
参考:法務省(一人会社の設立登記申請は完全オンライン申請がおすすめです!)
参考:J-Net21(新会社法って何ですか?資本金1円でも会社が設立できると聞きました。)
参考:日本公証人連合会(新会社法の概要)
関連記事:一人合同会社の設立に税理士が必要なケースといらないケースを選び方とあわせて解説
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まとめ
今回は、フリーランスが法人化して1人社長になるメリットとデメリットについて解説しました。
フリーランスが法人化して1人社長になるメリットは、次のとおりです。
- 社会的な信用度が向上する
- 有限責任になる
- 節税効果が高まる
- 事業展開の選択肢が広がる
- 資金を調達しやすくなる
- 人件費や教育費を抑えた経営ができる
- 自由な働き方やビジョンを実現できる
- 事業承継しやすくなる
以上のように、フリーランスが法人化すると、さまざまなメリットを享受できます。
しかし、下記のようなデメリットもあるため、法人化を検討するうえで、念頭に置きましょう。
- 経理や税務会計に関する業務の負担が増える
- フリーランスと比べるとコストがかかる
- 資産は個人と法人で区別して管理する必要がある
また、フリーランスが法人化を検討するタイミングは、下記のとおりです。
- 大規模な資金調達を行いたい
- 法人化しないとできない事業を展開したい
- 大手企業と取引したい
- 売上規模が拡大してきた
法人化を決めかねているフリーランスの方は、上記のような判断基準を参考にしながら検討を進めてみてください。