こんにちは、アフィリエイトや相続に強い税理士の植村拓真です。
スマホが普及した現代では、ワードプレスやAmebaなどのブログだけでなく、YouTube、インスタグラムやTikTokをはじめとしたSNSを活用してアフィリエイト報酬を得ながら生計を立てている方は珍しくありません。
実際に弊所では、ブロガーやYouTuber、インスタグラマーやTikTokerなど、さまざまな媒体でアフィリエイターとして大きく稼いでいらっしゃる方と顧問契約を結ばせていただいております。
そんなネットビジネスで稼ぐのが当たり前になっている昨今では、アフィリエイト報酬を得ていた活動者様がお亡くなりになった際の相続に関するご相談が増加しております。
弊所はネットビジネスやIT、広告代理店業に強いため、相続でも関連事業の方からのご相談が多いです。
そこで今回は、アフィリエイトの相続について報酬やアカウントの扱いと注意点をあわせて解説します。
アフィリエイト関連で相続するものを把握する
被相続人の方がアフィリエイターであなたが相続人である場合、まずはアフィリエイト関連で引き継ぐものを把握しましょう。
被相続人の方がお亡くなりになられて相続が発生した際、相続するものを把握しておけば、相続税の申告漏れや相続に関する身内同士のトラブルのリスクを回避しやすい傾向があります。
アフィリエイトに関する相続では、いくつかのポイントの確認が必要です。
まず、被相続人の方が得ていたアフィリエイト報酬についてです。ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)を通じてアカウントに登録している銀行口座に振り込まれます。
ですので、被相続人の方のメールアカウントにログインして、ASPから送られてきているメールでアフィリエイト報酬の詳細を確認しましょう。
銀行口座の入金明細でも、ASPからのアフィリエイト報酬の振込履歴を確認できます。アフィリエイト報酬の受取が記録されている場合、確認した金額が相続対象となり得ます。
さらに、被相続人の方がアフィリエイト報酬を確定申告していれば、申告書の控えにアフィリエイト収入について記載されているケースもありますので確認しておきましょう。
また、アフィリエイト以外にも相続財産がないかを把握しておき、相続税の申告漏れや相続に関する身内同士のトラブルのリスクを回避しましょう。
関連記事:相続手続きに税理士は必要か?報酬の目安や探し方とあわせて解説
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アフィリエイト関連の相続における報酬やアカウントの扱い
アフィリエイターの被相続人の方から相続する財産には、アフィリエイト関連の報酬やアカウントが含まれています。
相続人の方は被相続人の方の財産を相続する際、正しく取り扱い必要に応じて相続税を納税しなければなりません。
そこで本項目では、アフィリエイト関連の相続における報酬やアカウントの扱いについて解説します。
アフィリエイト報酬の扱い
アフィリエイトで発生した報酬がすでに確定している場合、通常の債権として相続財産に含まれます。そして、他の相続財産と同様に遺産分割の対象です。
ASPから被相続人の方の銀行口座に振り込まれる金額については、契約内容や振込予定日を確認しましょう。アフィリエイト報酬が未払いの場合でも、相続人の方がASPにて適切な手続きを行えば受け取れます。
アフィリエイト関連のアカウントの扱い
アフィリエイト関連のアカウントを相続する場合、レンタルサーバー会社やプロバイダとの契約内容やASPの利用規約に基づく判断が必要です。
各社で相続が認められている場合であれば、相続人の方が権利を引き継げます。
ただし、一身専属権とされる契約、つまり被相続人の方にのみ利用が許される場合は相続の対象ではありません。
また、ASPの利用規約に「利用者本人が死亡した場合は契約終了とする」旨の記載がある場合も、契約を引き継げません。
アフィリエイト関連のアカウントを相続できるかどうかは、相続財産が判明した時点でレンタルサーバー会社やプロバイダ、ASPなどに問い合わせましょう。
他にも、InstagramやYouTubeなどのアカウントが遺されている場合は、利用規約を見たり運営に問い合わせたりして相続について確認しましょう。
アフィリエイトサイトを引き継いで使用する場合
被相続人の方のアフィリエイトサイトを引き継いで運用する場合、相続人の方自身がASPと新たに契約して運用する必要があります。
被相続人の方の契約をそのまま引き継ぐわけではなく、相続人名義で新規契約を行うため、厳密には相続ではありません。
また、被相続人の方がASPと交わしていた特別な条件が相続人にも適用されるかは、ASPとの交渉が必要です。
被相続人の方からアフィリエイトサイトを引き継ぐ前に、ASPとの契約内容やサイトの運用条件を確認しておきましょう。
アフィリエイト関連の一切を相続しない際の対処法
アフィリエイト関連のサイトやアカウントを相続せずに引き継がず、サーバーやドメインの会社との契約を解除してサイトやアカウントを手放す方もいます。
アフィリエイト関連の一切は必ず相続する必要はないため、アフィリエイトに関する専門知識がないために相続しないといった方は少なくありません。
しかし、ASPの利用規約によっては、契約終了時にアフィリエイトリンクやバナーなどの削除が必要です。
アフィリエイトリンクやバナーなどを削除せずに放置すると、ASPから契約違反と見なされるケースがあるので注意しましょう。
被相続人の方のアフィリエイトサイトやアカウントを放置する前に、ASPの契約内容を確認したうえで、必要に応じてアフィリエイトリンクやバナーなどの削除対応を行いましょう。
また、アフィリエイトサイトやアカウントの管理者である被相続人自身が、何かあったときに備えてエンディングノートや遺言書を作成している場合は、エンディングノートや遺言書にしたがって対処してください。
関連記事:相続税申告を税理士に依頼する理由やメリットとは?報酬目安や失敗しない探し方まで解説
まとめ
今回は、アフィリエイトの相続について報酬やアカウントの扱いと注意点をあわせて解説しました。
アフィリエイターの被相続人の方からサイトやアカウントを相続する際は、サーバーやドメインの会社、ASPなどの利用規約や契約内容はもちろん、被相続人の方のエンディングノートや遺言書の内容に沿って対処しましょう。
そのうえで、その他相続財産と合わせて相続税を計算して、相続税を期限までに納税しましょう。
弊所のように、アフィリエイトサイトやSNS、YouTubeなどについて詳しい税理士は多くありません。相続税関連のご依頼には対応できても、アフィリエイトに関する専門用語がわからなければうまく対応できないケースもあります。
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