こんにちは、広告代理店の顧問実績が豊富な税理士の植村拓真です。
生成AIの進化によって作業効率が劇的に向上したため、ひとり広告代理店のような形で起業するケースが増えてきています。
弊所でも、広告代理店の起業を検討中の方から、会社設立に関してご相談をいただく機会が多いです。たとえば、以下のような質問をよくいただきます。



本記事を読んでいる方の中にも、上記のような疑問を抱いている方がいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、広告代理店業で会社設立して起業する方法について、成功させるポイントや資金調達の手段とあわせて解説します。
広告代理店業の会社設立を検討されている方は、本記事を参考にしてみてください。
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広告代理店業で会社設立して起業する方法
本項目では、広告代理店業で会社設立して起業する方法について解説します。
広告代理店業で会社設立して起業する場合、下記のような流れで進めます。
- ①開業場所を決める
- ②事業計画書を作成する
- ③資金調達の計画を立てる
それでは、順番に見ていきましょう。
①開業場所を決める
自宅を事務所として活用すれば、事務所を構えるうえで生じる家賃や水道光熱費などのコストを抑えられます。
また、通勤時間も不要になるため、事業に集中できる時間を増やせます。
- 住所が公開されるため、プライバシーの保護や防犯の観点で懸念がある
- 自宅が賃貸物件の場合、事務所利用が禁止されているケースがある
以上を踏まえて、問題がある場合、下記のような自宅とは別の場所に事務所を構えましょう。
- シェアオフィス
- レンタルオフィス
- バーチャルオフィス
- コワーキングスペース
- 事務所利用できる賃貸物件
なお、法人登記が認められていないケースもあるため、事前の確認が必要です。
開業場所の決定に関して判断に迷う場合、司法書士や税理士などの専門家への相談も検討してみましょう。
関連記事:広告代理店業に強い税理士の特徴と後悔しない選び方を解説
②事業計画書を作成する
事業計画書の作成は、広告代理店業で会社設立するうえで、重要な工程のひとつです。
事業計画書は事業の方向性を明確に示すものであり、資金調達の際にも提出を求められる重要な書類であるため、下記の点を押さえて作成しましょう。
- 一貫性や整合性を担保する
- 具体的なデータを盛り込む
- 専門知識が無くても理解できる内容にする
あくまでも一例ですが、事業計画書の雛形は、下表のとおりです。
引用:J-Net21(事業計画書の作成手順|起業マニュアル)
特に、競合他社との差別化要因を明らかにしておくのが大切であるため、得意領域やターゲットに関しては具体的に記載しましょう。
たとえば、アパレル企業専門やエンターテイメント業界特化など、ご自身の専門性を明記しておくと良いです!
また、ターゲットが中小企業向けなのか、個人事業主向けなのかについても明確化しておけば、今後の営業戦略が組み立てやすくなります。
参考:J-Net21(よいビジネスプラン〔事業計画書〕の書き方について教えてください。)
参考:J-Net21(広告代理店|業種別開業ガイド)
③資金調達の計画を立てる
広告代理店業で会社設立するにあたって、資金調達に関する綿密な計画を立てましょう。まず、開業費がどのくらいかかるのかについて試算しましょう。
パソコンやプリンタなどの備品購入費や新規顧客を獲得するための宣伝広告費、人材採用にかかる費用など、必要な費用を具体的に洗い出します。
次に、運転資金に着目して計画を立てます。
広告代理店業では、外注費を先に支払い、クライアントからの入金は数か月後になるケースも多いため、運転資金は十分に確保しておきましょう。
毎月かかるランニングコストを算出し、3〜6か月分程度を運転資金として確保しておくと、黒字倒産のリスクを軽減できます。
また、あとで詳しく解説しますが、資金調達の方法は複数検討しましょう。
助成金や補助金、金融機関からの融資など、それぞれのメリットやデメリットを考慮したうえで、ご自身の事業にとって最適な方法を選択します。
参考:J-Net21(資金調達方法|起業マニュアル)
参考:J-Net21(投資・調達計画の書き方|起業マニュアル)
参考:J-Net21(運転資金の考え方|起業マニュアル)
参考:J-Net21(黒字倒産とはどのようなものでしょうか?また、そうならないためにはどうしたらよいのでしょうか?)
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広告代理店業で会社設立する際の起業資金を調達する手段
本項目では、広告代理店業で会社設立する際の起業資金を調達する手段について解説します。
起業資金を調達する場合に活用できる主な手段は、次のとおりです。
- 日本政策金融公庫の創業融資
- 信用保証制度を活用した融資
- 助成金や補助金
- 親族や知人からの借入
- ベンチャーキャピタルからの出資
- クラウドファンディング
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
日本政策金融公庫の創業融資
日本政策金融公庫の創業融資は、起業資金を調達する手段のひとつです。
下表のとおり、2024年4月に制度が大幅に拡充され、広告代理店業で会社設立する方にとって、さらに利用しやすくなりました。
引用:日本政策金融公庫(「スタートアップサポートプラザ」の新設について)
原則、無担保、無保証人で融資を受けられるため、財産や保証人を用意できない方でも安心して利用できます。
ただし、担保や保証人がある方が、審査上は有利に働く傾向がある点は念頭に置きましょう。
また、返済期間も延長されており、使途が設備資金の場合は20年以内、運転資金の場合は10年以内です。
日本政策金融公庫の融資制度を利用する場合、下表のように利率が設定されていますが、新たに会社設立するケースでは、原則として0.65%の利率引下げが適用されます。
参考:日本政策金融公庫(創業融資のご案内)
参考:日本政策金融公庫(新規開業・スタートアップ支援資金)
関連記事:日本政策金融公庫の融資審査を確実に通すためのチェックポイント6選
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信用保証制度を活用した融資
信用保証制度を活用した融資では、信用保証協会に債務の履行を保証してもらえるため、金融機関からの融資が受けやすくなります。
会社設立して間もない時期は取引実績が少なく、社会的な信用度を低く評価される傾向があるため、融資を断られるケースも少なくありません。
そこで、円滑な資金調達を実現するために設けられたのが、信用保証制度です。
引用:J-Net21(信用保証協会の仕組みと、利用するメリットや留意点について教えてください。)
万が一、返済が滞ってしまっても、信用保証協会が立て替え払いを行うため、金融機関は安心して融資を実行できます。
なお、信用保証協会へ信用保証料の支払いが発生するため、信用保証制度を活用する場合、資金計画に織り込んでおきましょう。
また、連帯保証人が必要なケースもあるため、利用条件を入念に確認しておく必要があります。
参考:一般社団法人 全国信用保証協会連合会(初めての融資と信用保証)
参考:一般社団法人 全国信用保証協会連合会(ご利用条件)
参考:経済産業省(創業期に利用可能な信用保証制度について)
助成金や補助金
助成金や補助金は、国や自治体が支給する公的資金で、返済が不要です。助成金と補助金の違いは、下表のとおりです。
引用:日本政策金融公庫(補助金・助成金の活用による経営改善)
補助金は採択件数や予算が決められているケースが多いため、厳しく審査される傾向があります。
一方、助成金は要件に合致していれば支給されるため、補助金と比べると受け取れる確率が高いです。
上記以外の助成金や補助金に関しては、中小企業庁が運営しているミラサポplusのホームページもご参照ください。
なお、助成金や補助金は、申請してから給付されるまでに、かなりの時間を要するため注意しましょう。
助成金や補助金の申請に関して不明な点がある場合は、税理士への相談も検討してみましょう。
参考:J-Net21(補助金・助成金の違いや補助金活用における注意点について教えてください。)
関連記事:広告代理店業に強い税理士の特徴と後悔しない選び方を解説
親族や知人からの借入
親族や知人からの借入は、金融機関からの融資と比べると柔軟性の高い資金調達の方法です。
返済の条件を当事者間で自由に設定できたり、資金調達の手続きを簡素化できたりするためです。
しかし、親族や知人からの借入は、人間関係の悪化を招くリスクもあるため注意しましょう。
上記のようなリスクを回避しトラブルを未然に防ぐためには、借用書や金銭消費貸借契約書を作成し、利息や返済期限、返済が滞った場合のルールなどを明記しましょう。
ベンチャーキャピタルからの出資
原則、ベンチャーキャピタルからの出資は、株式譲渡によって受けられるため、返済義務がない点がメリットのひとつです。
上記の理由から、株式発行の仕組みがない合同会社で会社設立した場合、ベンチャーキャピタルからの出資を受けられないおそれがあるため注意しましょう。
また、ベンチャーキャピタルから出資を受けると、下記のようなメリットも得られます。
- 会社設立して間もない時期でも多額の出資が期待できる
- 経営ノウハウや人脈を提供してくれる
- 株式公開の支援を受けられる
ただし、ベンチャーキャピタルが経営へ強く関与してきたり、創業者の持株比率が低下して経営判断に影響が出たりするリスクもあるため注意が必要です。
クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネットを活用して不特定多数の支援者から資金を集める仕組みです。
下記のとおり、クラウドファンディングには購入型、寄付型、金融型の3つの形態があります。
たとえば、新しい広告サービスを開発する場合、購入型でプロジェクトを公開し、開発資金を調達する方法が考えられます!
市場のニーズを事前に測定できたり、支援者がロイヤルカスタマーになる効果を期待できたりするのも、クラウドファンディングを実施するメリットです。
従来の方法では資金調達できなかったような案件でも、プロジェクトの魅力や目新しさなどを効果的に訴求できれば、多くの支援を期待できます。
ただし、目標金額に達しない場合、集まった資金を受け取れないケースもあるため注意しましょう。
また、クラウドファンディングで生じるプラットフォーム利用料や決済手数料なども織り込んで資金計画を立てましょう。
参考:J-Net21(クラウドファンディングについて教えてください。)
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広告代理店業のビジネスモデルの基礎知識
本項目では、広告代理店業のビジネスモデルの基礎知識について解説します。
広告代理店業の主なビジネスモデルは、下記のとおりです。
- 媒体収入
- 制作収入
上記2種類について順番に見ていきましょう。
媒体収入
媒体収入とは、広告代理店が広告運用を代行する際、クライアントから受け取る運用手数料を指します。
広告代理店はマスメディア広告やインターネット広告などの広告枠を仕入れ、実際の媒体費に運用手数料を上乗せした金額でクライアントへ請求し、差額を収益とします。
媒体費の15〜30%程度を、運用手数料として上乗せするのが一般的です。
- 実際の媒体費:100万円
- 運用手数料(収益):20万円
- クライアントへの請求金額:120万円
クライアントの広告予算が大きいほど収益も増加する仕組みのため、広告効果を高める戦略立案が求められます。
制作収入
制作収入とは、広告の制作業務を通じて得られる収入です。具体的には、下記のような広告のクリエイティブが該当します。
- バナー
- 動画コンテンツ
- ランディングページ
内製化している場合は、制作費から必要経費を差し引いた金額が収入となり、外注している場合は、制作費から外注費を除いた差額が収入となります。
近年はSNSに最適化した動画広告の需要が急増しており、動画編集やWEBデザインスキルの有無で収益が大きく変わります。
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広告代理店業の会社設立を成功させるポイント
本項目では、広告代理店業の会社設立を成功させるポイントについて解説します。
広告代理店業の会社設立を成功させるために意識するべきポイントは、以下のとおりです。
- 黒字倒産しないよう運転資金に余裕を持たせる
- ノウハウを常にアップデートする
- 広告代理店業に関わる法律を熟知しておく
- スモールスタートで起業する
- インターネット広告を主たる事業にする
- 売上高営業利益率を高める
それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
黒字倒産しないよう運転資金に余裕を持たせる
広告代理店業では、売上の発生と実際の入金までにタイムラグがある点に注意しましょう。
媒体費は即座に支払う必要がある一方で、クライアントからの代金回収は、月末締めの翌月入金や翌々月入金になるケースが多いためです。
帳簿上は黒字でも、手元のキャッシュが枯渇してしまい、支払いが困難となる黒字倒産に陥る危険性があります。
たとえば、200万円で受注したプロジェクトで、媒体費150万円を前払いしクライアントからの入金が翌月または翌々月であれば、資金がショートするおそれがあります。
以上のような黒字倒産のリスクを回避するためには、運転資金に余裕を持たせましょう。
運転資金の目安として、毎月かかる固定費の3〜6か月程度を確保できると安心です。
弊所では、資金調達に関するアドバイスやサポートも行っておりますので、お気軽にご相談くださいませ!
参考:J-Net21(運転資金の考え方|起業マニュアル)
参考:J-Net21(黒字倒産とはどのようなものでしょうか?また、そうならないためにはどうしたらよいのでしょうか?)
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ノウハウを常にアップデートする
広告業界は技術革新のスピードが速く、過去の成功体験ばかりに依存していると、市場から取り残される危険性があります。
広告アルゴリズムの定期的な更新やAI技術の進化などによって、従来の手法では十分な成果を得られなくなり、最悪の場合、クライアントが離れていくおそれがあります。
以上のようなリスクを回避するためには、専門書籍の購読や業界カンファレンスへの出席、経験豊富な専門家との協業関係の構築などが重要です。
ノウハウを常にアップデートし続ける姿勢によって、クライアントへの価値提供が継続できるため、結果的に収益の安定化へとつながります。
広告代理店業に関わる法律を熟知しておく
広告代理店業を行ううえで、下記の法律は押さえておきましょう。
- 景品表示法
- 消費者保護法
- 屋外広告物法
それぞれについて順番に解説していきます。
関連記事:広告代理業で起業するには許認可が必要?メリットや注意点も解説
景品表示法
景品表示法の概要は、下表のとおりです。
引用:消費者庁(景品表示法)
景品表示法は商品やサービスの品質や価格などに関して、誇大表示や紛らわしい表現などを規制したり、過大な景品付与を抑制したりするための法律です。
特に、令和5年10月1日からステルスマーケティングが景品表示法違反に該当するようになったため注意しましょう。
- 企業が一般消費者の投稿を装って商品を宣伝する
- インフルエンサーに広告表示なしで商品を紹介させる
景品表示法に違反した場合、以下のとおり、措置命令や課徴金納付命令が出されるおそれがあります。
違反行為が認められた場合は、消費者庁は、当該行為を行っている事業者に対し、不当表示により一般消費者に与えた誤認の排除、再発防止策の実施、今後同様の違反行為を行わないことなどを命ずる「措置命令」を行います。違反の事実が認められない場合であっても、違反のおそれのある行為がみられた場合は指導の措置が採られます。
引用:消費者庁(景品表示法違反行為を行った場合はどうなるのでしょうか?)
クライアントの社会的な信用度の失墜につながるリスクがあるため、景品表示法に違反しない広告運用を徹底しましょう。
消費者保護法
消費者保護法とは、事業者と消費者の間にある情報量や交渉力の不均衡を、是正するため制定された法律群の総称です。消費者保護法に該当するのは、主に以下の法律です。
引用:消費者庁(知っていますか?消費者契約法ー早分かり!消費者契約法ー|令和5年6月)
また、契約の際に重要事項に関して虚偽の説明を行ったり、消費者の不利益となる事実を故意に告げなかったりした場合、契約の取り消しが認められています。
引用:消費者庁(知っていますか?消費者契約法ー早分かり!消費者契約法ー|令和5年6月)
インターネットの普及やSNSの利用拡大による情報過多で、消費者が適切に判断できないケースが増えているため、事業者は透明性の高い取引と適切な情報開示を行わなければなりません。
法令遵守によって、法的なリスクを回避できるだけでなく、社会的な信用度の向上や持続的な事業成長にもつながります。
屋外広告物法
屋外広告物法は、良好な景観維持と公衆の安全確保を目的として制定された法律です。看板や張り紙などの屋外に設置する広告物に関する規制基準を、明確に定めています。
屋外広告物法に違反した場合、下記のような措置がとられるため注意しましょう。
都道府県知事は、条例に違反する広告物を表示・設置し又は管理する者に対し、当該広告物の除却等の必要な措置を命ずることができる。また、一定の要件を満たすはり紙、はり札、立看板、広告旗等については、都道府県知事等が自ら除却することができ、除却した広告物等を、条例で定めることにより、売却・廃棄することができる。
引用:国土交通省(屋外広告物制度の概要)
なお、インターネット広告を主たる事業にするケースでは、屋外広告物法は業務との関連性が薄いです。
スモールスタートで起業する
スモールスタートで起業するのは、広告代理店業の会社設立を成功させるポイントのひとつです。
会社設立時から大きなオフィスを借りたり多くの従業員を抱えたりせず、コストを抑えて広告代理店業をスタートさせれば、失敗時の損失を最小限に留めながら起業できます。
たとえば、自宅やコワーキングスペースなどを事務所として活用すれば、固定費を削減できるため、資金繰りの悪化を防げます。
なお、コワーキングスペースでは他業種の経営者との交流から、新しいビジネスチャンスが生まれるケースもあるため、おすすめです。
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インターネット広告を主たる事業にする
インターネット広告を主たる事業にするのは、広告代理店業の会社設立を成功させるポイントのひとつです。具体的な理由は、下記のとおりです。
- 開業資金が少なくても参入できる
- ニーズが拡大している
上記2点について順番に解説していきます。
開業資金が少なくても参入できる
インターネット広告を主軸とした広告代理店は、マスメディア広告をメインで取り扱う場合と比べると少ない開業資金でも参入できます。
テレビや新聞などのマスメディア広告は、不特定多数の幅広い層にアプローチするため、著名人の起用や多額の制作費が必要となるケースが多いです。
一方、インターネット広告はターゲットの絞り込みができるため、少ない予算でも効果的な広告運用が期待できます。
また、インターネット広告は、広告運用の結果を数値で可視化できるため、クライアントに対する説明責任を果たしやすいです。
上記の理由から、社会的な信用度が向上し、契約の継続にもつながります。
ニーズが拡大している
インターネット広告の市場は急速に拡大しており、下表のとおり、2021年にインターネット広告費が、従来のマスメディア広告費を初めて上回りました。
特に、インターネット広告の強みは、消費者の閲覧履歴やクリック率などの行動データを詳細に分析できる点です。
効果的なマーケティング施策につなげられるため、インターネット広告のニーズは、さらなる拡大が見込まれています。
売上高営業利益率を高める
売上高営業利益率とは、下記のとおりです。
営業利益を売上高で除して求めたものである。売上高営業利益率は、企業の収益性、経営能率の良否を示す重要な比率で、利幅の程度を表す。
引用:経済産業省(3.売上高営業利益率|商工業実態基本調査)
なお、営業利益とは、以下のとおりです。
売上総利益(粗利益)から販売費及び一般管理費を差し引いたものをいい、企業本来の収益力を判定する。
引用:経済産業省(1.営業利益|商工業実態基本調査)
売上高営業利益率を高く維持できれば、少ない売上でも多くの利益を会社に残せるため、経営が安定します。売上高営業利益率を高く維持する方法は、以下のとおりです。
- クライアントの数を増やす
- 高単価のサービスを用意する
- リピート率を高める工夫を行う
- 内製化を進めて外注費を削減する
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広告代理店業の会社設立に関するよくある質問
最後に、広告代理店業の会社設立に関するよくある質問について紹介します。
広告代理店の起業に関する知識を深めたい方、個人事業主と会社設立のどちらで起業するか迷われている方は、本項目も参考にしてみてください!
内容は随時追記します。
広告代理店を起業するなら個人事業主と会社設立のどちらがおすすめですか?
事業規模の拡大や大手企業との取引などを見据えた場合、個人事業主よりも会社設立の方が有利です。なお、会社設立すると、下記のような税制上のメリットも得られます。
- 個人事業主と比べると損金算入できる範囲が広い
- 法人税は所得税よりも負担を軽減できるケースがある
- 欠損金の繰越控除できる期間が最大10年になる
個人事業主として起業する場合、開業の手続きは比較的簡単に済ませられますが、節税効果や社会的な信用度は、会社設立した場合と比べると低い傾向があります。
個人事業主と会社設立のどちらで起業するか判断に迷う場合は、税理士への相談も検討してみましょう!
参考:国税庁(No.5759 法人税の税率)
参考:国税庁(No.2260 所得税の税率)
参考:国税庁(No.5762 青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除)
関連記事:会社と個人事業主はどっちが得?違いやメリット・デメリットを比較して法人化を検討
広告代理店とはどのようなビジネスモデルですか?具体的な仕事内容も教えてください
クライアントと広告媒体の間に立ち、広告枠を仕入れて企画や運用を請け負うのが、広告代理店の基本的なビジネスモデルです。
具体的な仕事内容は、以下のとおりです。
- 広告戦略の立案
- 広告媒体の選定
- 広告クリエイティブの制作
- 広告の配信スケジュール管理
- 広告の効果測定
本記事の広告代理店業のビジネスモデルの基礎知識の項目もご参照ください。
競合リサーチのために広告代理店の企業ランキングを知りたいです
下表は広告代理店の企業ランキングとして、上位3社を売上高順に並べたものです。
順位 | 会社名 | 売上高 | 決算期 |
1位 | 株式会社電通グループ | 約6兆3,500億円 | 2024年12月 |
2位 | 株式会社博報堂DYホールディングス | 約1兆5,800億円 | 2024年3月 |
3位 | 株式会社サイバーエージェント | 約8,000億円 | 2024年9月 |
参考:電通グループ(財務諸表 連結損益計算書及び連結包括利益計算書)
参考:株式会社博報堂DYホールディングス(財務サマリー)
参考:株式会社サイバーエージェント(訂正・数値データ訂正|2024年9月期 決算短信〔日本基準〕連結)
広告代理店の起業は未経験でもできますか?
広告代理店の起業は未経験でもできます。ただし、広告代理店の起業で必要なのは、営業力や提案力、学ぶ姿勢です。
実務経験が乏しい場合、低単価の案件を受注したり協業したりしながら、小さく始めて実績を積み重ねていく流れが重要です。
また、広告代理店業を行ううえで必要な知識に関しては、書籍やオンライン講座などで地道に習得しましょう。
広告代理店の開業には資格が必要ですか?
広告代理店の開業に特別な資格は不要です。ただし、広告代理店業を行ううえで、下記の法律は押さえておきましょう。
- 景品表示法
- 消費者保護法
- 屋外広告物法
上記については、本記事の広告代理店業に関わる法律を熟知しておくの項目をご参照ください。
関連記事:広告代理業で起業するには許認可が必要?メリットや注意点も解説
ひとり広告代理店を起業すると社長の年収はいくらくらい見込めますか?
ひとり広告代理店で見込める社長の年収は、事業規模やクライアントの数、必要経費などによって変動します。
たとえば、月額10万円の広告運用サービスを10社と契約できれば、年間の売上は1,200万円となり、売上から必要経費を差し引いた金額を年収として受け取れます。
広告代理店業は固定費がかさみにくいため、高い利益率を見込める業種ですが、年収を増やしたい場合は、継続的な営業活動とサービスの品質向上が欠かせません。
特に、会社設立1期目はクライアントの獲得に苦戦し、年収が低くなってしまうケースもあるため、資金計画はシビアに立てましょう。
関連記事:1人社長は儲かるといわれる理由|メリットとデメリットも解説
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まとめ
今回は、広告代理店業で会社設立して起業する方法について、成功させるポイントや資金調達の手段とあわせて解説しました。
広告代理店業で会社設立して起業する流れは、次のとおりです。
- ①開業場所を決める
- ②事業計画書を作成する
- ③資金調達の計画を立てる
広告代理店業で会社設立する際の起業資金を調達する手段は、下記のとおりです。
- 日本政策金融公庫の創業融資
- 信用保証制度を活用した融資
- 助成金や補助金
- 親族や知人からの借入
- ベンチャーキャピタルからの出資
- クラウドファンディング
広告代理店業の会社設立を成功させるには、以下のポイントを意識しましょう。
- 黒字倒産しないよう運転資金に余裕を持たせる
- ノウハウを常にアップデートする
- 広告代理店業に関わる法律を熟知しておく
- スモールスタートで起業する
- インターネット広告を主たる事業にする
- 売上高営業利益率を高める